PHVとは全く違う
今日のTOPはクルマ通向きなので難解だと思います。知らなくても問題ないことなので、無視してくださいまし。
BMWの電気自動車『i3』は、本来なら日本の自動車メーカーが作るべきだった。いや、作ろうとすれば簡単だったと思う。電気自動車に600cc級の発電機を搭載するだけですから。なぜ日本は作らなかったのか? ここが日本の大きな課題というか、弱点だと考えます。以下、少し詳しく。
i3の基本はリーフと同じくらいの航続距離を持つ電気自動車だ。当然の如く「航続距離が限られる」という弱点を持つ。BMWの開発陣は「それなら遠くまでドライブするときのため発電機を搭載しよう」と、とってもシンプルに考える。日本だとどうか? 最初に出てくるのが「燃費はどうなるの?」。
二つ目に「34馬力しかない650ccの2気筒エンジンで走らせられるのか?」。この二つ、すでに日本の自動車メーカーの電気自動車やハイブリッドを開発している人達がi3を見て「ダメでしょ」とか「なんで?」状態になっている。この二つの疑問の答えは簡単だ。「燃費良くない」と「登り坂ならアウト」です。
日本の技術者はエンジンを搭載すると、そのエンジンを使って走った時の燃費を重視するのだが、この設定自体間違っている。極端に通勤距離が長い人を除けば、
ロングドライブをする機会など少ない。だったら、めったに使わない時の燃費が多少悪くたって問題ない、とBMWの開発陣は考えたワケ。
また、エンジンが必要なのは大雪の日や非常に寒い日などで、これまた燃費より「生存性能」が要求される。そういった状況で燃費の良さなど考えれば、エンジン
直結駆動モードを持たせたアコードHVのようになってしまう。エンジン直結モードをするとなれば、エンジンパワーだって650ccじゃ足りない。
i3のレンジエクステンダーは全く考え方が違う。160kmまでの使い方なら電気自動車だ。目的地が300km離れているなら、160km走った後、エンジンを始動するんじゃない。1200kg台と言われる軽いボディとはいえ、34馬力のエンジンでは走らないです。早い段階からエンジンを掛ける。
ここから複雑になるため専門家のみ参考していただきたく。例えば300km走るのに40kWhの電力が必要だとしよう。搭載している電池容量は20kWh。
つまり20kWh足りなくなります。搭載している発電機の出力は最大25kW。20kw分の発電を1時間稼動させればよい、ということ。
大きなパラメーターになってくるのは時間だ。1時間あたり20kWhの電力消費量なら(高速道路であれば80から100km/h巡航)、消費量と電力供給量が釣り合う為、航続距離は「ガソリンタンクの容量」になる。ただ650ccエンジンで20kWの発電をすると、音や振動が出る。だったら10kWにすればいい。
その場合、電池からの電力供給が1時間あたり10kWh必要になるが、電池容量20kWhあれば航続距離を2倍に伸ばせる。日本の道路をイメージして欲しい。発電機を20kWで稼動させれば、100km/h巡航で無制限の航続距離なります。10kWで稼動させると航続距離400km。
目的地までに距離あわせて発電機を使えばいいのだった。例えば東京から名古屋まで走るとしよう。自宅から高速道路までは電気自動車。高速道路は目的地に到達できるエネルギー量だけ発電機を稼動させる。そして高速出口から目的地までは電気自動車、といった具合です。
問題は発電機が50万円すること。こいつを諦め、ロングドライブは時間かかるけれど途中で急速充電したってよいです。長距離ドライブの比率が多いなら、発電機付きのi3。そうじゃなければ標準のi3を選んでください、というのがBMWの姿勢。航続距離制限の無い電気自動車だと思えば間違いない。
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マツダにはロータリエンジンで発電機を回す電気自動車を作って欲しいです。
なるほど、考え方ですね。日本メーカーの中枢にはもっと物事を球面として見る事の出来る人がいないのでしょうか。残念です。表と裏じゃないです。球面です。
発電機の使い方によって、どれが最も効率のいいエンジンは何なのかがとても気になります。
レシプロエンジンにこだわる必要はないでしょう。
仰るとおり走行中1時間で20kWh充電できればガソリンがある限り継続運転できますね。
そのためにはエンジンは30馬力ほど出さなければならない。振動や騒音、寿命を気
にするならエンジンの回転を低めにし、熱効率の心配をするならスロットル全開、BMW
はバイク用650ccエンジンを流用するのでしょうか?BMWはその昔最大回転数を
4000rpmに抑えた“e”(イプシロン、効率)ガソリンエンジンを乗用車に載せた。その経
験が活きたのか?もっとも、その目的にワンケル ロータリーまで試したようだけれど。
(やはり2気筒では振動と騒音が問題か?マツダの出番だ!)
常時10kW発電だと、ご指摘のように、i3は登坂は苦手でしょうね。継続して50kW
(67馬力、軽のアクセル全開)必要な坂を上るときエンジン出力を上げ20kW、電池
から30kW供給したとして、電池満電で40分しか持たない。東京から御殿場に到着
した時は電池もだいぶ減っているでしょうから箱根の上りは辛い。
初代ホンダ インサイト(エンジン出力66kW)が長い坂をノロノロ走っているのを何回か見たことがあります。
「エンジン」をオプション設定した、BMW方式に一票です。
日本人はエンジンにこだわるから、なかなかオプション扱いにはできないでしょう。見事な発想だと思います。
いよいよEVとHVが、(利用者にとって)あるべき姿に近づいてきたと実感します。
ロータリーエンジンのレンジエクステンダーはアウディが作ってましたね。BMWのと優劣はどうなんでしょうか。
特に通向けの話ではないと思います。
「エンジン載せたからEVじゃない」と言う心ないコメントは見たくないです。
昨年暮れに開催された追浜のオーナーズミーティングでレンジエクステンダーの件を開発陣に質問した方がいました。開発陣の回答はゼロエミッションという目的から外れてしまいますので・・・・・・・・。
という回答でした。
おー、こんな魅力的な車がもうじきデビューするな
んて今の今まで知りませんでした。
しかも発電機がBMWの水平対向だとは・・・・バイク
だってBMWなら相当高いので50万UPぐらいなら安いん
じゃないですかね?
アルミやカーボン素材を使って500万ぐらい?いや、日
本ならもっと高くても売れるでしょう(笑)。
購入層もクルマに対する知識があってリス
クも理解するような人たちでしょうから問
題も無いでしょう。
このシステムを日本車でやったら、充電が
間に合わない!とか色々苦情が出るでしょ
うね。
ちなみにブリヂストンの新型大径エコタイ
ヤの採用1号車はこの車ですかね。
黒リーフさん、
ニッサンの開発陣が電力に関しそんな認識なのは残念です。日本の電力網の総合熱効率は
受電端で40パーセントそこそこ。ゼロエミッションとは程遠い。これならプリウスや新しいホンダ
アコードHVの方が熱効率が良い。EVで本当に二酸化炭素排出を減らしたいのなら、太陽光発電
かエネファーム燃料電池で充電するか、小型ガソリンエンジン(ディーゼルなら尚可)で
発電機を回し廃熱を空中に捨てないで温水を作り台所や風呂場で使うのが一番。
(ホンダさん頼みます) これで20kWhの充電すると、ガソリンエンジンの熱効率を25
パーセントとして、60kWh分の廃熱が出る。その半分が湯沸しに使えたとしたら
30kWh。2kWのIHコンロを15時間連続使用したと同じ熱量。
追伸:小生の前投稿にあるロータリー云々は「ほうき星」さんご指摘のようにアウディだったのですね。
失礼しました。
スズキはスイフトでレンジエクステンダーを開発していましたね。国沢さんの記事によれば2009年のこと。なぜ今発売していないのでしょうか?