トランプ大統領でも経済の大きな流れは変えられないのかもしれない。アメリカで異変

当たり前かもしれないけれどアメリカに輸入される自動車の絶対的な台数が減ってきている。日本勢を見ても前年同月比で20%前後減っています。直近の情報によればアメリカ全体の在庫が顕著に少なくなっているようだ。日本だとあまりイメージ出来ないが、アメリカに於ける自動車のポジションって日本の不動産のようなもの。在庫減ると相場にすぐ反映される。

具体的に言うとアメリカはクルマ無しじゃ生活出来ない。一方で古いクルマは寿命で使えなくなっていく。当然ながらお金持ちは新車を。そうでもない人はお金持ちが数年乗った中古車を。その中古車を買う人達だって少なくない。日本の不動産と同じである。上流側の供給が絞られてしまうといかんともしがたい。当然ながら売る側は販売価格を上げようとしてきます。

いわゆる「プレミア」というヤツで、車両価格に様々な付加価値を付けていく。日本で言うディーラーオプションである。車両本体価格から10~15%高くなることだって珍しくない。実際、すでにプレミアムは上がりつつあるようだ。これは自動車メーカーによる値上げではないため、トランプ大統領が「関税を理由にした値上げは許さない!」と言っても効果なし。

もう一つ。アメリカに工場を作るという発表をしたメーカーが日本もアメリカも韓国も欧州も含めてない。どうやらアメリカでクルマを作ると、現在の生産コストより15%以上高くなるということのようだ。加えてヒョンデが移民局のガサ入れを受けたのを見ても解るように、工場を立ち上げるときのワーナーを受け入れる準備だってしてくれない。どうすりゃいのさ、です。

したがってトランプ大統領の時だけ頭を低くして辛抱すればいいし、もっといえば前述の理由でアメリカの自動車販売価格は上がっていく。来年になれば値上げ出来ちゃうということです。販売奨励金を出していた日産からすればトランプ関税は神風のようなものになるかもしれません。そして関税分を支払うのはアメリカの消費者という正しい方向に向かう。

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