タタ・ナノ厳しい展開

鳴り物入りで登場したインドの格安自動車『ナノ』は、ここにきて急速に売れ行きが落ち込んでしまった。初期トラブルの展覧
会のような状況となっているからだ。日本のサプライヤーから供給受けている部品についちゃ問題出ていないものの、タタ独自のルートで開発した部品が厳しいそうな。
 
すでに6件も自然発火。突如燃え出すというのだから恐ろしい。しかも調査したのに「原因不明」。というかタタ側の発表によれば「原因無し」。つまりなんで
燃えたのか解らないのだという。「ナイショで直してるでしょう」とも思うけれど、最初に燃えるという報道あったの、昨年の夏頃。原因解れば対策してるハ
ズ。
 
インド人も「安いのは魅力ながら商品としちゃ信用できない」と判断したのだろう。10万台以上のキャンセルを受けたという。ナノは発売以来ずっと予約販売。作る前から売れていた。しかし今やディーラー在庫も出てきたというから深刻。このままだとナノは在庫の山となってしまうんじゃなかろうか。
 
やはりクルマは価格より信頼性や耐久性。安かろう悪かろうじゃ長続きしないということです。といったことを考えると日本のメーカーが相次いで開発に着手してる低価格車は興味深い存在。韓国や中国のメーカーより圧倒的に優れてますから。もし耐久性で1,5倍くらいあれば、多少高くても売れる。
 
参考までに書いておくと、次世代の主力モデルの一つになること確実な低価格車(60万円級)の開発に着手していないの、三菱自動車とマツダ、スバルです。
三菱自動車はマーチやホンダのコンパクトカーと同じ90万円級のAセグメントは開発しているも、60万円級についちゃ計画無いようだ。
 
この3社、軽自動車からスタートしている。なのに「儲からないから」と格安車への参入を躊躇っている模様。トヨタや日産、ホンダといったプレミアムブランドを販売しているメーカーすら格安車を重要な世界戦略として位置づけているのに。マツダやスバルがこういったクルマ作ったら面白いと考えます。

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5 Responses to “タタ・ナノ厳しい展開”

  1. 真鍋清 より:

    三菱など、60万円級の軽自動車=660ccリーンバーン+アイドルストップ機構を現行のミニカの後継車として乗用・商業タイプ二系統で製造・販売すれば非常に理想的だと思う平均燃費は34km/lをコンスタントにはじき出せ、日本とインド、中国の各国で生産可能なフレキシブル・プラットフォームを使えば新タイプの国民車が創出出来よう。
    ともあれ現状のミニカは1998年に登場以来全くチェンジ無く塩漬け状態となっており、何よりここ数年は乗用タイプが廃止され、貨物登録のライトバンのみになっておりシリーズとして瀕死の状態と取れます。
    そうした「低コスト軽の定着に一時代を築いた」老舗ブランドミニカの再興と継承を目指すべく、次世代ミニカをワールドカーとして生み出し、ダイハツイースと真っ向勝負させたらいかに理想的かと思います。

  2. 小林 英弘 より:

    個人的には「クルマ」と「格安」という言葉は結びつかないのでは?と思います。「格安」を実現するには「従来あった何か」を削らないといけませんから。「クルマは走る凶器」。コスト削減も程々にしないといけないと思います。しかし置いといて勝手に燃えるって凄いですね! よその国の話だから笑い話になりますが…。最近クルマを替えました。平成15年式の初代フィット初期型から平成14年式の一代限り(笑)のトルネオ最終型への乗り換えです。さすがに外観は小キズあり重度のガラスのうろこジミありですが1オーナー禁煙車だけあって内装はまるで新車!? しかも走行17000キロ少々です! 外観はともかく中に乗ってしまえば新車同然のドライバーズ空間が待ってくれてますから大満足です!まさに格安な買い物でした!! …こういう「格安」はいいと思います。でも新車の時点で「格安」ってどうなんでしょう? 繰り返しますが「クルマは走る凶器」ですから。「格安家電で火災事故!」みたいな事が起きないといいですね。

  3. ted より:

    日本でも半世紀前には格安車が各社から一斉に開発され販売された。トヨタの空冷2気筒パブリカ、三菱の空冷2気筒リアドライブのコルト500、マツダの30万円クーペ360、初代スバル360、スズキフロンテ360など。
    しかし日本人の所得が増えるにしたがい、より快適な車の需要に移り10年以内にいずれの車も水冷化、4気筒化して価格も上昇していった。
    ここで新興国むけの格安車がどのように展開するかだが、中国では韓国のように小型車は嫌われるので見込みはないと思うが、インドやアセアン諸国では今後30年間は格安車が中心になると思う。

  4. ぱんだねこ より:

    ナノのような「誰にでもクルマ」をというコンセプトのクルマはとても良いと思っています。安くて誰にでも乗れて、原チャリより便利で、やたら大きな車がガソリンを撒き散らして走るより、理想的だと思いました。ただし、企業にとっては厄介というか儲からない車の扱いにはなると思います。
    しかし、不思議なのはインドは優秀なエンジニアを世界に送り出しているというのに、自社開発して出てきたクルマが「これなの?」という感じが否めないところです。ナリはあのままだとしても、フル装備で低価格とか、安全性はどこの国でも試験をパスするとか、メルセデスのスマートのようなクルマが出てきたら、かなりの脅威であり、インドの技術を世界に思わせることができたと思うのです。
    日本にある数台も、リバースギアが入らなくなったとか、エンジンかけられないとかいろいろあるみたいですが、ちゃんと対策をして再出発をしてほしいです。
    こんなこと言っては失礼だが、三菱もあまり深く考えずにミニカの現地生産をしてとりあえず売ってみてはいかがでしょうか?ナノよりも日本の軽自動車の方がまだまともだと思いますが。

  5. 真鍋清 より:

    タタ・ナノ→1960年代の日本におけるスバル360/マツダR360クーペ<その少し上のマルチ800(※安全面から生産中止という)→初代パブリカ700/800<スズキ・スイフトやホンダ・シティ他1200-1500ccクラス→ブルーバード/コロナ他「5人乗りファミリーカー」<カローラ/シビック/シボレー・クルーズ/スコダ・オクタビア他1.8Lクラスセダン→クラウン/セドリック/プリンスグロリア(4気筒・6気筒問わず)<カムリ/アコード/日産ティアナ他2.0-2.5LのDセグメントセダン→出たばかりのプレジデントあるいはビュイック/シボレー等の中型アメリカ車(大企業の重役や政府機関のお偉いさんが運転手付きで乗る高級車)
    1960年代半ばの我が国になぞらえるとそんな感じでしょうか、現在のインドの自動車事情。
    そこへ最近、既存のスズキスイフトやホンダシティ等よりいくぶん廉価で小ぶりな1.0-1.2L車が日産マーチやトヨタ・エティオスを皮切りにクローズアップされており、これはさしずめかつての日本における初代カローラ/サニーの役割に見えてなりません。
    こうして、モータリゼーションの急速な進行でいずこも辿る道は似たりよったりだということを痛感させられますが、そうしたモータリゼーションの地盤固めの重責を担う「はじめてのマイカー」=タタ・ナノがあの体たらくではインド株も大幅に落ち、債務超過に陥って同国の経済も構造不況に陥る可能性も免れない上、何でも無条件に安ければ良いというわけではないことを思い知らされます。
    我が国でもスバル360をはじめマツダクーペ〜キャロル、三菱ミニカにスズキスズライト(フロンテ)…..等の一連の360cc軽自動車がありましたが、それは量産による低コストの実現はもとより、「生産品質の安定とその結果としての故障のしにくさ」という面において技術者が各々良心をこらしていた形跡は伺えます。
    そうした意味でこのタタ・ナノ騒動を見るに、インドのモータリゼーションも性急な発展を急ぎすぎた感が見えないでもありません。
    1980年代の半ばに、経済開放の第一歩としてまず資本の規制緩和が行われ、現地のマルチ社と日本のスズキの合弁でスズキフロンテの生産が開始されて以来、同国にモータリゼーションと工業化を根付かせようという血のにじむような努力は今実りを迎え、次のステージに向かおうとしております。その導入口にて起きたナノの欠陥騒動…..これからは同国の辿る道は依然茨の道に違いないが、果たしてどのような展開があるか見物ではあると思います。

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