CABO 35
CABOと言えば「めちゃくちゃ荒天に強い!」ことで知られる。いつか条件の悪い日に試してみたいと思ってました。別件でマリーナに行くと、ちょうどCABOの35が試乗会を行ってるじゃありませんか。しかも海況は出航停止寸前という”最高”のコンディション。東京灯標のデータみたら南南西の爆風20m弱。波高91cmだって!
フロントガラスは流木などが当たって割れるのを嫌ってついておらず
こんな酷い日に出航したことありません。「出られますか?」と聞いたら「この程度なら全く問題ないです」。砂町運河出て荒川の河口を右に曲がるや、もう海は真っ白! 凄い! CABOはどうかというと、首都高の橋をくぐるやイッキに2500回転。18ノットくらい出たまま、真正面からの波を次々越えていく!
いや「越える」というより「叩き割る」というイメージがピッタリかもしれない。ハル(艇体)の剛性たるや驚くほど。波に突っ込んでも「ドシン」とか「バタン」じゃありません。ドスンと波に入って行き、そのまま浮いてくる感じ。このあたりの波は「波長」が極端に短く、全長12mのフネでも船首は波間に突っ込む。
その時の、クルマで言う「減衰特性」が素晴らしくいいのだ。もっと驚いたのは横波受けての走り。25ノットをキープしたまま、オートクルーズ(フネの場合は進路をキープする)で何の不安もなく巡航出来てしまう。とうてい35フィートのフネと思えぬ! 参考までに書いておくと、東京灯標の1mの波は外洋だと3mに匹敵する。
なにせ波のトップから次のトップまで4秒! 外洋なら10秒以上あります。加えていわゆるデータ上の「波高」の3倍くらいの大波も混ざる。この海況で全く不安無く18ノット以上で巡航出来てしまうのだからビックリギョウテン。ハワイあたりのカジキ釣り好きがCABOを買うの、よ〜く解りました。
もちろん「遊び用」のフネとしても使える。マスターベッドルームはセミダブルサイズ。ゲスト用のベッドも2人分。暖かい食事を出せるギャレー+4〜5人用のリビングスペースも。メリディアン341セダンのような居住性重視のフネと比べれば少し物足りないかもしれないが、必要にして十分かと。
エンジンはヤンマーの5,1リッター6気筒480馬力×2(pdfファイルです)。性能は3400回転で34,5ノット。試乗した日は向かい風20mという最悪の海況だったものの、普通なら2500回転で23,5ノット。この速度だと1時間に83リッターの消費量で済むそうな。けっこう燃費良い。
ゲストorクルー用の2段ベッド。その気になればリビングで1人寝られます
とりあえず解説なしです
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