ホンダ、お金持ちの顧客を取り込む企業になりたい? 新しい技術領域、庶民は高値の華

皆さんどう思いますか? ぜひ下の動画を見て欲しい。ホンダが新しくチャレンジするという移動手段です。ホンダ、F1から撤退することを発表した後「夢を失った」とか「ワクワクしない」等と言われていた。それじゃマズいと思ったのだろう。私はこのプレゼン動画を見て「本田宗一郎さんのDNAはもう引き継がないと決めたんでしょうね~」と少し寂しくなった。

 

ホンダの原点は「普通の人に原動機で楽をさせたい」というところにあると思う。今でも実用バイクは新興国で普通の人の仕事を作り、移動の足として社会に貢献している。翻ってホンダジェットを見ると普通の人から遠い。1度乗ってみたいけれど、どうやら死ぬまで機会なさそう。動画の新しい移動手段もアメリカや中国、中東あたりの限られたお金持ちしか使えそうにない。

トヨタが提案してきた新世代モビリティ

ちなみにトヨタも新しいモビリティを提案し始めた。上の動画を御覧頂きたいと思う。鮮やかにホンダと違う方向性だ。自動車産業は普通の人を幸せにするという原点です。こう書くと「F1だって庶民の技術ではない」と思う人もいるだろうけれど、モータースポーツは自動車産業の原点だ。事実、F1や2輪のレース活動がホンダのブランドを決定的にした。オリンピックで勝つようなもの。

さらにホンダの技術は宇宙に飛び出す。アシモの技術を使った「アバターロボット」を月面に送る。リリースによれば「地球に居ながらにして、月に居るかのような体験を可能としたりする月面での遠隔操作ロボットにおいては、開発中の多指ハンドや、AIサポート遠隔操縦機能、衝突軽減のための高応答トルク制御技術など、Hondaのコア技術の多くの応用が見込まれます」。

ハンドマニピュレータとVRゴーグルを使い、触感や視覚を”その場所にいるように”味わえるという。ただ地球と月は光や電波の速さでも片道1秒掛かってしまう。地球から触ろうとし始めてから1秒で動き出し、さらに1秒後に感触が解る。その時点まで重いか軽いか硬いか柔らかいかの情報は入ってこない。ランダムに移動する物体なら、AIじゃ予測出来ないため永遠に掴めないです。

遠隔操作は人間の反応速度である0.1秒以上のタイムラグあると違和感になる。鋭い人だと0.13秒くらいでダメらしい。5Gを使った遠隔操作なら実現できると言われているが、地球と月の距離だと光の速度を超えられないという絶対的なハードルに阻まれる。無医村での手術に使うというなら「素晴らしい!」と拍手したいが、月面になると着地点をイメージ出来ない。

ホンダには今回のような「一発屋」的な発想じゃ無く、原点に戻り本田宗一郎さんの如く普通の人を幸せにする技術を見せて欲しいと強く思う。逆に今回の発表を見て最近ホンダ車の価格がドンドン高くなっていく理由も何となく理解出来た。確かにお金持ち相手のビジネスの方が利益率高いです。かくなる上は日本の技術で世界のお金持ちを幸せにするのも手か? 企業は儲けてナンボです!

でもやっぱりホンダはF1で暴れて欲しい。

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