ホンダと日産、共通OSを開発というニュースが流れている。ついに本格的な協業開始か?
ホンダと日産が車載OSの共通化を始めるという。複数のメディアから出ている情報なので、ホンダ&日産からの意識的なリークだと思う。これ、どういうことを意味するのか? 考え方としちゃPCを動かすプラットフォームだと考えればいい。今や大半のPCがウインドウズかマックOSとなっている。全てのソフトは、どちらかのプラットフォームで稼働する。
クルマも同じ。黎明期は発電機やバッテリーをベースにダイレクトな配線で機能させていた。やがて電子制御が導入されると、それぞれに専用のECUを使うようになる。エンジンから始まり、ABS、エアバッグ、オートエアコン、電子制御AT--とドンドンECUは増えていく。それぞれ配線をしていくと、ワイヤーハーネスのお化けになってしまう。
そこで考えられたのがCANで、それぞれのECUをダイレクトに繋ぎ、クルマ全体を制御しましょう、となった。このシステムを使ったのがCANインベーダーで、ヘッドライトのECUに機器を繋ぐとエンジン始動まで出来てしまう。しかし電子制御の複雑化によりCANでも容量が足りなくなってきた。次世代車では外部とのネットワークも必要。
MIRAIなんかダッシュを外すとワイヤーハーネス/ECUだらけ
具体的に言えば自動運転までいかなくても高性能ADASは地上からの情報が必要。いわゆる「繋がるクルマ」です。カーボンニュートラルでもスマートグリッドに電気自動車を組み入れ、電気が余ったら充電。足りなくなれば放電という制御だって行わなくちゃならない。もはやCANじゃ無理。PCを動かすレベルのOSが必要になってきます。
されどOSを開発するには莫大なコストが掛かる。だからこそウインドウズとマックOSしかない。自動車メーカーは独自でOSを開発しなければならない。すでにトヨタなど『アリーン』と呼ばれる車載OS開発に拍車を掛けている。GMも「Ultifi」を。フォードは「グーグルクラウド」を使うようだ。ホンダと日産は独自に開発しようと動いてました。
アリーンOS
今回のニュースからすれば、車載OSを一緒にしましょうということになる。PCの場合、ウインドウズ使ってもソフトで全く違う機能になる。クルマも同じ。ホンダと日産のソフトが違う内容なら出来るクルマは全く違ってくる。開発の共通化だって不要。だったらいいでしょ、というワケ。おそらく三菱自動車もこのグループに入ってくると思う。
この動き、悪い内容じゃない。むしろ賢明。おそらくトヨタグループはアリーンを使うだろう。ホンダ、日産、三菱自動車が同じOS。日本勢で2つ。まぁちょうどよいかもしれません。参考までに書いておくと、OSが違うとウインドウズとマックOSくらい使い勝手は違ってくる。処理速度も差が出る可能性あります。ダメなOSを作ったら負けだ。
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元制御系ソフトウェア開発者として一言(自動車関連ではありませんが・・・)。
ご存じの上で述べられているのかもしれませんが、
「PCを動かすレベルのOSが必要になってきます。」
「されどOSを開発するには莫大なコストが掛かる。だからこそウインドウズとマックOSしかない。」
との言及について、WindowsもMacOSも高機能なOSではあるものの自動車等の制御系に必要不可欠なリアルタイム処理にはまったく適していません。
もちろん制御に適したものに改造することもできないでしょう。
国沢さんはOSとしてWindowsとMacOSがほとんどの述べられていますが、他にもLinuxというOSがあります。(用途によってはかなりのシェアがあります)
これは、オープンソースのOSであり、ライセンス問題などをクリアすれば自由にカスタマイズすることができます。
OSを一から開発するのには膨大なコストや時間が必要ですが、車載OSはこのLinuxを車両の特性や要求に合わせてカスタマイズするというイメージと思います。
独自で開発するというと大変に感じられますが、”仕様を適切に定義し明確にできさえすれば”そこまで大変ではないと思います。
※「Tesla OS」も「Arene OS」も「Ultifi」もLinuxをベースとしたOSだそうです。
それを言い出すと出自はMacOSもiOSもAndroidもLinuxですけどね
そういう意味では、Windows系とLinux系しかないわけです。
MacはBSDなんでUnixですかねぇ…
カーネルが違うのにLinux系とまとめちゃうのはかなり違和感が。
ぶっちゃけ内部実装無視すればAPIの互換性が何処まであるかじゃないですかね。
PS4はMSのDirect X互換レイヤ持ってて移植性高くしてたり。
OSもいろいろとありますがフリーで使えること、完成度(枯れてる度合い)など考えるとおそらくLinuxベースになると思います。現にiOSはFreeBSDベース、アンドロイドはGentooLinuxベースで結局OSは先祖をたどるとUnixなんで今更まっさらの新規OSは作る意味が有りませんね。一部にはアメリカの軍艦制御のOSがWindowsって変わり種もありますがこれは例外ですね。車の場合は特に重要視されるのが絶対的な信頼性なので。国産OSでガラケーなどに使われていたTronもありますが出来ることが少ないためアンドロイドにとってかわられました。
日産とホンダの協業ですか。。。
直感的に、相性は未知数ですねぇ。特に創業から徹底して独自性を貫いてきたホンダが、組織の論理で動く日産と開発を進めることができるとは、到底思えません。
ホンダの夢追い社長が、「日産さん、一緒にやりましょう。ソニーさんもやる気満々ですから。」とか言って丸め込んだと、妄想しております。
ホンダ技術陣の士気が落ちなければよいのですが。。。
また技術的なことはよくわかりませんが、各社がどこも苦労している様子を見ると、相当難しいのだろうと、これまた勝手に妄想しております。
三菱はi-miev開発の段階でOSの必要性に気づいて、実際に開発して使われました。トヨタより先んじてPHEVをリリースできたのもそのOSの存在が開発に寄与したものと思われます。
i-mievはボディに載っていなくても全ECUと駆動系が揃って繋がれていれば起動するので、それをデロリアンに載せる人が出てくるとは思いもしなかったです。
OSが載っているモノの一つにHDDレコーダがあります。番組データを受信・更新しつつ、リアルタイムでは裏番組録画、ディスクの再生と仕事が多いのでOSの採用となったわけですが、メーカーによってレコーダの起動時間に差があったり(SONYは早い、しゃーぴは遅い)、操作メニューの使い勝手の良しあしとありました。いまはTVにHDDがつながっていて配信サービスに入っていればればアンテナは不要で、androidTV、FierStickHD、Chromeナントカくらいに集約されてしまいました(全部外資系/Unixやないか!)。
車(ナビも)もHDDレコーダもwindow系がないのはなんでなんでしょう。
ナビにはマイクロソフトが車載情報端末向けのOSとして開発したWindows CE系の「Windows Automotive」が有りますね。
パナのStradaやアルパイン等の何社かで使われていたようです。
今じゃ格安のandroidカーナビに駆逐されそうですね。