もらい事故の続き
昨日のもらい事故の続き。この件、続報が多くのメディアに出ており、それに対するコメントも多数。おしなべて「よくない判決」というものだけれど「仕方ない」という声も見かけます。なぜ仕方ないのか? 今回の判決、民事裁判の上、賠償金を自賠責保険から出すと言うことになっているためである。
御存知の通り自賠責保険は弱者救済の精神から成り立ってます。したがって加害者が無免許であっても、被害者の過失割合が大きくても、基本的に限度額までは全額払われる。ただ今回の例は少しばかり異質。被害者に「避けられなかった証明をしろ」と責任を負わせているのだった。
仮に「事故をもらった側の過失は無い」と言明し、責任ない方の自賠責保険を使え、というなら納得できる。ただそうなると、自賠責保険の本質から外れてしまう。仮に飛び出して衝突したのが車両でなくコンクリート壁だとしたらどうか。そのために任意保険の人身傷害という保険がある。
おそらく大岡裁きのような気持ちなんだろう。民事裁判なので無理が利く、ということもあったんだと思う。けれど社会通念や、社会的なシステムからすれば明らかに常識を逸脱した判決である。もし亡くなった方に賠償金を、と考えているなら、他の理由や方向を考えて欲しい。
なし崩しにこの判例が適用されるようになれば、民事とはいえ様々な齟齬が出てきます。
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