トヨタバッシングその2
引き続き本日もドンドン拡大していくトヨタバッシングについて。どうやら本丸が出てきた? 現地時間の28日、ワシントンの日本大使館にヌーミー(加州にあるGMとの合弁工場)閉鎖反対のデモ隊がやってきたという。日経ネットによれば、UAW(自動車の労働組合)と全米トラック運転手組合だという。どちらも敵に回してしまうと手強い。
もちろん経営判断としちゃ生産効率の悪いヌーミー閉鎖は正しいのだろう。けれど「経営判断は正義だ」と主張して通用するの、政治や国民の発言力&実行力が全く無い日本(羊の国です)のような国くらいだ。アメリカで政治と民衆を敵に回したら、徹底的に叩かれる。トヨタは「人の国で商売させて貰う」ということを忘れているのだろう。
実際、トヨタの財政状況は「工場を閉鎖しても仕方ないですね」とアメリカ人の多くが認める厳しさじゃない。振り返ってみれば、トヨタは1980年代に全く同じ経験をしているハズ。「安いクルマを販売するのは正義」だと勝手に思い込み、早くからアメリカに工場を造って現地と上手く付き合おうとするホンダと対照的に、日本から輸出攻勢を掛けたのだ。
結果、超円高や輸出の自主規制を余儀なくされ、アメリカに工場進出しなければならないハメになった。当時トヨタの経営陣に話を聞いたら「自分だけが良ければいいという考え方はアメリカで通用しないという教訓を得ました」。その後の、ヌーミーの閉鎖までトヨタはアメリカと上手に付き合って来たと思う。実際、大きな問題も出てませんでしたから。
昨日も書いた通り、原因さえ絶ちきれば今回のリコールは決定的なダメージを受けないレベル。悪意の報道を繰り返すマスコミは「フロアマットに引っかかるトラブル」と「アクセルの動きが渋くなるトラブル」をダブルにカウントして「年間の生産台数に匹敵するリコール」などとおもしろがっているけれど、冷静になって考えてみればアクセルペダルだけです。
アクセルペダルを交換するだけで二つとも解決できてしまう。一つの部品だけなら大量生産によってコストを抑えられるし、交換作業も熟練してくるため短い時間で出来るようになる。今回の件、何より敵の本丸が見えたなら、戦おうとしないで使者を出し、話を聞くべきでしょう。
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しかも、大全国紙でさえ一流経済アナリストの意見として”部品統合化が大問題となった原因だ”と堂々と報道している。一般読者は「なるほど、そうなんだ。」と受け取ってしまうだろう。太平洋戦争時の日本の報道の失敗(と言うより罪)を忘れて又しても”報道の我田引水・正義面(ずら)”を感じた記事でした。マスコミの批判精神は必要だし大いに結構ですが、(認識不足が原因と考えたいのですが)問題の本質のすり替えや一面のみの観方などで読者を、引いては政治も偏向させる怖さまで考えてしまいました。
トヨタも自分の力やトップメーカーとしての立場、影響力も認識して国際的な観点で(悪く言えば駆け引きも出来る)国際企業になって欲しいですね。今回の対応、NUMIの件、F1からの撤退の仕方、現行プリウスの価格設定等々、大トヨタはもっと大人だと思っていたのですが・・・。経営も車造りや技術並みになって欲しいので、トヨタ叩きのつもりはありませんが。
トヨタの国際政策も国の外交と同じレベルでしかないのでしょうか!この面では国を超えている企業はたくさん有ると思うのですが。
悲観論ばかりでは寂しいので、逆にこの対応を活かして企業イメージを上げることも考えて欲しいですね。マスコミを利用すれば出来ないことはないと思います。
いつも拝見させて頂いています。
トヨタの若社長に、期待し旧体制からの脱却だと思います。
そのアクセルペダル、アメリカ製の情報もあります。調べてますがまだ解りません。
トヨタからの乗り換えで約10万円の特別値引き販売をGMがやってます、これがアメリカ人の本性だと気が付きました。
NUMMI閉鎖は、局所的な経営判断としては極めて合理的でしたが、ここに来て痛いしっぺ返しを喰らった格好ですね。
UAWはビッグスリーですらずっと手を焼いていた相手ですから、外様のトヨタはやはりもう少し配慮しておくべきだったと思います。
少なくとも、GMが一抜けたからといって、すぐに「じゃあ僕も」というのでは、やっぱり叩かれるでしょう。
この問題は、トヨタが本当に欧米を含めた世界で通用する多国籍企業としてやっていけるかどうかの試金石になるのではないかと思います。
国沢様の提案は、的を得た判断かと思います。
個人的には、トヨタは強大すぎてあまり好きではないのですが、これだけ叩かれると、さすがに「がんばれ〜」って応援したくなりますね。^-^;;
NUMMIの件、このタイミングで労働者が騒ぎ出したのなら、もしかしたらNUMMIが4月1日に3764人レイオフをするという申請を出したからかもしれません。
カリフォルニアでは75人以上の従業員がいる企業では、レイオフをする60日前にレイオフの申請が義務付けれているようです。
参照:http://www.mercurynews.com/business/ci_12277251
インド洋上給油活動の中止、普天間基地問題での優柔不断な対応、米国追従外交の見直しを掲げる新政府の非協力的な態度に対する米国政府の回答が、トヨタに対するバッシングという形に置換わったと考えるべきです。国沢さんが言われているように、今回のリコールはたしかに対象台数が多いが、基本は部品交換をすれば解決する問題であり、むしろGMとの合弁会社を清算し労働者の雇用を確保しなかったトヨタの経営政策の責任を重く見られている節があります。未曾有の景気後退の中、トヨタは、一番重要な市場である米国でやってはいけないことだったのです。
日本の基幹産業である自動車会社に強力にゆさぶりをかけ、米国の人は「日本の皆さん、自分達の力のみでこの地球上を大手を振って歩けると思ったら大間違いですよ。日本国政府に対して安全保障、トヨタ自動車に対して米国の雇用もよく考えなさい!」と言いたいのだと思います。
今の時代、改修対策費は当然計上し不測の事態に備えていますし、今回の部品の不具合でトヨタの品質システムを根本から見直す必要はないと考えます。リコール対策が落ち着き、時間がたてば、商品力/営業力からして米国における市場シェアをさらに上げるでしょうから。
それより、日本のマスコミは、日本の政治の行く末を心配する方が重要でしょう。
GM破綻によるNUMMIの今後について報道された時に、貿易摩擦とアメリカでのバッシングを恐れて閉鎖はありえないと思っていました。なぜなら、トヨタの工場進出の能力は「2工場/年」というなかで、北米で新工場をものすごい勢いで立ち上げてきたのは現地生産を拡大しなければトヨタバッシングが起こり販売が低下するから。(輸出比率を下げたい)
奥田さんが「北米でのトヨタ車の価格をいじる(上げる)」と発言されたのも売れすぎを警戒してのことと言われています。
トヨタは相当にバッシングに注意を払ってきたと思うんです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、現社長はNUMMIへ赴任されていました。赴任中は多くのアメリカ人(GM出身者を含む)と苦楽を共にしながら汗を流し、議論を重ね力を合わせて車作りをされたはずです。
NUMMIを閉鎖するに当たって、当然多くの共に働いた仲間の顔が、懸命に組み付け作業を行っていた人々が、そしてその家族の顔が浮かんできたのではないでしょうか。
それでも、閉鎖せねばならなかった。苦渋の決断だったはずなんです。
トヨタのNUMMIを閉鎖するという決断は決して、経済合理性に則って安易にしたものではないと私は信じています。
張さんも「NUMMIは先輩たちが残してくれた貴重な財産」という言葉を残されています。
戦後の労働争議による人員整理以来、トヨタは国内で一貫して人員整理を行ってきませんでした。労働組合は会社を良くすることで従業員の生活を守り、会社は従業員の努力で成長する。互いに信頼し協力し合ってきたからこそ、トヨタは大きく成長したと思うんです。そして、その思いは今でも変わることなく受け継がれている。
ただ、リーマンショックによって多くの期間工の方やトヨタ関連企業で働く非正規労働者、NUMMIの人々が職を失ってしまった。いくらトヨタといえども、想定を超えた減産によって全ての人々を守ることはできなかった・・・
でも、心意気を見せて欲しかった・・・
トヨタファンとしては単に削減をするだけじゃない「さすがはトヨタ」だなと思える対応を見せて欲しかった・・・
私はアメリカの人達は決して敵じゃないと思うんです。なぜなら年間数百万台ものトヨタ車を買っているんですから。
ひとりひとりのユーザーとの信頼関係がいかにできているか、バッシング報道を見ても、惑わされずに「自分はトヨタを信じる」と思ってくれるか否か。
トヨタ車1台1台のこれまでの品質やサービスの真価が問われていると思う。
私はきっとバッシングを乗り越えられると、ユーザーもきちんと判断してくれると信じています。
今回の騒動を乗り越えて、世界中のどの自動車メーカーよりも「お客様にとってかけがいのない1台」であり続けたいという想いを強く持って欲しい。
頑張れ!!!トヨタ!!!