トヨタ窮地か

トヨタに対する一般メディアの風当たりが強い。「焦っている」とか「余裕を無くしている」という記事も目立つ。2012年3月期の業績予想を「未定」としたら、一段と厳しい表現になってきた。果たしてトヨタは崖っぷちに立たされているのだろうか? 客観的に見ると「ダメですね!」と感じさせる事案が非常に多い。

プリウスをマイナーチェンジで12万円値上げするという話を聞き「やっぱり205万円という価格はホンダに対するプレッシャーだったのね」と感じ、アクアの価格設定やリアの手回し窓を見ると「右往左往」しているように見える。韓国車の躍進に対する反応だって鈍い。電気自動車やディーゼルでも決定的に遅れた。

しかもリーマンショック以後、立ち直る度に千年に一度の大震災、未曾有の洪水と続き、その上で超円高。明るいニュースなど一切無し。また、私ら自動車メディアは今までメーカーの幹部と話をする機会が多かったこともあり、2〜3年先に出てくるクルマの情報や姿を何となく予想できた。ここにきて全く予想つかず。

悲観的に見たら徹底的に酷い。じゃ低迷は続くか? 直近の決断に掛かっていると考えます。未だに改革しようという足を引っ張っている人達がいるようなのだ。こらもうトヨタに限ったことじゃない。「守旧派」の居ない日産を除く全てのメーカーの中に「変えないように!」しようと頑張っている人達が存在する。

とは言え次世代だって黙っちゃいない。このまま沈みたくないと思ってます。「変えたい!」というエネルギーが日増しに大きくなっており、もはやコボれ出る寸前になっている。その人達が考えているクルマや、開発中のエンジニアリングは超を付けたいくらい面白い。ECOカージアで紹介した『レジーナ』からもコボれ出ている。

地味に感じるかもしれないが、日産からもコボれ出てきた。キャラバンの次期型、良いじゃありませんか。おそらくハイエースの二番煎じだという意見も多く出るに違いない。でも優れたディーゼルが載っていたら、相当売れると思う。この手のクルマ、最近日本だけに留まらない。中国やアジアでも大躍進することだろう。

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ここまで読んで「そら日産の良い話でトヨタにとっちゃ厳しいでしょ」。そうでした。いや、そうじゃない。トヨタも同じ。早ければ2012年末あたりから。遅くとも次回のモーターショーには新しいトヨタがズラリと揃っていることだろう。その間、多少業績が悪くたって土台はミシリとも動かない。トヨタの財政事情は盤石だ。

明日が見えないウチは不安だ。でも明日さえあれば多少辛い今日だって頑張れる。私はトヨタだけでなく、ホンダも新しい世代が守旧派を押し切れると考えています。間に合わないメーカーが出ないことを強く願う。

・ECOカーアジアは「スズキ・レジーナ素敵だ

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6 Responses to “トヨタ窮地か”

  1. プラネテス より:

    日産のエンジン開発部門に派遣されていた事がありますが、守旧派は結構多いですよ、銀座通産省と呼ばれていたころから、大して変わってないみたいです、基本役所なので都合の悪い事は揉み消して、一度決めた事はまず修整しません。
    開発の拠点にもゃよるのでしょうが。

  2. 団塊eurasia より:

    企業の中には、世代に関係なく(30〜40代の働き盛りにも)改革の足を引っ張る守旧派はいます。
    現状を変えたくない(今のままでよい)、不安なことは避けて通る、最初から競争しない(負けるのが怖い)といった消極的な考え方の人たちです。
    最近は、新卒外国人を国内の「本社勤務」として採用する大手企業が多くなっています。  優秀でやる気のある外国人を配属することで、企業風土や競争意識を変革し、社内を活性化したいという思惑であり、今後、職場に外国人がいるのが当たり前という時代がそこまで来ています。
    逆に、日本の会社がどんどん海外に出ていく中、日本の若人も海外で外国人と競争しないと生きていけない時代が来ます。
    現状維持ではジリ貧、変化にしか勝つチャンスはありません。 特に若い人は受け身で考えるのではなく、未来志向で考え、行動すべきです。
    何か、TPP慎重(反対)派に対する意見と同じになってしまいました。

  3. さね より:

    いつもトヨタに文句つけてますが、やはりトヨタがしっかりしないと日本は困るし頑張ってほしい。生粋のプロパーのダイハツ組から役員なりを迎えいれて、新しい新風を取り入れるとか? トヨタからみたら子分だろうけど、明らかにダイハツのほうがイケてます。プライドなどあるでしょうけど、今はそんなことゆってられないほど、今そこにある危機ですよトヨタさん。 後スバルに軽自動車なり作らせたほうがいいですよ。合理的でないけどダイハツだけでなくスバルの軽自動車あつかったほうが百花繚乱で楽しいし。ダイハツ、スバルでコラボで共同開発でもコスト的に素人考えではいいような?サンバー復活を!トヨタディーラーであつかうもよし売れるだろうし。三者三用でデザイン変えたら嬉しいな個人的に。 後はやっぱりカローラとかクラウンを歴史ある車だし大切に、プリウスに負けない先進的なガソリン車なりディーゼルなり変速機も変えるべき時代だと思います。 そんなことはゆわれなくても考えてますよね多分。 日本の為にもグループやパートナーと分業して頑張ってほしいです。FT86からあつかう水平対向エンジンと縦置きFR用変速機をFF用に変えるのを力いれるようにしてほしいかな。スバル大助かり、トヨタも縦置きFFで世界の他メーカーと違いや特徴がでるし。 無理かな? スバルがいやがるかな… なにはともあれ、とにかくあとはデザインをもっと頑張ってください。ルノー日産はいずれ海外メーカーになるだろうし、トヨタが元気ないのとは意味あいがちがうし。負けないよう切磋琢磨してください。

  4. COLT より:

    キャラバン、いいですね。
    ハイエースを「パクった」のではなく上から目線で「パクってやった」という自信と力強さを感じます。
    日産がパクリをするといつも後出しじゃんけんなのに負けるのがオチでしたが、これなら誰だってハイエースよりこっちを選ぶでしょう。

  5. アミーゴ5号 より:

    パイが小さい上に、ガラパゴスで難しい日本市場では、パックンチョ戦略が一番確実ですもんね。
    ゴンゴン、凄腕〜。

  6. ポール より:

    本文の話題で無く恐縮ですが、確かにレジーナ良いですね!!まさにシトロエンと呼びたくなります。実現するなら本気で買っても良いかも。ところでミライースですが、実際に町を走る姿を見ると何とも言えない気持ちになります。やはりあのデザインでは、低燃費低価格の凄い車である事もすっかり忘れてしまいます。もうちょっと何とかならなかったですかね…。

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