ある程度予想はしていたとはいえ、もはや中国は日本車が生き伸びる可能性限りなく低い

宿遷という地方都市から上海に戻ってきた。改めて街中を見ると電気自動車だらけ! タクシーについちゃ”ほぼ”電気自動車です。上海虹橋空港に来ているクルマを見ると、少し誇張気味言って3分の1。実際は4分の1くらいが電気自動車とPHVを示すグリーンのグラデーションナンバーを付けている。環境自動車を選ぶ理由はいくつかあるようだ。例えばナンバープレート。

御存知の通り上海や北京のような都市部ではエンジン車を新規登録しようとすれば200万円くらいの登録料(エンジン車の制限をしているため権利を買うことになります)が必要。電気自動車なら登録料不要。電気自動車補助金が無くなったのに売れ行き落ちない大きな要因になっている。エンジン車を持っており今から新車を購入するなら、権利を売ることだって可能。

そんなことから高額車を中心に環境自動車が急速に増えている。充電だけれど、日本じゃ想像出来ないような規模を持つ急速充電ステーションが至る所にあります。下の写真に写っている箱は全て急速充電器。100基を超えるステーションも少なくないそうな。逆に考えると大手メディアなどで電力不足が伝えられる中国ながら、一度に100台以上の急速充電しても問題なし。

エンジン車のラインナップしか持っていない日本車は都市部で売れるワケない(トヨタのPHVのみけっこう多い)。今日は移動に中国新幹線を使った。見慣れぬ下の車両、何と中国独自開発とな! 今までは新幹線のパクりやシーメンスのパクりばかりだったのに、独自車両を作り始めている。驚くのが性能! 最高速350km/hで走り続けられるというからスゴい。

上海~北京1318kmを平均300km/hで走り、最速4時間24分。東京~熊本の距離ですよ! 新幹線だと直行便のある東京~福岡は1175kmで最速5時間13分。そして新幹線の最高速度は320km/h。今や中国という存在を再認識しなければならないと思う。なんせ国土が大きい。海から長いストローク持つ版図を考えたら強いし。少し距離を置き、有効な関係を築くことが大切だと考えます。

明日、中国の弱点など分析します。

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3 Responses to “ある程度予想はしていたとはいえ、もはや中国は日本車が生き伸びる可能性限りなく低い”

  1. けろけろ より:

    何と言うか、本当に久しぶりに生々しい取材記事を読んた気がする。

    その道のプロが目的意識を持って行う現場取材は、これまでは当たり前だったはずのに、今では物凄く新鮮だし、極めて貴重だと思う。

  2. z151 サンバー愛好者 より:

    恐らく実用性の高いBEVが普及期になるには、まだいくつか越えなければいけないハードルがあるのでしょうが、ゲームチェンジャーが登場してから追随して開発・発売しても全然間に合わないんでしょうね。
    つまりもう何らかの形を発売していて、それを叩き台にカイゼンを重ねている状態にないと競争の場にすら立つことができない。
    大規模急速充電施設だって3年後には老朽化・陳腐化するかもしれないけど、シェアを取って既に次世代商品を開発していて、それを大量に生産する体力のあるところだけがこの先の中国で生き残っていける資格を得るというか。
    そんな「優良企業」だって「中国共産党政府の意向で」ひっくり返る可能性もある。
    「海外企業ブランドより国産(中華)ブランドへの回帰傾向」あるならば企業努力ではどうにもならない部分もある。

    日本企業が中国から撤退、これだけの点で真っ先に思ったのは、中国の覇権主義からの何らかの戦争侵略行為を画策中なのかと思ってしまいましたが。
    ロシアの現地法人より二桁三桁以上違う数の日本の中国現地法人があるでしょうし、影響はロシアどころじゃないですから。

  3. クルマ好きのリーマン より:

    私も今年中国へ行っていましたが、国沢さんのレポートの内容にほぼ賛同です。
    そしてEVどうこうよりも日本車の普及率が高くないことに驚きました。ドイツ御三家、VW、テスラに中国ブランドなど…残りが日本車でカムリとアコードばかり走っていたことしか覚えていません(笑)

    中国が完全にEVに移行するかは分かりませんが、ICEが主流の現状ですらこのシェアでは将来世界に日本製のEVが食い込む余地なんて無いと感じました。

    全固体をトヨタが実用化で日本の逆襲が始まる!とニュースが出ていましたが懐疑的です。どのメーカーも全個体の研究はやっていますがBYD、CATLの資金投入はトヨタよりも数段上を行っているはずですので、それをトヨタがぶち抜いた?うーん…本当かな

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