日産、九州で立ち上げる予定だったリン酸鉄リチウムイオン電池の工場をドタキャン! 見通し甘い!

ホンダとの一件で日産が注目されていた1月のこと。LFP電池を生産するため九州に工場を新設すると発表した。北九州市と工場立地について契約したという内容。内容的には「いいね!」と言えるものの、タイミングと日産の将来像を考えると少しばかり違和感ありました。2028年に生産立ち上げということながら、日産単独で決めていいのか、ってことです。当然ながら提携先との調整が必要。

1月22日に書いた日産九州LFP電池の件

当時はホンダと広範な提携をするという流れでした。となれば日産の投資(借金)はホンダに大きな影響を与える。電気自動車用の電池工場を作るのならホンダと綿密な話合いが必要でしょう。しかし! ホンダ側に聞いてみたところ「全く知りませんでした」。日産の独断専行だったワケです。日産とホンダの提携話は昨年12月23日に発表された。破談が2月13日。この件、影響あった?

ホンダ側から日産側に「子会社なら」という打診あったのが1月下旬と言われる。もちろん電池工場だけの問題じゃないと思うけれど、信じられないほど甘い財務見通しの他、同じようなケースが複数あったのかもしれません。というか日産の甘い見通しや判断はどこから来ているのだろう? 常識的に考えたらホンダとの提携話をしている途中で巨額投資の発表を勝手に行うなど常識外だ。

この一点だけ見ても日産の経営陣は理解の外の動きばかりしていた。というか、直近の日産はウソばっかりしていた。2024年3月に発表した「The Arc」なる経営計画の内容を見ると、自動車業界の人間なら誰でも「無理でしょ!」と思える内容だった。例えば「344万台規模だった2023年から2026年までに100万台の販売増を目指す」。2024年度は営業利益6000億円を予想している、等々。

そのわずか3ヶ月後発表された2024年度上半期決算の内容と言えば1)グローバルで20%の生産規模縮小。2)2026年に444万台でなく350万台でも収益を上げる。3)2024年度の最終損益予想は発表せず、だった。「The Arc」を発表した時点で解っていたハズ。そして2024年度決算は7500億円の赤字だった。1年で6000億円の黒字から7500億円の赤字見通しになったのだ。デタラメです。

そういった状況を見逃してきた社外取締役は全員留任してる。大丈夫かいな、ってことです。

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4 Responses to “日産、九州で立ち上げる予定だったリン酸鉄リチウムイオン電池の工場をドタキャン! 見通し甘い!”

  1. 猫まんま より:

    まあ酷いこと。でもそれ以前にいつも言ってるけど何で役員は責任取らないんでしょうかね?まともな会社なら役員報酬90%以上返還でご奉仕しろってなりますが。
    以前にも冗談で書いたけどゴーン会長と和解して報酬100億とかで戻ってきてもらうってのはどうでしょうか?
    当然ゴーン会長も追い出された役員を許すはずもないから現役員は徹底的にリストラされるでしょうから役員数の削減も出来るでしょうに。
    まあ現実的にはさっさと鴻海に買収されて徹底的にリストラしてもらうしかないんじゃないんでしょうか?

  2. 黄色いジューク より:

    優秀な技術を持った大企業も船頭さんが無能だとすぐ沈むものですね。船頭さんは沈む前に逃げ出した(追い出された?)からネズミさんかも。
    沈めた方々はしっかりお金を得ている構図は気に入りませんね。新型の車を止めていた罪は大きいですよ。戦略無き事なかれ経営。
    新形ムーブが出ればデイズやルークスも喰われるでしょうね。どうするんでしょう。
    セレナより小型のファミリーカーがほしくても、キューブの後釜みたいな車は出してこない。ジュークが切り開いたような小型SUVだって、古臭い車体の顔を整形したキックスしか無いし。
    「そろそろ乗り換えませんか?」と日頃からよくしてくれるディーラーの担当の方に言われても欲しいが無いから『キックスの新型が出たら考えるけど、それでもカローラクロスとの比較だけね』と言ってしまいました。

  3. cvt より:

    やはりホンダは日産を助けなくて正解でしたね。
    日産はあまりに不誠実。

  4. MK より:

    技術の日産、遠い昔の話ですよね。リーマンショックで優秀な技術者は出ていったようですし、それ以降、経営者が自分達の会社の実情を理解していないのに、高い目標だけは掲げてあとは現場にお任せだと、社員もかわいそうです。それでいて役員は高額報酬貰って平気な顔しているとか、再生の可能性は客観的に見てどうなんでしょうか。

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