シュコダ版のUp!

今や世界規模でエントリーカーのニーズが増え始めている。それだけクルマを所有出来る収入層は増えた、ということです。日本の自動車メーカーも続々開発を進めているものの、未だタイで作るホンダ・ブリオや三菱のニュースモールカーよりさらに安価な「気合いの入った低価格車」の具体的な姿は見えず。

「国際エントリーカー」に最も近いのが、VWの『Up!』である。見た瞬間に「これは本気でコストダウンを考えてますね!」と思える全長3450mmの軽自動
車級のボディに、1,2リッター3気筒エンジンを搭載するモデルを公表しているけれど、もしかすると2気筒800ccモデルも存在するかもしれません。

なんたってプレスの金型からしてシンプル。ブリオの如く「小さい高級車だ」と思えるようなお金のかけ方をしていない。何度も書いている通り、団塊の世代の先
輩方は「同じクラスで高級な製品を作れば売れる」というコンセプトが「美しい」ため、2者択一を迫られると高級路線を選んでしまうのだった。

実際、ブリオだけでなく、三菱やマツダが開発中の国際エントリーカーも全て高級路線。このウチ、3気筒エンジン搭載車は三菱だけ。団塊の世代が上層部に居な
い日産のみコストコンシャスのマーチを作ったものの、残念ながら「安っぽ過ぎ」。団塊の世代の先輩方のアドバイスは絶対に聞くべきだ。

Up! にはVWブランドだけでなく、今や日本車の手強いライバルになっているシュコダバージョンも存在する。シュコダのモデル、VWと同じカテゴリーながら
10〜20%も安価。それでいて内容はVWなんだからタマらない。欧州で日本車のB〜Dセグメントがヘコんでるの、シュコダとセアトに勝てないからだ。

Up! は2011年秋の発売というので、今年のフランクフルトショーでデビューすると思われる。シュコダバージョンは2012年。中国、ブラジルなどの新興国
や、タイのような発展途上国のマーケットを奪っていくことだろう。日本勢も国際コンパクトカーを一日でも早く投入すべきだと考えます。

・ECOカーアジアは「日産のFFハイブリッド

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3 Responses to “シュコダ版のUp!”

  1. 小林 英弘 より:

    「高級路線」でも「安っぽ過ぎ」でも売れないって、エントリーカーって難しいんですね。でも「高級」も「安っぽい」も抽象的ですよね? 多分エンジンの振動や回転フィーリングやサスペンションの出来具合が「高級か否か」で、「内装の質感」等が「安っぽい」に該当するんでしょうが。国産メーカーには頑張って欲しいですね〜。
    ところでフィアット(というかVWですか?)の2気筒エンジンってどうなんでしょうか? 何かバイクのエンジンを連想してしまいますが、「高級」なんでしょうか…?

  2. アミーゴ5号 より:

    オールアバウトのフィットシャトルの記事で、一点誤植を見つけました。
    5行目の「ホイールベース」は、標準フィットもシャトルも共通の2500mmでした。
    コンポーネンツを極限まで共有化しつつ、しかもそうは見せないという、メーカーの創意工夫に脱帽です。

  3. 真鍋清 より:

    先日一身上の事情から埼玉県羽生市にある日本精工(そう、NSKベアリングで有名!)まで愛車ヴィッツ1300U-L/87425km走行で東北道を往復してきましたが、この購入後7年が経つ「ポンコツ大衆車」追越車線でみるみるうちに「秒速40m」まで達してしまい冷や汗をかいたのと同時に、サスペンションの凹凸に対する減衰特性も「安っぽさと野蛮さの塊」であり、逆にそれだからこそ上っ面の高級を追求しようと虻蜂取らずになってしまった挙句細かい周期の微振動を伴って落ち着かない先代ゼロクラウン〜(目下併用している)2009年式レクサスIS350辺りよりも遥かに乗り手の緊張感が保たれて好ましいと感じました。
    このあたり、クルマというものの奥深さというか底知れぬparadoxを感じさせてくれるとともに、「安っぽさ」の基準も人それぞれな上「安っぽさ」自体がマイナス評価や好ましからざるものとイコールでつながるかは手放しでイエスと言い切れない証左ではないかと思います。
    現にイタリアの新旧のフィアットパンダや同500(チンクチェント)など、どう見ても重厚さや高級感と結びつかないシロモノであるにも拘らず、それゆえに人車一体のイキイキ感を乗り手自らが味わえ、人間臭いメカの一挙一動を掌で感知できるのも事実に違いありません。
    VWグループのシュコダが今回放ったUp!姉妹車も同様に「安っぽさ」と「生きたメカの鼓動」に関してうまく接点を見出した印象が伺え、今後が楽しみなのは言うを待ちません。
    結局「チープシック」「身分相応がもたらす爽やかさ」も基本性能がフルに煮詰められての上に成立するものなのであり、中国製のチェリーQQ他スモールカー各種を筆頭にタイ製の日産マーチも含めて「露骨なコストダウン」をメカにまで行うのでは長期的に見て安かろう悪かろうにつながり競争力を削いでしまうのではないだろうか。
    PS
    我が初代後期型ヴィッツ(SCP13型)、今月車検を済ましてからというものうなぎ上りに調子が向上し、公道外某所にて測定した所100-140km/h中間加速は12.8sec、140-160km/hは10.5secを外気温31°C!!の猛暑にて記録、10-20°C以内では各々11.5-11.8sec、9.5secまで短縮しうることが証明されました!
    これほどの高レスポンスを示すエンジンに対して、例の安普請な足回りは「なよなよと路面をつかみ」剛性感こそないものの危険性を感じさせないのには改めて感心させられました。
    シュコダのUp!姉妹車といい、ホンダブリオといい、三菱/マツダが鋭意開発中の新世代Aセグメントワールドカーといいハード面はそんな初代ヴィッツを上回ることはまさか確実だと思いますが、乗り手にとってどれだけドライバーズカーの資質を備えているかは各メーカーの設計思想の見せどころ、実に目を離せませんね!

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