充電中の郵便配達用電気バイク火災。燃え方からすればリチウムイオン電池ですね

神奈川県の郵便局で配達用のバイク28台が燃えた。うち18台は電動バイク。NHKが警察から聞いたところ局員によれば「バッテリーを充電しているスペースから火が出ているのを見た」という。配達用に使われている電動バイクは『BENLY e:』というホンダ製。使っている電池は脱着式の『モバイルパワーパック』となる。バイクから降ろして充電ラックに入れておく。

電池は三元系リチウムで、内部損傷や生産時の不具合により発火する可能性がある。実際、以下の通り6月30日にリコールを出している。「バッテリー内のセルと構成する部品の溶接条件が不適切なため、損傷したセルから電解液が漏れるものがあります。そのため、そのまま使用を続けると、漏れた電解液により金属が析出し短絡して、セルが発火し火災に至るおそれがあります」。

リコール対象のバッテリーパックであれば、その通りの状況になったということ。おそらくホンダ社内などで使われているバッテリーパックが燃えて発覚したのかもしれない。一方、違う可能性もある。以前、アウトランダーPHEVに使われていたGSユアサ製の三元系リチウムイオン電池が発熱した。原因を調べてみたら、床に落としたバッテリーセルを使っていたと判明。

衝撃を受けてセルの内部が損傷した。脱着式のバッテリーって同じような可能性がある。クルマやバイクに固定した電池であれば、衝突時を除き”尖った衝撃”を受けることなどない。されど脱着式だと落とす可能性もある。モバイルバッテリーパックは10kgあるから、1mくらいの高さから落としたら相当の”尖った衝撃”を受けることになるだろう。損傷の原因になります。

ということで今回の火災、一番可能性高いのは、リコール対象のバッテリーパックであり、さらに落とした経歴があるというあたりになる。リコール対象になったバッテリーパックも、普通に使っていれば燃えることはないと思う。そいつに衝撃が加わったとしたら十分な理由になる。ただ脱着式のバッテリーパックは潜在的に落とされる可能性を持つ。LFPを使うべきかと。

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2 Responses to “充電中の郵便配達用電気バイク火災。燃え方からすればリチウムイオン電池ですね”

  1. アミーゴ5号リリボーン より:

    「カートリッジ式は衝撃に弱い」
    これは商品として、致命的だと思いました。特に重いとくれば、積み下ろし時の衝撃なんて日常茶飯事でしょうから。

    ホンダのカートリッジ式は、新しもの好きな夢追い社長の判断だと勝手に妄想していますが、安全より優先されるものはないはずデス。

    宗一郎さん、あの世で激怒していると思いますゾ。

    それからむしろ心配なのは、普及著しい電動自転車です。カートリッジ式が普及していますが、自然発火事故とかどうなのかしら? しっかり対策されていて、何事もないと良いのですが。。。

  2. トリシティライダー より:

    航空機手荷物のモバイルバッテリー持ち込みも非常に厳しくなりました。
    三元系リチウムイオン電池は、かつてアスベストやフロンや鉛などが辿ってきた”夢の物質”→”危険・禁止・公害物質”の変遷を彷彿とさせます。
    これまで仕方く発火危険性が高い三元系が使われてきましが、既に安心安全なLFPが世界の主流になってきたので、一日も早く三元系リチウムイオンの段階的縮小や規制強化の機運が高まって欲しいです。

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