そういえばソニーホンダモビリティはどうなってる?

北米では来年秋に受注を始め2026年春から納車開始。日本でも1年遅れで販売を始めるというソニーホンダモビリティのアフィーラながら、直近の半年くらい全く情報が出てこない。正確に書けばドジャースやパフュームとジョインとするというソフト関係の話は出ているものの、ハード関係についちゃサッパリである。受注開始まで1年。そろそろ概要出てきてもいい頃です。

ただパズルは出てきた。そもそもアフィーラはホンダ開発のミドルクラス電気自動車のプラットフォームを使う。興味深いことにアフィーラの兄弟車が直近で2モデル発表された。ホンダ0とアキュラのパフォーマンスEVである。全然違うクルマに見えるものの、電気自動車プラットフォームの”主役”はフロア。いわゆるカマボコの板。カマボコの形状違いです。

このプラットフォーム、ホンダ得意の「MM思想」(人が乗るところを広く機械部分を最小限に)のためバッテリー搭載量を最小限にしており、エンジンを搭載してPHV化することだって出来ない。アフィーラで凝ったADASを取り入れようとすれば大量の電力を必要とするけれど、電池の積み増し無理。もちろん体積大きくなるリン酸鉄リチウムもダメ。

ADASの電力は皆さんの想像以上に喰う。MIRAIにライダー(走査型レーザーセンサー)を付けたアドバンスドライブを選ぶだけで航続距離が100kmも短くなるほど。アフィーラがやろうとしている高性能ADASを稼働させようとしたら、ホンダ0と比べ航続距離が4分の3以下になることを意味する。その他、いろんなブブンで大きなハードルに出くわしているかと。

トドメが日産との協業です。主目的は次世代電気自動車の車載OSなのだけれど、実現は早くて2030年。アフィーラってソニーホンダモビリティで開発したホンダのOSをベースに動くシステムだと思われる。2026年販売開始だとわずか4年しか使わないと言うことになります。しかも少数だろうから全くペイ出来ないだろう。相当の確率でモメていると考えます。

直近になって顕著なのが電気自動車に対するアメリカ勢の消極姿勢。詳細に分析すると、高価格帯のクルマほど電気自動車化が難しいという判断らしい。これまた強い向かい風になりそう。さらに! ソニー側から「ホンダは保守的過ぎる!」とか「開発が遅い!」という、当初から予想されていた声も強く出始めたようだ。こらもうクルマ作りとゲーム機作りの違いです。

外野から見ている限り「どうなるんでしょ?」とワクドキです。

<おすすめ記事>

4 Responses to “そういえばソニーホンダモビリティはどうなってる?”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    戦後、創業者がゼロから立ち上げた日本の雄たるホンダとソニー。

    両者とも独立独歩の超個性派企業だから、ガッチリ噛み合えば無双のワクドキ・ペアながら、ヘタに対立したら泥沼の最悪ペア。

    悟空とベジータ以上に、組むのが困難かも。共通の敵か、共通の守るべきモノか、絶対的な仲介が必要かと。。。

    ホンダは、ソニーと日産の協業対応だけでも、成果の有無に関わらず、莫大なエネルギーを使うことになりそう。

    例によって勝手な妄想ながら、非常に心配です。

  2. ソニー、ホンダの個人株主 より:

    ソニーもホンダもアフィーラが売れると何故思えるのでしょうか?
    スタイルも何もチャームポイントが無いまるで嘗てのカローラやコロナみたい。
    似非カウンタックみたいなホンダ0の方がインパクトがあって印象的に見える。
    これで航続距離も大した事が無く、何をセールスポイントにするのでしょうか。
    もしかして、ソニーブランドですか?
    車載OSの件を含め一旦、白紙に戻して全てを開発し直した方がいいのではと思います。

  3. アクシオム より:

    そもそもソニーがモビリティ事業に進出するにあたり、ホンダを選んだことが間違え。
    以前からアラウンドビューモニターとかで共同開発していた日産と組んでいたら、ホンダよりいい協業ができたかもしれませんね。
    以前、ソニーで自動車メーカー向けのオーディオを担当しておられたデザイナーさんに伺うと、ホンダは他社と協業することになれていないと。特に異業種ではなおさらうまくいかないと仰ってましたね。
    その点、ルノー傘下に入って、他社との協業慣れした日産の方がよかったんじゃないの?とも仰っていました。
    ソニーは最悪、アフィーラをあきらめるか、日産に乗り換える方がいいんじゃないですかね。

  4. トヨタ車ユーザー より:

    アフィーラもホンダ0も、ホンダの迷走を象徴するものかと。
    車を作るのにSDV(ソフトウェア定義の車)やADASに有理かと思われるSONYと組んでみた、ダメだった。仕事の進め方も結果の共有も全然違う。
    自分でホンダ0を作ってみたけど、成立性がない。たぶんあれはコンセプトカーであのまま実は車にできないことはご指摘の通り。
    ふと現実に帰って日産と組んでみた。ここでもやっぱり合わない。実はホンダが一番車載OSやBEVの製品化で遅れているメーカー(できなくもないけど様子見しながらでないと売れない)なので、社内は日産と対局するメーカーだったりします。
    ホンダeやクラリティFCV・PHEVを見ればわかる通り、一度作ったものを捨てて作り直すのが好きなメーカーなので、実は日産ともうまく組めず、OEMとして車種を交換が精一杯で、シェアを落とすんじゃないかなと思っています。
    ま、猶予がないのは日産の方なんですけど。

コメントを残す

このページの先頭へ