ドリームクルーズ ワールド・ドリーム乗船レポート 旅行記(その2)
ドイツ製の新造船は、大きいのに揺れる。いや、正確に表現すると、縦揺れや横揺れについちゃ全くしない。そらそうだ。300mを越えるフネを揺らすほどの大波なんて強い低気圧以外無し。けれど小刻みにユラユラ揺れるのだった。同業の松下さんは先日兄弟船である『ゲンティンドリーム』にシンガポールから乗ったそうな。揺れたという。
にわかに信じられなかったが、確かに揺れる。ちょうど新幹線に乗っているような揺れ方。原稿書いてると、よ~く似てます。この揺れ方、地中海で乗ったMCSメラビリアと同じ。あまり気持ちよくない。フネの性能で言えば、三菱の長崎造船所で作ったダイヤモンドプリンセスが良かった。ボイジャー・オブ・ザ・シーも揺れないです。
中国ブネはどうなったか? こらもう強烈としか言えませんワな! 以前から感じていたコトながら、中国人の大半が声量のコントロールをしない。どんな状況であっても大きな声を出す。おそらく「声」に迷惑を掛けるという要素あると感じていないんだと思う。したがって中国人が50人いたら、さらに大きな声を出さないとならぬ。
基本は酔っ払いだらけの居酒屋の中にシラフでいる感じ。食事もパワフル。とにかく食べれば良い、といったコンセプトなんだろう。いわゆる「犬食い」は普通。もちろん上等の生活をしている人についちゃマナーあるんだと思うが、中国の場合、クルーズ船=団体旅行のバスツアー程度のランクなのだった。豪華船旅でなく格安ツアー。
フロアは食べかすだらけ!
ということを聞いていたが、その通りでした。自分の客室を除く公共スペースは大声の中国語でぐわ~んとしており、食事に行けば口を開けて咀嚼する音を出しながら、これまた怒鳴りあっている。順番を待つ、という概念も薄い。各種の手続きのため並んでいると横入り普通。順番になってスタッフと話をいていても入り込んでくる。煙草上等だし。
救われるのはフネのスタッフ。日本人だと解るや、突如扱いが丁寧になるのだった。こらもう見事なくらいの変化です。するとコチラの気持ちも変化してくるから興味深い。いずれにしろ金曜日までは中国ブネから逃げられぬ。カリカリせずオシャレをしながら日本人としての矜持を持ちながら礼儀正しくスマートに過ごしましょう、となる。
せっかくなので中国人ウォッチングをすることにした。考えてみたらこんなに長い間、中国人の身近にいる機会などそうそうないです。良いトコロも見つけようと思う。乗船から24時間経過した現在、見つけられないですけど。乗船3日目はナンシャ(広州)を出て終日南シナ海を航行。原稿書いたりジム(最新器具が揃っている!)に行ったり。そしてマニラへ到着。
マニラ港からは歩いて行くには治安などの不安あるため、フネ手配のバスで市内のショッピングモールへ。船内の雰囲気は世界最低ながら(日米欧のフネを試したが間違いないです)、客さばきは世界最高レベルである。下船出口ほぼ混まずスムース。下船したら、すぐバスが止まっており待つこと無し。さらに「日本人差別」も。フネの係員が日本人だと解った途端、親切。
こらもう案内の人から船内バーの人、レストランの人に至るまで全て! 3日目になったら顔を覚えてくれ、向こうから話掛けてくるほど。香港のスタッフも、やはり本省中国人と付き合うのはストレス溜まるんだと思う。さらにフィリピンのバスの運転手さんまで挨拶したらマイクで英語のガイドしてくれる。これは欧米のフネだとあり得ない。<ワールド・ドリームの悪夢その3へ>
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