下田へ
風は静穏。波弱し。シメシメ。羽田沖、中の瀬航路の東よりを通って第2海保あたりまでは順調だった。いつも通りでございます。しかし! 浦賀水道航路が終わったあたりで千葉県側から神奈川県に渡ろうとしたら、突然の濃霧! どのくらいの霧なんだろ、と飛び込むや、もはや視程20mって感じ。
5時20分に夢の島を出航!
こらダメだ! と右に90度変針。霧の外に出た瞬間、巨大コンテナ船も私の後方から飛び出してきた! 引き波にヤられないよう、さらに右転舵! そのまま50mも走っていれば、間違いなくアウツでした! 見たら250m以上の巨大船! 向こうだって避けられないワな。せめて警報くらい鳴らしてくれ!
たまに写真撮る余裕が出る
フネに乗っていて悪天候以外で始めて命の危険を感じましたね〜。一旦引き返し、十分視界の効く場所で浦賀水道航路を横切る。トットと横切っておけばよかった。しかし久里浜を過ぎたあたりから、徐々に霧の濃度が増し始める。視程30〜60mといった感じ。浅場なので大型船はいないけれど、怖いの何の!
うらりで天候待ち
GPSとコンパスを頼りに10ノット(約18km/h)くらいで徐行しながら三浦三崎のうらりに逃げ込む。まだ8時前。うらりのハーバーマスターの金子さんが来たらアドバイスしてもらいましょう、と待っていたら天気は好転。そんじゃ相模湾横断のロングレグと行きましょう! とばかり出航!
伊東の少し下が川奈
すると30分くらいで再び霧! 流れてきた霧らしく、後ろを見たら同じくらいビッチリ! なんたって相模湾のド真ん中ときた。覚悟を決め、徐行で伊豆半島を目指す! まぁ霧を抜け出すまで長かったこと! 最近こんなに長い時間連続して超緊張したことなど無し! 川奈沖から霧も晴れ、快適なクルージングで下田着!
状況さえ良ければ22ノット巡航で4時間ですね
84,6海里(約155km)。所要、5時間36分(ウチ20分城ヶ島で天候待ち)。レーダー無しシングルエンジンの26フィート艇にとっちゃ厳しいレグでございました。釣り大会終わって帰るときは冒険じゃなく楽しいクルージングにしたいモンだ。フネを預けて下田駅に行くと、ちょうど『リゾート21』出発の1分前。
車内はペリーの博物館
この電車、一度乗りたかった。黒いボディも珍しいけれど、インテリアが素晴らしい! 海側の席は海の方を向いている。とはいえ伊豆急ってトンネル多いのだけれど、たまに見える海も乙なモン。霧の中、悪戦苦闘していた海と全く違う顔をしてる。ノンビリ1時間10分走って伊東着。
旅行気分を堪能す
伊東から185系という国鉄時代に作られた旧式の車両(何と! 特急なのに窓が開く!)を使っている『踊り子』に乗り換え。伊豆急行の線区は各駅停車も特急も区別無し。特急を待たせたりするほど。伊東からJRになるため、特急がグンと早くなる。こいつで小田原まで。最後のレグは31年前のロマンスカーLSE型。
当時ブルーリボン賞に輝く
先頭車両は展望車になっている。運転手は右の脚立で上に登る。30年以上前の車両と思えないほど入念に整備されており、今でも快適だ。エクステリア&インテリア共に凝っている。引退する時は『葬式鉄』達から「ありがとう」とか「ごくろうさん!」といわれ、大騒ぎになることだろう。
先頭車両も直前予約で取れる
死にそうになったり超緊張したりノンビリできたり古い電車に乗れたり、楽しい1日でした。電車の移動はビールが飲めるから嬉しっす! 帰りは下田発11時45分。新宿着15時21分で3時間36分。帰宅して原稿書き。<追記>葬式鉄とは引退、廃線などを追いかけている鉄道マニアのこと。
<おすすめ記事>
船の世界は究極の自己責任。
大型船の引き波で沈没&濃霧だ発見不可能な可能性大!
おのずと危機管理能力が研ぎすまされて来るのでしょう。
外洋は霞ヶ浦のアルミボートあたりとはリスクレベルが違いますね!
くれぐれもご注意ください(ブログ読めなくなると寂しいので:笑)
旧型のロマンスカーってまだ走っていたのですか。驚き!
パラ〜ンポロ〜ン〜って警笛のアレ。
子供の頃、先頭車両に乗るの憧れでした。
まだ、実現可能かぁ〜
霧の中を進むって怖いですよね。
ましてや船。
すぐには止まらないし、相手もそう。
そして、大きさもケタ違いですから。
無事で何よりです。
ロマンスカーもいいなあ。
ほんと、引退の時は多くの鉄ちゃんが涙するはずです。
尖閣諸島、いよいよ中国が恫喝に向かいそうですね。
自分もオーナーなら、石原さんには売ってもいいです。
下から四番目の画像は伊豆急の「リゾート21」、小生が一番好きな電車の一つです。
なんたって、1980年代のワンボックスは<トヨタ・マスターエース>を連想させる角型四灯の面構えがGOOD!! フロントガラスの傾斜などまさしく件のマスターエースサーフや二代目日産バネットラルゴそのままで、「ワンボックスのお化け」という点が小生の感性にピタリとハマるだけに伊豆下田方面を訪れる折には是非乗ってみたいです。
そう言えば小生の好きな電車を見るに、山手線(JR231系)/埼京線(JR205系)/りんかい線/踊り子号(JR185系)/高崎線(JR211系)/国鉄時代の近郊列車165系と全て、新旧のマイクロバスかワンボックス(あるものはキャラバン、あるものは初期のトヨエース、三菱デリカetc)を思わせる面構えで、「尖鋭すぎず適度にダサくて親しみが持てる」部分が心の琴線に触れると自己分析できます。