スペイシー100
堂々としたデザイン。黄色が似合っていると思う。シートもゆったり
アウトライン
今や50ccのスクーターといえども高価。国産モデルなら15万9千円以上といったイメージ。しかも排気ガス規制により4ストロークエンジンでないと厳しい状況になっている。いくらパワフルになったとは言え、4ストロークの50ccだとパワー不足。少なくとも速いバイクを知っているおじさんにゃ物足りないと思う。そんなユーザー層をターゲットとしたのがスペイシー100である。中国で生産することによってコストダウン。何と19万9千円と、原付スクーターと同じくらいの価格に抑えた。もちろん二人乗りも出来ます。
エンジンフィール
空冷単気筒102ccエンジンを搭載。最高出力7,1馬力と、パワフルな2ストロークの50cc(最高で7,2馬力)に負けているものの、環境にやさしい4ストロークの50cc(5馬力)よりパワフル。しかも低い回転域から太いトルクを出すため、扱いやすい。50ccの倍の走りを期待するとガッカリするかもしれないが、普通に乗っていて何ら不満はなかろう。素晴らしいのが燃費。2スト50ccのスクーターより良好である。エンジンの騒音や振動はそれなり。
ハンドリング
割とソフトなサスペンション(ダンパー)を持つ。特にリアサスが柔らかい感じ。荒れた路面を高い速度で通過すると底付きすることもある。このあたりが中国製ダンパーのクオリティか? もし乗ってみて不満ならリアショックの交換を考えてもいいんじゃなかろうか。ブレーキはフロントがディスク。リアブレーキレバーを握ると前輪にも制動力与えるコンビネーションブレーキなので、なかなかバランス良い。テストコースで全開にしてみたら90kmくらいまで出た。
ライディングポジション
ごく普通のスクーター。50ccモデルより一回り大きいものの、小柄な女性だって気軽に扱えると思う。ちなみに重量は乾燥状態で94kg。メーター回りなどのデザインや樹脂パーツ、スイッチ類などのクオリティは残念ながら日本製スクーターのレベルに達していない。この価格で日本製スクーターと同等の製品が作れれば逆に困ってしまう。セキュリティ面も重視しており、メインスイッチ、シートオープナー、ハンドルロック機構を1ヶ所に集約して鍵穴をふさぐシャッターを装備。アラームキットやイモビアラームキットもオプション設定されている。
2人乗り
シートのサイズなどは十分。エンジントルクもあるため2ストロークの70ccクラスのスクーターと同等の動力性能を持つ。近所までの買い物や、軽トラックなどに積んで観光地に肉薄。そこからの足として使うのに向く。私の場合なら鎌倉とか軽井沢の観光にスペイシー100を軽トラック積んで行きます。ただハンドリングの項でも書いた通りサスペンションがソフト気味。体重ある二人だと常時底付きしながら走ることになっちゃいます。シート下のボックスはフルフェイスが入る22リッター。二人分のヘルメットを入れるなら標準装備されるリアキャリアにハードボックスを装着すればいいと思う。
おすすめの乗り方
やはり19万9千円という価格設定は魅力的である。今や50ccバイクといえどもヘルメットは被らなければならぬ。しかも50ccって制限速度だって低く、右折の制限だってある。通行できない立体交差など迂回するのも面倒。100ccスクーターなら全てをクリア出来ます。また125ccまでの排気量であれば、自分のクルマに加入してある任意保険にわずかな金額を加えるだけで(年額5千円程度)、原付もカバーしてくれるから有り難い。とりあえずバイクでも買ってみるか、というヒトにおすすめしたい。
<おすすめ記事>