ホンダ、日産を背負う余裕はあるのかな、と思ったことをいくつか
現時点でホンダの財政基板は、破綻しそうな日産をカバー出来るほど盤石である。しかしここにきて大きな課題がいくつか出てきた。東南アジアを巡りながら感じことをいくつか。まず何度か書いてきている通り、ホンダの重要な稼ぎ頭が東南アジアの2輪だ。なかでも今回訪れたベチナムは2輪のことを「ホンダ」というくらい強い。ホンダ全収益の10%を稼ぐほど。
VF 3から突如デザインがよくなった
ベトナムでは「ヴィンファスト」という新興自動車メーカーが立ち上がり、当初は品質やデザインに問題を抱え苦労していた。されどベトナムは社会主義。国が支えた。結果、ここにきて『VF 3』というヒットする小型車など出て売れ行きを伸ばし始めた、すでに街中で多数見かけるほど。当然ながら電気バイクの開発も行っていたのだけれど、ついに出てきましたね!
なかなかの仕上がりでした
今年に入り、魅力的な新世代電動バイクを怒濤のように出し始めた。上のモデルはホンダの主力となるベトナムカブの対抗馬で、耐荷重量130kg。最高速度50km/h、1充電走行距離68km。ボッシュのモーターと韓国LGケムの電池を使い6万5千円程度から。カブより安価。さらに学生の通学用バイクなども発表し、話題を集めている。ホンダの2輪部門、ここにきて速度感無し?
2輪業界はメディアがメーカーを忖度するため実情は不明。しかも数少ない危機感を持つ役員が勇退してしまっている。ホンダ、4輪と2輪は別の会社かと思えるくらい距離があるため、普段付き合いのある4輪部門の皆さん2輪がナニを考えているのか全く解らないそうな。超低迷が続くモトGPを見れば解る通り、ホンダの2輪はなかなか厳しい。東南アジアを失ったらどうなる?
モトGPの最終戦は最上位で14位(泣)
先日紹介したBR-Vとブリオの品質も問題も新興国に悪い影響を与え始めているようだ。この件、今まで認識していなかったのだけれど、BR-Vのヤレ方を紹介したら「実は」という情報を数多く頂いた。やはりBR-Vとブリオを販売している国で経年劣化が話題になっているようだ。内装だけでなく、サスペンションやブレーキの不具合も出ている。確かにブレーキ、厳しかった。
日本ではあまり報じられていないが、昨年4月からアメリカのNHTSA(米運輸省道路交通安全局)が自動ブレーキの誤判定についての調査を始めていた。3件の事故と106件の苦情を受けていたということで、NHTSAは1月20日に調査を拡大するという。この件、ボッシュのレーダー起因のものだとすればホンダも誤判定を十分認識している。私も以前取り上げました。
アメリカのユーザーは日本と違い簡単に訴訟を起こす。大きな問題にならないことを願う。いずれにしろ日産を背負う前に東南アジアの2輪など対応を急ぐべき課題がたくさんあるような気がしてならない。昨日の記事にも書いた通り、ホンダに限らず我が国は「危機感」と「速度感」と「強引さ」を持たないと厳しいんじゃなかろうか。海外に出る度に目が覚めます。
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