1%の幸運(その2)

モハヤコレマデ気分でバックミラー見ると、白煙は出ていない。パワー無く、排気音もおかしいけれどエンジンからの異音無し。水温計正常。とりあえずSSを続行。おそらく1気筒死んでる感じ。もちろんヘロヘロの加速である。最高速だって100km/hくらいしか出ない。何とかゴールし、サービスに向かう。

原因を考えるも、今までの経験からだと推測出来ず。少なくともエンジン内部は壊れていない。唯一の希望が点火系のトラブルだ。とはいえ直せる可能性としちゃ1%にも満たない。何たってスペアパーツが一切ないのだから。もちろん3気筒で走るというチョイスもありますが。私と木原コ・ドラは「これで終わりましたね」。

サービスに戻ると小沢整備班長も原因が解らないという。とりあえずヘッドカバーを開けてタイミングベルトをチェックするとコマ飛び無し。続いてプラグをチェックしてみよう、ということになり外してみたら「4番シリンダーのプラグのクリアランスが無くなってる!」。しかし! 交換するにもプラグがない。

どうしよう、と困った途端、小沢整備班長はサービスパーク全体を見渡す。次の瞬間、敵基地に向かい全力疾走で突撃! 30秒後、なにやら持って飛び出してきた! 何と! 新品プラグを4本持ってきた! 一瞬で部品がありそうなチームを嗅ぎ分けたということか? 凄い! 凄過ぎるぞ!

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ウィッタヤ基地に突入! 部品を強奪してきた

南国整備班は獅子奮迅のイキオイでプラグ交換し、外したヘッドカバーを装着! その間、搭乗員も飛び乗り、30秒前にキーを捻ると「ヴォロンヴォロン」というモーテックを付けたランエボ特有のエンジン音が響く。急いでサービスアウト。ギリギリでペナルティを喰わずに済んだ。しかもエンジンはキチンと回ってる。

おそらくターマックステージで軽いディトネーションを連続して続けたためシリンダーヘッド内の温度(特にプラグ近辺)が上昇。爆発エネルギーでプラグの金属棒が押されたんだろう。もちろんダメージはそれだけじゃないと思う。病気で言えば「発作は抑えたけれど、次がありませんよ」というイメージか。

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グリーン基地も装備豊富! クルマ完璧!

ということで出撃を続けることが出来ることになった。こうなると万全の体制持つ2機の敵戦闘機をやっつけることは難しい。となれば防衛任務だ。戦闘機乗りとしちゃ(ガンダムで言えば満身創痍のシャアザクか)、格下にやっつけられた時点で存在の意味無し。完走狙いなんてセコいことは出来ません。

小沢整備班長の「エンジンだけじゃなく、全てがいつ壊れてもおかしくない状態ですよ」。こいつを噛み締めて本日最後のSS(残るは3つ。距離46km)に向かう。とはいえ戦いの場に出たら、精一杯頑張らなくちゃならぬ。アクセル踏めない分、コーナーや危険な場所を高い速度で走るしかない! 

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小沢整備班長ごめん!

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4 Responses to “1%の幸運(その2)”

  1. applefanjp  より:

    最後の1枚、すごい大ジャンプ!
    小沢さんへの「ごめん!」に大笑い。
    経験を積んだ方には
    周りを見渡す広い視野と心の余裕があるということが
    よくわかります。
    やっぱり、運も味方につけないとと言いますが、
    人が運んでくるものですね!

  2. Kimura より:

    ジャンプの写真良いですね〜。
    せっかくなので、こういう場所で撮影したかったなぁ。
    SS16スタート地点で少ししか声掛けられなかったですけど、昨年に引き続き観戦できて良かったです。
    パタヤからチョット距離はありましたが(笑)。
    お疲れ様でした〜。

  3. kine より:

    お手本のようなジャンップ!

  4. ビッケ より:

    心配しておりましたが、まだ走れるようで安心いたしました。更に飛躍を!

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