VWの不正問題のその後。先が見えてきた?(23日)
VWの現状はどうなっているだろうか? まずアメリカ/カナダを除く地域で販売された1100万台と言われる不正ソフト対象車だけれど、発覚当時、私はあまり大きな問題にならないと書いた。なぜか? そもそもアメリカ以外の地域では厳しいNOx規制が施行されておらず、ユーロ5レベルまでであれば頑張らなくてもクリア出来てしまうからだ。
どうして1100万台は「不正」と言われたのか。例えばロードスターのクルーズコントロール。日本では全てのグレードに設定されていない。けれどスイッチ付けて配線すれば動きます。今や世界中で販売されているクルマに入っているのは共通ソフト。アメリカで問題になったディーゼルエンジンも全く同じ事情。1100万台は共通ソフトだった。
つまり『EA189』型エンジンのうち、アメリカ/カナダ仕様だけ、不正ソフトが動くようになっていたということです。今回ドイツ国内で発表されたVWのリコール対策は、3気筒1200ccと4気筒2000ccは制御ECUを書き換え不正ソフト部分を取り除くという作業だけで済む。およそ30分で終わる。4気筒1600ccのみソフトだけでは済まない。
空気量をより精密に計測すべく吸入空気の流れを正す目的で使う網形状のアタッチメントを加え、その上でECU書き換えとなり所用1時間。作業後も性能や燃費は全く変わらず。ドイツ政府はこれでOKという認可を出した。おそらくEUも認める方向になることだろう。1100万台のリコールについちゃこの対応策で全て済むと考えていい。
参考までに書いておくと、1100万台を販売した国のウチ、韓国だけ状況が解らない時期に罰金を決めた。アメリカとカナダの対応は年内に決まるハズだったけれど、最初から「Xマスに掛かるので無理でしょ」と言われてましたね。案の定、1月の半ばに延期されている。こちらは簡単じゃ済まず、触媒タイプは最低でエンジン載せ替え。車両回収もありうる。
アメリカの対応発表で今回の不正問題は先が見えてきます。夕方からサンコーワークスまでS4を見に行く。ステッカー貼るとイッキにラリー車っぽくなる。カッコ良くなってきました。競技に使う上での問題点の対応もキッチリしている。年内にミニサーキットでシェイクダウンする予定。果たしてどの程度のポテンシャルを持ってるか?
<おすすめ記事>