トヨタとスバル、マツダがチームになって二酸化炭素と戦おうという表明の会なのだけれど、やや温度差を感じました

トヨタ、スバル、マツダ3社がマルチパスウェイの発表を行うという。出席者を見ると3社の社長とCTO(車両開発責任者)。ワクワクしながら取材に行く。ベストカーの本郷君やくるまのニュースの金子君なども居て「どんな新しい技術を発表するんだろうね!」。まずは3社の社長さん登場! 皆さん熱い語りです。3社で様々な知恵を持ち寄って二酸化炭素と戦いましょう、と表明した。この3社と三菱自動車は大切な時に良いTOPを持ったと思う。

しかし! 3社のCTOの個別説明会になると風向きが大きく変わった。トヨタとそれ以外の会社2つの差は大き過ぎです。このタイミングで知りたいのはハイブリッドから電気自動車への移行技術。トヨタの場合、ハイブリッドと電気自動車の繋ぎは電気自動車プラットフォームのハイブリッド&PHVということを初めて公式に言った。私が今まで書いてきたことです。下の4気筒1500ccショートストロークエンジン、電気自動車プラットフォームに載ると表明しました。

年間200万台規模の技術です

下は2026年にも発売するギガプレスなどを採用した次世代電気自動車である。佐藤社長もジャイアンも「このクルマに搭載できる」と明言した。しっかり取材している人ならトヨタの戦略が明確に解ります。トヨタはハッキリとメインストリームの方向性を打ち出している。スバルどうか? 出展はストロングハイブリッドだけ。武藤さんという先読みの出来ない元CTOさえ居なければ10年前に出せたはず。藤貫CTOが「これはまずい!」と猛スピードで仕上げた。

次世代電気自動車。エンジンも積めると公表

ただストロングハイブリッドは今日の技術であり、トヨタが出展した技術の前の世代です。されど藤貫さん、間違いなく移行期の技術を仕込んでいると思う。解る人たちだけにでいいから、ヒントを出して欲しかった。しかもストロングハイブリッド、すでに情報がたくさんでてますから。あえてこんな大きいイベントで主役にするまでもないと思う。ちなみにスバルのストロングハイブリッド、モーターや発電機などはトヨタと同じ。藤貫さんなら優れたクルマに仕上げると思う。

大人気のジャイアンこと中嶋CTO

マツダはナニを出すのかと思っていたら、私と全く話の合わない広瀬さんが「ロータリーです!」でした。広瀬さん、10年前からプランBという概念を持たない。一つに決めたらそれだけ。何度も言い争いになってる。そもそもロータリーは突如出てきた。マツダが巨額の開発費を掛けたの、スカイアクティブじゃないのか? 思わず手を上げて「今回トヨタやスバルは主役級を出してます。マツダはロータリーがメインですか?」と突っ込みました(笑)。

スバルも年間50万台規模の技術です

すると「技術の一つです」だって。この会、ホンキで二酸化炭素と戦おうということだと期待した。トヨタもスバルの本命の技術を発表している。マツダだけ可能性の一つとな! 一緒に頑張ろうというのなら、マツダも同じくらいの”重さ”の本命を紹介して欲しかった。広瀬さん、かつてパワーユニットを担当していた人見さんと同じく電気自動車完全否定である。期待するのが間違えか? 今回の発表会、メディアやアナリストの評価が楽しみ~.

とはいえ3社が手を握ったという意義は大きい。今後、さまざまな話が進んでいくことだろう。

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8 Responses to “トヨタとスバル、マツダがチームになって二酸化炭素と戦おうという表明の会なのだけれど、やや温度差を感じました”

  1. シーザー・ミラン より:

    「ロータリーです!」
    の発言は、会社としては、「電動車プラットフォームに積むレンジエクステンダーの動力源としての新型エンジン」と言いたかっただけではないでしょうか。
    ご本人が良く理解できていなくて説明が足らなかったのだと思います。
    どの大企業にも実力以上のポジションに就く人物が少なからず存在しますね。
    ロータリーを敢えて使いたいは「マツダ」だからですが、365日の内、300日以上を純BEVとして車両を使えればEV時代への繋ぎとしては十分だという考えを企業としては持っているのではないでしょうか。

    • シーザー・ミラン より:

      追記したい(ホントは訂正もしたい)ので自己レスします。
      仮にマツダがSKYACTIV-G+THS(OEM)で勝負に出ようとしても、皆さん買います?
      マツダのコアファンしか買いませんよね。
      直4+THSの組み合わせなら、普通は本家のトヨタを買います。
      ディーゼル+THSや、直6+THSなら一定の魅力ありますけど。

      だからスバルも直4+THS(OEM)にせず、アイデンティティの水平対向+THS(OEM)+プロペラシャフトによる左右対称車を出そうとしているのでしょう。

      独自性を表に出さないと今後もマツダは厳しいですが、SKYACTIVE-Xはコスパが悪く推せるエンジンではないので、他の尖った独自性というとロータリーしか残っていないというのが本音の気がします。ハイブリッド燃費としてはレシプロに全く追いつけなくとも。

  2. 赤ヘル軍団 より:

    ロータリーエンジン=マツダ
    ですが、燃費の改善がオイルショックの頃からの永遠の課題になっています。
    自動車用ガソリンエンジンの最高熱効率は現在40%台前半ですが、ロータリーはどれくらいなんですかね。
    MX-30 R-EVは新開発したロータリーエンジンをレンジエクステンダー用に使用していますが、燃費は良くないし、ロータリーエンジンならではの良さを味わう事も出来ません。
    通常のSKYACTIV-G直噴ガソリンエンジンを使用した方が効率も良くユーザーには有難いと思います。
    いつまでもロータリーに固執し続ける事が、果たしてマツダにとって良い事なんでしょうかね。

  3. 死亡遊戯 より:

    やる気云々というより、各メーカーの実力差がそのまま出たという感じではないでしょうか?
    その中で、ストロングハイブリッドという現実解を見据えるスバルといつまでも夢ばかり見ているマツダという違いかと思います。
    マツダの将来は明るくないような気がしますが、グッドラックとしか言えないですねー。

  4. よしの より:

    今回の発表見るとトヨタはちゃんと事前に発表した通りの電動化スケジュールに沿って開発しているなって思いますし
    スバルはやっとスタートラインに立てたと言う感じ
    でも、これで北米メインのスバルは安心感は出ましたね。
    マツダはやる気がないのかな。。。って思ってしまいましたよ(汗)
    ロータリーはなぁ。。。

  5. アミーゴ5号リボーン より:

    なかなかまとまった動画が見当たらず、モンモンとしていたところ、ようやくジャイアンのプレゼン動画を見つけるコトができました。

    いやいや、シビレました!
    バッテリーとエンジンのバランスの可変化、新排ガス規制対応の高出力&低燃費ショートストロークエンジン、背の低いエンジンによるデザイン改革など、わかりやすいのなんの。

    今知りたいことを、全部教えてくれたようです。凄い、凄すぎますぜ、トヨタ!

  6. youcat より:

    「スバルはボクサー」なら「マツダはロータリー」でしょ!的な軽いノリなんだと感じました。それじゃアカンでしょ!
    燃費問題さえ解決できれば独自性で戦えるかもしれませんが…「主力です!」と言い切ってない時点で…うーむ…。
    前時代の負の遺産である現CTOとその一派の自己満足と言われても致し方ないかもしれませんね。
    ロータリーチームが発足されたのも彼らを事実上の窓際に左遷させるためのように個人的には感じましたから…。

    ともあれ、これからの展開に注目ですね。

  7. Leeyamakun より:

    現行のマツダエンジンで最も効率が良いのはSKYACTIV-Dなので、CX-60で行っている様なディーゼルハイブリッドに磨きをかけてもらいたいものです。
    マツダのATは熟成されてはいますが、1~2速のギア比が離れていて燃費の面から言えば繋がりが悪い。
    この部分をプログラム的にモーターアシストする事による多段クラッチ化し、疑似的でも良いのでスモール商品群では8AT、ラージ商品群なら10AT化する等、エンジン単体の話ではないアプローチも行ってもらいたいですね。
    まあ、将来的にはBEVがメインユニットになれば複雑なトランスミッションは不要になるので、ATを新開発するコストは掛けられないでしょうから、モーターのプログラム制御で今は乗り切り、バイオ燃料等の普及があり得るならそれを待つのもアリかもしれません。
    なんにしても、これから内燃機と電動機の主従関係が逆転していくので、3社で協力してモーター制御技術に磨きをかけて行って欲しいです。

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