せっかくレーダー使っているならトヨタも「股抜き制御」は取り入れた方がいいと思った

何回か書いてきた通りボルボのレーダーは股抜き制御をしている。その他、BMWや日産も股抜きしてます。股抜きとは先行車の下面を通過したレーダー波の反応を利用しているという意味。先行車はもちろん、2台前の状況まで解るという。トヨタは「確実じゃ無いから」という理由で股抜き制御を使っていない。乗っていると全くと言ってよいほど違う!

新型クラウンも股抜き制御無し

当然ながら先行車1台の時はあまり変わらない。けれど先行車の前に車両がいた時の制御、驚くほど違うのだった。一番「いいね!」だったのは、3車線ある高速道路で先行車が割り込まれ急減速した時。XC60に乗っていたのだけれど、先行車が急ブレーキ踏む前に減速を始めていた。先行車しか検知していなければ、相当厳しい急ブレーキになったと思う。

こういった「ブレーキの遅れ」は日常的にもある。渋滞中にノロノロ走行で先行車が加速中、何らかの理由で2台前のクルマが減速していたとしよう。股抜き制御していれば、2台前の減速を検知しているため加速を止める。股抜き制御してないと、先行車との車間距離が空いていたら必ず加速します。もっと言えば、股抜き制御はカメラや人間の目だとできない。

レーダーならではの得意ワザなのだった。先日、自動運転の試乗会があった。トヨタは最先端のアドバンスドライブ付きでも股抜き制御を行っていないため、随所で「もう少し早く減速すればいいのに」がある。前述の通り「確実じゃ無いから制御しません」なんだけれど、最新のレーダーなら99%以上確実に股抜き制御できるような信頼性を持つ(と他社は言ってます)。

なぜトヨタが取り入れないかと言えば、旧世代のレーダーの信頼性が低かったからだと思う。トヨタのレーダー、金網などで誤作動し普通に走っていて急ブレーキ掛かっちゃうこともあった。とうてい股抜き制御できるような信頼性は無かったと思う。おそらくその時代に「股抜き制御はしない」と決め、自分が作った決まりを未だに変えられないんだと思う。

結果的に自動車の陰から出てくる歩行者も、日産などは何となく検知できている歩行者の足を「危険かも」とチェックし、カメラで見えた瞬間からブレーキ制御に入る。トヨタは見えてから対応しなければならず、そこに短い時間ながら遅れが出ます。ということを最新の運転支援システム車の試乗会でも感じた次第。レーダー使うのなら股抜き制御はした方がいい、という話でした。

<おすすめ記事>

2 Responses to “せっかくレーダー使っているならトヨタも「股抜き制御」は取り入れた方がいいと思った”

  1. ひめ太郎 より:

    他社の動向を観つつ、なんでしょうね。最近はスバルやマツダのように年次で改良入れてるから焦らなくても良いと考えてるのかも?

  2. hagoi より:

    https://toyota.jp/pages/contents/request/webcatalog/crown/crown_main_202209.pdf

    新型クラウンは新しいセンサーが搭載されたようですが、どういったものなのか、体験できていませんが、クラウンのカタログで先々行車検知とという機能があるようです。
    先行車がカットオフした場合には減速の制御が働くように思いますが、先行車カットオフしないで先々行車が減速した場合に先行車が減速するまで減速しないのでしょうか。

コメントを残す

このページの先頭へ