クラウンエステート、もはやドイツ車と真正面から戦える仕上がり! 輸入車からの乗り換えに好適です
「クラウン・エステートってどんなクルマですか?」と聞かれたなら、答えは「1台持ちで様々なニーズを高いレベルでカバーできるクルマ」となる。広いリア・シートを持ち、アウトドアの遊び道具を積め、ステアリングを握っても凄く楽しい。4WDのため雪道上等。PHEV(プラグイン・ハイブリッド)を選べば普段使いで快適な電気自動車、ロングドライブは燃費良いハイブリッド。アクセル・ペダル全開すれば凄く速いです!
もう少し詳しく紹介しよう。私は仕事柄、ミニバンからスポーツカー、燃料電池車等々複数のクルマを持っているのだけれど、基本的に1台所有だと思う。「どのクルマにしよう?」となった時、クラウン・エステートは最有力候補だったりする。余裕のあるボディ・サイズなので満足感を得られるし、リア・シートも十分広い。日本人にとって「クラウン」のブランドは少し特別。
4WDだから雪道上等。スキーに行くにも便利。ステーションワゴン・ボディでラゲッズスペースが広いため(リア・シートを折りたためば2m以上!)、コストコやIKEAの買い物に耐え、4人分の海外旅行用トランクを余裕で積める。アウトドア・レジャーでは100V/1500Wのアウトプットができるから、電化製品を使える。当然ながら自然災害に巻き込まれた時は電源になってくれます。
クルマとしての性能だって素晴らしい! ハンドリングはDRS(速度可変4WS)がよい仕事をしている。ワインディング・ロードから高速道路まで快適。今回もミニサーキットでの試乗会だったものの、気持ちよく曲がってくれた。ADAS(運転補助)性能は最新タイプ。私も同レベルのADAS付きに乗っており、事故が起きそうなシチュエーションでの制御や警告は凄いと感心する。
自宅に充電環境あり、さらに太陽光発電など導入しているのならPHEVを強くプッシュしておく。1日の走行距離が60km程度までは(ほとんど人が当てはまると思う)、自宅で充電することでガソリンスタンドにいかないで済む。電気自動車モードだと静かで滑らか。自然災害時、電気かガソリンのどちらかを入手できれば移動手段になります。ハイブリッドより動力性能高いのも魅力だ。
長い前置きになった。限られた試乗コースでの簡単な印象を。まず売れ筋になるハイブリッドを試す。4気筒2500ccエンジンを使うシステム出力243psのハイブリッドで、必要にして十分なパワー感と(ターボ無しエンジンなら3200cc級)、このクラスに要求される静かさや滑らかさを実現している。乗り心地とハンドリングも、相当なクルマ通ですら「なかなかですね!」だと思う。
クラウン・クロスオーバーも乗用車的な乗り味だったが、クラウン・エステートになり一段としっとりした乗り味に進化している。普通に走っている限り「少し車高の高いSUV的なクルマ」だということは忘れてしまう。
続いてPHEVモデルにも試乗した。前輪を2500ccハイブリッドのユニットで駆動。後輪はモーターで駆動する4WDで、18.1kWhのリチウムイオン電池を搭載している。システム出力は306ps! 4500cc級ターボ無しエンジンに匹敵するパワーを持つ。
ほぼ満充電状態で走り始めると、エンジンは全く使わない電気自動車モード。前述の通り1日の走行距離が60kmくらいまでなら電気だけで走れてしまう(カタログでは89km)。ハリアーやクラウン・スポーツのPHEVに乗っている知り合いが何人かいるけれど、ガソリンスタンドに行く頻度は急減したそうな。
電池残量なくなれば自動的にエンジン掛かってハイブリッド・モードになる。その時の燃費はWLTCで20km/リッター。ハンドリングも素晴らしい! ハイブリッドより重いのだけれど、重量増の要因になっている電池は床下搭載なので重心低い。前後の重量バランスだって良い。加えて電池を強固な構造になっているため、ボディ剛性が高く上質なクルマに感じる。私ならPHEVを選びます。
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