マツダ、価格戦略を見直す! も~しかすると少し変わりつつあるのかもしれません

マツダが少し変わり始めたように見える。顕著なのは価格戦略。今までドンドン値上げしてきた。このまんまロールスロイスと価格で勝負しに行くんじゃないかと思えるほど(少し大げさ)。しかし! 突如CX-5などに「スマートエディション」と呼ばれる装備を上乗せして値上がり幅を圧縮したお買い得バージョンを出してきた。競合車と勝負出来ます。

はたまたエンジンを2000ccから1500ccにしただけで40万円安いCX-3を追加。エンジンの生産コスト、1500ccも2000ccも同じ。2000ccと比べ若干装備的に落ちるとは言え40万円安は強烈です。興味深いことにスマートエディションやCX-3の1500ccは売れている。CX-3なんかポンと販売台数増えたほど。マツダ車、モノがいいから価格さえ適正なら売れる。

驚きはMX-30の価格だ。CX-30より凝った作りをしていることもあり相当高い値付けをしてくると思いきや、あらま! もしかしたらブラックサタンが少し凹み始めているのかもしれません。とはいえ、あえて売りにくいMX-30のようなクルマを作ったのは誤った戦略だと思う。デザインを追求した狭いCX-30があるんだから、逆にキャビン広い方にいけばよかった。

そもそもスカイアクティブを立ち上げた金井さん達はあえてニッチなマーケットを狙いに行ったワケじゃない。CX-5を企画した当時、SUVってまだ今のような人気車種でない。何でSUVを作ったのか金井さんに聞いたことがある。ちなみに金井さん、私のことを嫌いだったと思う。当時、会う度に苦言ばっかり呈してましたから。でも決して逃げなかった。

三次のテストコースの取材会後、で私だけ違う場所に行かなければならなかった。すると当時から社長以上の存在感を見せていた金井さんが「オレで良ければ送るよ」。マツダの改革を手がけた人は、以南さん(若くして亡くなった)といい。山之内さんといい、聞く耳を持ってました。そんな金井さんになぜSUVかと聞いた時の答えは「たくさん売りたいから」でした。

当時、SUV人気が始まりそうだった。だったらソコを狙っていこうということです。決して2%だけ狙ったワケではない。そしてマツダの生き残りを図るため、少数生産でコストを引き下げ、同時に品質も確保するということに徹底したそうな。CX-5が出る前のことだったこともあり「現時点で言えないことが多いので今は理解してもらえないと思う」。

実際、その時点じゃ理解できなかった。でもCX-5やアテンザ、アクセラと出てきて理解できましたね。当時、金井さんの片腕に金沢さんという濃くて熱い人がいて(この人も奥行きありました)、明らかにそら違いますよという意見も(具体的にはアダプティブクルコンの停止機能は絶対認めなかった)あったけれど、決して2%のシェアでいいなんて思ってない。

それと比べたらブラックサタンとその周囲は了見が狭い。驚くべきことに”一味”を見てるとグングン出世していく。パワーユニット担当なんかオヤブンの悪い部分だけ切り取ったようなタイプながらグングン出生。結果的に燃費の悪さがマツダ最大の弱点になってしまったのは(欧州CAFEをクリアできずあえて販売台数を絞ってる)説明するまでもない。

言うまでも無く新型コロナ禍を受け厳しい状況である。そんな中、早くもトヨタはトンネルの出口が見えたと言う。けれどマツダは苦戦中。前述の通り欧州なんかCAFEをクリアできず販売減。アメリカも売れ筋モデルなく苦戦。中国は売れ行きの回復が遅い。東南アジア伸び悩む。日本のみお買い得車戦略でまぁまぁの状況ながら、おそらく今期の決算は厳しいと思う。

ブラックサタンといえば「今は辛抱の時! 再来年に6気筒の商品群が出れば良くなる」と檄を飛ばしているそうな。やれやれ。

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