新しい技術と夢
子供の頃から「動くモノ」が好きだったので、技術開発に携わった人の本ばかり読んでいた。96式艦上戦闘機や零戦、雷電を設計した「風立ちぬ」の堀越二郎さんはもちろん、『誉』エンジンの中川良一さん、そして1枚の図面だけで『ネ-20』(ジェットエンジン)を作り上げた種子島時休さん等々。
クルマ好きになってからは本田宗一郎さんの『走る実験室』という考え方にシビれました。私の場合、特にパワーユニット好きだったらしい。だからこそ1997年に初代プリウスが出た時、瞬時も迷わず購入。3年後にマイナーチェンジを行い、大幅に進化した時も辛抱タマラズ乗り換えたほど。
初代後期型のプリウスに乗って「これでラリーに出られないものだろうか?」。1,5リッタークラスのガソリン車と戦えるポテンシャルを持っていると感じたからだ。ホンキで出ようと思ったものの、ブレーキなど複雑なシステムを持つ。少しばかりトヨタに聞かなければならないことも出てきうそうな雰囲気。
そこでトヨタのモータースポーツ部門に問い合わせてみたら、すでに当時の人は誰も居ないので書くけれど「勝てる見込みの無いハイブリッドで競技をやることを意義を見いだせませんのであしからず」(メールのやり時は残ってます)。レースにハイブリッドを使うようになったのは、モリゾウさんになってからです。
ということでハイブリッドの時は断念し、そのまま12年が経ってしまった。私にとって残る時間も長くない。電気自動車という新しいパワーユニットに出会い(いろんな意味でi-MiEVやリーフは旧来の電気自動車を圧倒的に凌ぐ)、最後のチャンスだと思った次第。人にも恵まれ、強引にラリー車など作った。
実戦デビューとなったのだけれど、たくさんの課題を抱えながらもポテンシャルの高さに驚く。駆動系は全く標準状態。なのにアップダウンの無いコースならRX-8などと同等(SS12)。車重のある電気自動車にとって最もニガ手なキツい登り区間(SS15)もパワーウエイトレオで勝る車種と互角に戦える。
総合的に見ると圧倒的な電力不足のため、充電間隔を長く取った1日目こそヘロヘロだったが、充電時間に余裕あった2日目の結果はスタートラインとして考えれば上等だと思う。さらなる可能性だって持つ。標準仕様のモーターでもスタートの2秒間だけ30%増しの出力を出すことだって出来ます。
電気自動車の本命は「電池の高性能化」ながら、ここにきて面白いアイデアもたくさん出てきた。例えば下のリンクを。ムカシからあるアイデアながら、最新の電気自動車なら超小型のトレーラーに搭載する小型軽量の発電機(600cc級)で済む。1000cc級エンジンを積むと走行中に充電まで行える。
ラリーの移動区間でこういった発電機付きトレーラーを引っ張り、走行用の電気+充電を行えば、電力不足は大幅に低減出来るだろう。もちろん一般ユースだって考えたらいい。高速道路のICやSAなどにレンタル式を用意しておけば、電気自動車でのロングドライブだって余裕。
新しい技術に限って言えば「走る実験室」は21世紀も通用します。
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ラリー、完走おめでとうございます。またオジさま軍団、素敵すぎます。
(^-^)b次回も頑張れ〜
あとはニスモが、リーフの競技用コンピューターを発売すれば、更に面白くなりますね!
また折を見て、応援うなぎを頂きに行きたいと思います。
木原さんのマンガも楽しみです。
BMW のi3が来年の春に米国で発売になるとの発表がありました。モーター出力は170馬力、
満電走行距離は80から100マイル。充電専用の2気筒34馬力のガソリンエンジンを後部に
搭載したモデルもあり、走行距離を2倍に増やすことができる(充電しながらフローティング
モードで走ると電池が減るのが遅くる?)。外部電源からの充電時間は急速で30分、
220ボルト充電器では3時間。価格は約450円。面白い車が出てきました。
送電網の総合熱効率は地域や国で大きく異なりますが、ワシントン州、オレゴン州やカナダの
ケベック州やブリティッシュ・コロンビア州のように水力発電を主な電源としているところでは
奨励されるべき車です。 (日本では送電網の総合熱効率が40パーセント以下なので、実用燃費が
リッター20キロ以上あれば電気自動車よりハイブリッドや軽の方が二酸化炭素排出は少ない)
尚、ボディーはカーボンファイバーとのと。重量を減らし強度を上げるためでしょう(後部ドアは観音開き)。
ホンダあたりからこんな車を世界に先駆けて出してもらいたかった。