生まれて初めてボルト作りの工場を見学しました。ボルトまで生産ロットの管理をしてます!

改良型GRカローラは強化された車体締結ボルトを使っているのだけれど,驚くほど印象変わったという記事を書いたら「ボルトの工場は見たことありますか?」というお誘いを受けた。ナニを隠そう見たこと無し! というかどうやってボルトを作るかという工程すら知らない。皆さん御存知ですか? ということで『メイドー』という企業の工場を見せて頂いた。

意外なことに材料の鋼材はぐるぐる巻きになっている! まっすぐな棒から作るのかと思いきや最初からハズれました。ちなみに材料の鋼材の太さがボルトのシャフト部分の太さです。鋼材を穴に押し込み固定。頭の部分を冷間プレスで真ん中の状態にする。これを2~3工程やると左の状態になる。ボルトのカタチですね。この時点でねじ山は切れていない。

フランジ部分のプレス型はこんな感じ。下の写真はGRヤリスに使われている強化型のカタで、フランジ部分が特殊な形状をしており締結力の上乗せを狙う。近年クルマの質感を上げるには強固なボディが必要だとわかり始めた。当然ながらボディや足回りの取り付け部分も重要。強化ボルト付きと標準ボルトを乗り比べたら、もうハッキリ前者がいいと解る。

驚いたのはボルトの精度を全数検査! 様々な工程でボルト作りに掛かる応力を常時チェックし、不良品の管理をしていること。これ、トヨタが得意とする『ポカヨケ』(不良品を出さないシステムのこと)のボルトバージョンである。クルマに使われているボルト、問題出たら生産時のデータまで辿れるのだった。今の仕事を45年やっていて知りませんでした。

ネジ山を切った後は800度以上の温度で焼き入れ。この行程、ボルト真っ赤! オイルで急速冷却し、続いて再度500度以上の温度にする。冷やすのは空気。2回の熱入れでボルトを鍛える。出来上がったボルトに表面処理をして完成。表面処理は防錆の他、ナットのフリクションをコントロールするという機能も持たせるという。それにしても大量のボルトです!

ロット毎にボルトのスペックをマイクロメーターなどで詳細にチェック。問題無ければ出荷工程に向かう。前述の通りボルトは全数チェック。さらにロット毎の抜き取りで精度の確認を行い、自動車生産ラインに運ばれる。考えてみたらボルトは自動車にとってのお米のようなもの。1本でも足りなければクルマを作れない。ちなみに1台あたり3000本のボルトが使われているそうな。

日本のモノ作りの原点といっていいかもしれません。このトシになって良いモンを見せてもらいました。加えてGRカローラで言えばボルトでクルマの質感が変わる。全体的にボルトの締結力を上げ、優れたダンパーと組み合わせることで日本車のクオリティが向上するかもしれない。自分のノアに付いている締結ボルトの強度を上げてみようかしら、と思った次第。

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