「ボルボは2030年までに販売車をすべてEVにする計画を撤回」。電気自動車嫌いだ君達メシウマ

2021年3月にボルボは「2030年までにすべてのボルボ車をEVへ」と言う目標を打ち出した。内容と言えばハイブリッドは当然として、PHVもエンジン積んでるからダメという完全電気自動車化である。ちなみにメルセデスも2021年7月に「2020年代の終わりまでに販売するすべての車種を電気自動車にする」と花火を上げたものの、こちらは今年3月に撤回済み。

今や全て電気自動車にするという公約は「2040年までに全世界でEV/FCV販売比率を100%」と言ってるホンダのみ。これらの動き、どう考えたらいいだろう。まずボルボ。新しいコミットメントは「2030年まで90%をEVとPHVに。残る10%はハイブリッド」としている。極めて妥当な販売比率だと思う。そもそもカーボンニュートラルの終点は2050年。まだ25年少々ある。

しかも2050年って先進国のみ。世界全体で考えたら、需要残ることなど容易に想像出来る。クルマの耐用年数を20年とすれば、日本の場合、2040年くらいまでエンジン搭載車を欲しい顧客層がいるだろう。2040年に買ったクルマは2050年で車齢10年。新興国に中古車として売れます。アメリカや欧州も同じ。2040年くらいまでエンジン搭載車はニーズ残ると予想する。

逆に考えると2021年前後に起きたカーボンニュートラル熱は相当なモノだったということです。市場の動きを見たメルセデスとボルボの方針転換は利益を追求する企業として考えれば当然のことだと思う。メディアの報道を見ると「ソレミタコトカ!」という雰囲気ながら「変われる物が生き延びる」というダーウィンの法則を理解出来るなら意地を張る必要なんか無い。

ホンダも意地張らず「少し読み違えしちゃいました。てへぺろ」でいいのに。ちなみにボルボの新しいコミットメントは、今のパワープラントの継続を意味する。2030年に向け電気自動車とPHVの比率を増やして行きましょう、です。興味深いのがPHV。今や世界的にハイブリッドよりPHVを「移行期間の主役」として位置づける動きになってきた。ど真ん中にいるの、BYDである。

対極が「PHVはやらない!」と言明し、実際、エンジンを搭載出来ないプラットフォームを次期の主力としているホンダだ。これまたボルボと同じようにPHVを混ぜたらググッと明日が開けてくる。いずれにしろカーボンニュートラルは切り替え時期が読みにくい。どうなっても対応出来るプランBやプランCなど進めておくべきだと考えます。「撤回」は「恥や失策」じゃありません。

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4 Responses to “「ボルボは2030年までに販売車をすべてEVにする計画を撤回」。電気自動車嫌いだ君達メシウマ”

  1. マツモト より:

    5代目プリウスが出た当時は「グリーンピースが世界の気候危機はさらに進むことにつながる。」と主張していましたね。まったく消費者置いてけぼりの車社会だった。それが少しよりが戻ってきたと言う事ですね。

  2. トヨタ車ユーザー より:

    >2021年前後に起きたカーボンニュートラル熱は相当なモノだったということです

    そうですね。その7年前にリーフとi-mievが奮闘していた頃は、スモールハンドレット/CO2排出権取引なんて言葉も出てきましたが、21年には大メーカーもEVに全振りになりました。そしてテスラの環境クレジット販売とそれをトヨタが買うのは終了しました。

    でも、今落ち着いたところでBEVを買ってよかったと思います。次のEVの全振り時代が来た時は現役世代を退いていそうですから、高価な電気自動車を買える自信がありません。(特に日本では車は高価なものになりつつある)

    機械より電気を学んでいたため、いつか電気で車が走ると思いつつ、プリウスPHV(50型)ではまだモーターが弱い感じだったので、現物を見られたBEVをパッと買ってしまいました。で、そのBEVのバッテリーがダメになるころに、またまたBEVが出てくるんでしょうな。次はナトリウム電池か固体電池か…。

  3. NRT より:

    言っても無理だし無理な理由もわかりつつ、自家用車で長距離移動する1ユーザーとしてやっぱりディーゼルの選択肢がほしいです。

  4. アミーゴ5号リボーン より:

    まず個人的に、交通事故撲滅で世界をリードをしてきたボルボをリスペクトしています。ですのでここからのコメントは、欧州勢全般への嫌味でございます。

    どう見てもEV至上主義には、科学的なエビデンスが欠落していました。走行時のCO2排出量だけが取り上げられて、生産から廃棄までのCO2総排出量や環境影響、EVへの電力供給およびインフラ整備による各種影響などは、ほぼ黙殺。

    あらためて振り返ると、地球第一・エンジン悪者というヒステリックな図式を作り、日本車潰しに来ていました。

    欧州勢がHVやPHVを避けたのは、制御系があまりに複雑怪奇過ぎて、自分たちでは手に負えなかったからだと妄想しております。

    ここ数年欧州勢にとっての誤算は、EVが思ったほど実用に耐えなかったこと、バッテリー開発の滞り、中華バッテリーの台頭、何よりチンプー戦争によるエネルギー価格の高騰等だと思っています。

    その結果欧州勢は、EV開発で中国に出遅れ、エンジン開発中断による足踏み、更には今後本命となるHV,PHVの致命的な未開発等、自らとんでもない墓穴をほってしまいました。

    まあ日本を陥れようとしたのだから、ザマアミロですヨ!

    ただ今後、各国は自国の自動車産業を守るために、保護貿易志向は強まると思われます。また地球熱帯化の中、クルマには更なる環境性能が求められるでしょう。

    日本はフンドシの紐を締め直して、EVもHVもPHVも、そしてエンジンでも、引き続き頑張って欲しいと切に願っております。

    そして実は、日本が国民車構想の時代から長年育んできた軽自動車とその技術は、HVとPHVに続くストロングポイントだと思っております。

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