三菱GS粘る!

EVを開発している人たちの間じゃ「タイした技術を持っていないから厳しい。i-MiEVも日産NECのバッテリーに変えるんじゃないの?」などとと言われていた三菱グループとGSユアサの合弁会社である『リチウムエナジー・ジャパン』ながら、やはり日々戦っている努力は報われる。ここにきて元気一杯だ。

現時点でi-MiEV2300台分の生産能力しか持っていないけれど、6月より6800台分に増強。もちろんこんな規模じゃ日産NECに太刀打ち出来まい。しかし今年12月から年産1万1千台分の能力を持つ京都工場も操業を開始。合計1万7800台分になる。この時点でググッと生産コストは下がるハズ。

参考までに書いておくと、今年末時点での日産NECのバッテリー生産計画を見たらリーフ1万3千台分。バッテリー容量はi-MiEV16kWh。リーフ24kWhだからして28万5千kWh対31万2千kWhでいい勝負。ただ日産は今後急速に生産台数を増やしていく計画を打ち出している。

2012年3月時点で6万5千台分だ(165万kWh)。こうなると三菱GSは相手にならない。もはやこれまでか、と思っていたら、突如三菱GSが「2012年度の早い時期に5万台規模の新工場を立ち上げます」という発表を行ったのである! 既設工場と合わせ6万7800台分(108万kWh)。

バッテリーの中身の材料コストについちゃほぼ同じ。1kWhあたり2万円前後だと言われている。いかに安価に量産するかが勝負。日産NECと三菱GSの生産整備の投資額を見ていると大差なし! どうやら三菱GSも大量生産技術にメドを付けたように思える。こら面白くなってきた。

問題は次なるステップだ。日産は2014年3月時点で30万台規模の生産を打ち出している。そうなると一段と安くなるか? と思うかもしれないが、増加分は日本でなく世界規模。いろんな国に工場を立ち上げます。分散化するワケ。これだと生産コスト自体を下げることが難しい。 

もし三菱GSが日本に生産工場を絞り、さらなるコストダウンを進めていけば、年産20万台規模で日産NECと同等のコストでバッテリーを生産出来るようになるかもしれません。となれば相当面白いことになる。i-MiEVの大幅値下げが可能になってくるということです。

現在のように普通車(リーフ)より割高な軽自動車(i-MiEV)という図式は解消。軽自動車の相場+走行10万kmガソ
リン代(おおよそ220万円)と電気軽自動車+走行10万km分のガソリン代がほぼ同じになるだろう。坂本龍馬を祖に持つ三菱グループのチカラの見せ所で
す!

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1 Responses to “三菱GS粘る!”

  1. tm256 より:

    三菱グループとしてはLEJを設立してLIB事業に本格参入しているので、そう簡単には土俵を割らないでしょう。
    少なくとも、LIB市場がEV/PHVや定置型二次電池の需要によって急成長の途上にあることは間違いないので、ここでふんばりを見せずに撤退などしたら、後から大後悔と言うことになるのではと思います。
    MMCとして、i-MiEVが大一矢、次の矢がPX-MiEVとすると、EV/PHV事業拡大のためには、どちらがベース車両になるか分からないですが商用車などのEV/PHVが欲しい気がします。
    いずれにしても、MMCにはPSAとのEV供給契約もあるようなので、当面のLIB需要はグループとその周辺だけでも相当あるということでしょう。
    グローバルな視点では、やはりBYDなど中国企業の存在感がEVでは大きくなる気がします。
    LIBの絶対的な性能面ではマンガン系よりやや劣るものの、コスト面の優位性を考えるとリン酸鉄系で攻勢をかけるBYDがオギハラの金型技術でまともなボディのEV/PHVを開発し、中国だけでなく北米や日本でも売り出したら、ミッドレンジ〜ローエンドのEV市場シェアをかなり取られるかもしれません。
    BYDなど中国勢、サムスンSDIなど韓国勢とのLIBコスト競争を制することができれば、日本のEV産業もなんとかやっていけるのではと祈っています。
    そういう意味では、Liイオン電池専業で当初は定置型向けながら、EVでの展開や国際展開も視野に入れ最近LIBの量産を開始したエリーパワー(ここもBYDと同じリン酸鉄系)等の企業にも期待したいところです。

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