オースラリア近海で彷徨っているクルーズ船群、このままだと2000人規模の死者を出す可能性大

20隻近いクルーズ船がオーストラリア近海で酷いことになっているようだ。先週から妙な動きをしているクルーズ船が多数出ていることは解っていた。例えば下は『ルビー・プリンセス』というクルーズ船の24時間航跡。東京湾沖でグルグル回っていたダイヤモンド・プリンセスと全く同じような動き。28日時点でも7隻のクルーズ船が同じようにグルグルしてます。

すると朝日新聞デジタルに「シドニーに戻ってきた10隻以上が乗客を乗せたまま」というニュース。シドニー在住の小野君によれば「17隻が待機中のようです」。何と! グルグル回っている7隻、人が乗っているという! 例えばルビー・プリンセスは3月19日から彷徨っているのだった。このフネ、乗客3000人。乗組員1200人。290m/11万3千トンという大型船です。

多数のコロナ感染者を出したルビー・プリンセス

ヒマに任せて調べてみたら、どうやらオーストラリア近海でお客を乗せて彷徨っているフネは大小交え12隻だと思われる。さらに3隻は港に停泊しているが、降りられていない可能性あります。朝日新聞デジタルが伝える通り3万人くらい乗ったまま、ということになる。船内はどうなっているか解らないけれど、ダイヤモンド・プリンセスに似たり寄ったりじゃなかろうか。

パースのバスコ・ダ・ガマは埠頭で待機中

小野君によれば「2700人降ろしたルビー・プリンセスは感染者を130人出しています」(その後死亡者も出た)。ということはルビー・プリンセスの場合、乗組員を乗せたまま彷徨っていると言うこと。130人の感染者を出したフネのため、当然ながら1200人近い乗組員にだって感染者が出ていると思う。今後、状況はさらに悪化していくこと間違いない。

ヴァイキング・オリオンはメルボルンで沖止中

かといってオーストラリア近海から離れることも難しい。受け入れる国や港がないためだ。オーストラリアの近所に十分な医療を持っている国は無い。一番近い日本だってダイヤモンド・プリンセスだけで一杯一杯になってしまった。アメリカまで行こうとしたら一週間程度掛かり、その間、死者が多数出ることだろう。なにしろクルーズ船の乗客は高齢者多数。

MSCマニフィカはドバイで帰港を拒否されパースまで

それにしてもなぜこんな時期までクルーズなんかしていたのだろう? ルビー・プリンセスは11日間のニュージーランドクルーズを終え、3月19日に戻ってきた。つまりシドニー出たの、3月8日。この時点でクルーズをキャンセルすることは出来なかったか。まぁ出来なかったんでしょうね~。私が15日間のニュージーランドクルーズに乗ってシドニーに戻ったのは2月28日。

ノルウェイジャン・ジュエルはハワイに逃げられた

この時点で私は「日本に帰れる可能性50%」と判断していたけれど、クルーズ会社の皆さん全く気にしている様子無し。私が乗ったノルウェイジャン・ジュエルも新しいお客乗せ、ニューカレドニアとフィジークルーズに出発したほど(その後、ハワイに逃げ込み乗客降ろし停泊中)。3月8日にシドニーを出たクルーズ船が無事に戻ってこられる可能性は10%くらいしかなかったと思う。

シーボーン・アンコールはパースで沖止

今度どうなる? 信じられないほど悲惨なことになると思う。ドイツのメルケル首相が言った通り船内で60%くらい感染するだろう。そして1万8000人の感染者の中の20%が3600人が重症化。大半は高齢者のため、人口呼吸しなければ半分死亡する。このままだと2000人規模の死者を出す。クルーズ業界は今回の新型コロナ禍で、決定的なダメージを受けるかもしれません。

日本帰港でお馴染みのボイジャー・オブザシーは沖止

以下、オーストリア近海にいるクルーズ船名(国沢調べ)。12隻の「彷徨」は乗客乗せて彷徨い中。3隻の「停泊」がおそらくオーストラリア人を除く乗客を乗せたまま桟橋に着いている。5隻の「沖止」は乗組員だけ乗った状態でアンカー落として海上に停まっていると思われます。

シドニー ラディアンス・オブザシー(彷徨)/セレブリティ・ソルスティス(彷徨)/ルビー・プリンセス(彷徨)/スペクトラム・オブザシー(彷徨)/オベーション・オブザシー(彷徨)/カーニバル・スプレンドール(彷徨)/カーニバル・スピリッツ(彷徨)/ボイジャー・オブザシー(沖止)

ブリスベン シープリンセス(彷徨)/パシフィック・ダウン(彷徨)

メルボルン ゴールデン・プリンセス(停泊)/バイキング・オリオン(沖止)/シーボーン・ソジャーン(沖止)/パシフィック・プリンセス(彷徨)

アデレード パシフィック・アリア(彷徨)

パース MSCマニフィカ(沖止)/シーボーン・アンコール(沖止)/ザ・ワールド(彷徨)/アルティニア(停泊)/バスコ・ダ・ガマ(停泊)

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