ロードスターRFは若者向きのクルマですか?

ロードスターRFの発表会でマツダの小飼さんは「RFで若者のクルマ離れを何とか改善したい」とコメントしたそうな。これに対し「300万円以上するクルマなんか買えるワケないでしょ。むしろ高いクルマばかり出して若いユーザーを無視してる」という声が大きい。この件、おそらく側近からレクチャーを受けたのだろう。小飼さんのリーダーシップは素晴らしいし、バランス感覚もある。

確かにRFの隣の席に座ったりハンドル握ったりする機会あれば、若い人も「こんなクルマに乗りたい」と思うかもしれません。私が子供の頃ならクルマは憧れの存在であり「今は手が届かないけれどいつか乗ってみたい」となるだろうけれど、今やクルマなんて誰にでも買えると認識している。むしろ300万円超の価格だと知り「自分にゃ買えない」と諦めてしまう可能性の方が高いです。

側近を信じ、小飼さんはその通り理解したんだと思います。ここで小飼さんに若い世代のフトコロ事情や、RFの価格をキチンとレクチャーすれば、違う考え方をしたかもしれません。社長というのは偉いので、世の中の正しい事情をつかむのは難しい。最近のマツダ車全般にいえるコトながら、価格的に高くなってしまい若い人向けの反対側に行ってます。今の若手は現実的なのだ。

やや心配なのは、小飼さんの側近にエキセントリックな人が集まっているかもしれません、ということです。「売れなくてもイイから良いクルマを作っていく。若い人だって良いものならお金を出す。そのうち売れます!」とご注進しているのだろうか。このままだと800万円のロータリーエンジンも作ってしまうかも。社長は孤独なのだった。今回の発言で少しばかり心配になりました。

ホンダが出したN-ONEの50周年記念車も「う~ん!」である。N360といえばホンダが初めて4輪車で高い評価を受けた車種。ホンダ4輪の歴史はNから始まったと言ってよかろう。なのに50周年記念車を見たら、単なる豪華ゴテゴテ装備車でした。真剣にNのことなんか考えていないし、そもそもNの本質を理解していないです。せっかく50周年記念車を作るなら気合い入れて欲しかった。

私ならN-ONEをベースに、安全装備だけ残して外せるモノは全て外す。部品を外すことにより250kgの軽量化に成功した燃料電池車クラリティを見ると、ホンダなら材料置換せず軽量化できる技術を持っていると確信しました。もちろんミッションはマニュアルも。価格は当時のN360と同じく「多くの人が買えるように」と安くすればいい。安全装備付きで120万円くらいなら売れると思う。

ホンダは誰もが売れないだろうと言うアメリカのシビックを日本に出す。どうやら突っ走って行くようだ。ジェイドとグレイスと同じ道を辿ると言うことが、ホンダの中枢部にいると理解できないのだろう。第二次世界大戦時を厳しい負け戦にした当時の軍部の動きと同じ。直近では豊洲市場の盛り土やオリンピック関連予算もそう。誰もが「おかしい」と思っても止められないらしい。

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