ライバルは新興国!

自動車を「発明」したのはヨーロッパである。こいつを量販することによって誰にでも買える「道具」としたのがアメリカだ。
そして日本も「信頼性を高める」という分野で大いに貢献したと思う。欧米日、それぞれ自動車を育ててきたワケ。また20世紀の自動車に共通する方向性は「高性能化」。日本の自動車メーカーも欧州に追いつくべく頑張った。

しかし。最近になって高性能化は社会のニーズと合わなくなってきたように思 。実際、140km/h以上の速度で走る機会など少ないし、タイヤを鳴かせながらのコーナリングもクルマ好きだって好まなくなった。未だ自動車ジャーナ ズムの中には高性能車崇拝の流れが強いけれど、そこに価値観を求めてしまったら日本車は生き残れないかと。

「総合的な完成度を求めればいい」と言った意見も聞くけれど、そういう人には「現代自動車の新型ソナタを見たのか?」と返したい。アメリカではデビューと同時に爆発的な支持を得ており、メディアの評価も抜群。すでにアルティマ(日産)は負けちゃった感じ。カムリやアコードですらイーブン。これまでニガ手だったデザインや室内の質感も
好評だ。

ショックアブソーバーなどは日本のメーカーと違い購買部門の「随意契約」がないため、良いサプライヤーを積極的に使っている。どこの国で作っている現代自動車のモデルも、日本車より乗り心地いいですから。幸い、電装部品やタイヤなど日本のサプライヤーが優れている部門はあるけれ
ど、そういったパーツは韓国勢も積極的に採用してます。

幸い現時点で日本車より評価高いのは新型ソナタのみ。されどソナタの仕上がりを見るとシビック級や、その下のクラスのクルマだって次期型で大化けする可能性大。車種バリエーション増える度に日本車のシェアは厳しくなっていくことだろう。すでに世界的な市場で凋落が顕著となっている液晶TVに代表される家電やPC、携帯電話と同じ。

こういった状況、海外に駐在している自動車メーカーやサプライヤー企業の人たちはハッキリ認識している。未だに「日本は先端技術で勝負するべきだ」などと考えているの、マスコミや日本国内しか知らない経営陣くらいかと。21世紀のライバルはアメリカでも欧州でも無い。やはり韓国と、それ以上のポテンシャルを持つ中国だと思う。

新興勢力と戦うには、柔軟な考え方が必要。携帯電話で言えばブラックベリーと勝負できる先端技術も重要だけれど、3千円出せば買えるLGや現地生産のノキアと戦える機種が必要です。

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1 Responses to “ライバルは新興国!”

  1. MCタイチ より:

    連続コメント恐縮ですが、この記事もズバリだったので・・・
    中国製品を安いだけと見下していると、60-70年代に日本車を馬鹿にした欧米人と同じ過ちを繰り返すでしょう。
    第一に、圧倒的な安さと言うのは商品の意味合いを一転させるほどインパクトがあると言う点。
    電力も満足に供給できてないアフリカで携帯電話が流行るなんて誰も想像しなかったでしょう。
    こういうと、人件費の安さを指摘する人が多いが、韓国製品の勢力を見ると必ずしもそれだけが理由ではないと気付くはず。要は現地の市場のニーズにあった商品を開発して供給できるスピードの問題です。
    第二に、品質もすぐに追いついてくると言う点。
    ヒュンダイのソナタのみならず、サムソンの液晶TVなんて高品質とデザインが特徴のブランドだと欧米では認識されています。
    日本企業の生き残る道は・・・所謂スマイルカーブ。コア技術で圧倒的な地位を得る(単に技術的に高度なだけでなくニースが必要)か、逆にパッケージグやデザインで圧倒するかですね。前者に該当する企業はそこそこあると思いますが、後者は無いですね。アップルのように一種カリスマ性を持つ企業が無い。
    長期契約を重視する内向きな取引関係、過去を引きずったスローな経営、これではどうしようもありません。

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