スタッドレスタイヤ

何度か書いてきた通りスタッドレスタイヤのアイスバーン性能は驚くほどの差がある。昨シーズン、ナンカン製のスタッドレスタイヤをチェックしてみた。圧雪だとソコソコ走ってくれます。いや、もう少し積極的に書くと「問題のないレベル」と言ってよいだろう。トラクションコントロール性能の良いプリウスだと「問題なし」。

圧雪の場合、スタッドレスタイヤは「長靴の底」効果を使う。雪をトレッドパターンやサイプで掴むワケ。したがってシリカを多く配合した低温域で硬くならないコンパウンド+それなりのパターンを採用すればスタッドレスタイヤが出来上がってしまう。現在販売されている安価なスタッドレスタイヤの大半がこのタイ
プ。

しかしアイスバーンは全く違うロジックを使わないとグリップ性能が出ない。いわゆる「氷の表面を拭いて水分を取った後」に接地、いや接氷させないとダメ。このコンパウンドを持っているのは発泡ゴム(スポンジだと思えばOK)で水分を取るブリヂストンと、吸水ゴム(布だと思えばOK)で
水分を拭くヨコハマのみ。

といったことをあまり考えず夏タイヤと同じ価格最優先でスタッドレスタイヤを選んでしまう人が急増している。先日もカー用品店で効いたら「クルマにあまり興味の無い方は価格でお選びになります」。本来なら高性能スタッドレスタイヤを選ぶべき30歳前後のクルマ無関心層と高齢の方が安いタイヤを選ぶそうな。

今シーズンも昨シーズンに続いて雪は多い感じ。夕方の「溶けた水が凍り始める時間帯」や、完全に除雪出来なかった場所に残ったアイスバーンなどを走るときは、高性能スタッドレスタイヤを履いていても十分周囲に注意して欲しい。特に後方。安いスタッ
ドレスタイヤ履いた人が突っ込んでくることもある。

自分が信号の先頭に止まっていたら追突されて交差点に押し出され右から来るクルマと衝突した、みたいな事故は昨シーズンも多発してます。警察もたまには仕事をしたらいい。雪道でスリップ事故を起こしたタイヤの銘柄を調べ、事故時の路面状況
と合わせ公表するくらいのことをしてもいいんじゃなかろうか。

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6 Responses to “スタッドレスタイヤ”

  1. 那須与一 より:

    今日も朝からアイスバーンでした。
    逆に降雪の方が、タイヤがグリップするので安心して走れるのが雪国の常。
    実は某M社としますがスタッドレスタイヤだと、アイスバーンは滑りまくりでABSを効かせてもロックしていくみたいな履き心地でした。(それで事故もしました)日本にテストコースがあるから安心!みたいなキャッチコピーを信用していたのです。
    ところが、上述の国産のメーカーだと同じ路面でも、キュッと停まるんです。
    その違いがずっとわかりませんでしたが、国沢さんのおかげで氷解しました。
    雪国は除雪されているし、低速走行ならどんなスタッドレスタイヤも大丈夫ですが、車間距離を取れないアイスバーンによる「追突事故」を考えないと後悔することになると思います。今朝も後方ばかり注意していました。
    全損にならない事故なら、無駄ですもん(笑)

  2. 土浦の裕紀[29歳] より:

    ブリヂストンとヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤは世界トップの性能だと思います。
    特にブリザックのレボ GZのテクノロジーは物凄いです。
    スタッドレスタイヤなのに非対称形状で、雪道の様々な雪質状態の走行をシミュレーションして作られています。
    驚いたのは、レボGZはスタッドレスタイヤなのに2006年くらいまでブリヂストンの中ではエコタイヤだった夏タイヤのビースタイルEXより転がり抵抗が小さく、低燃費だそうです。
    ヨコハマのアイスガード トリプル プラスもテクノロジーは素晴らしいです。
    ブリヂストンやヨコハマタイヤなら上記のフラッグシップモデルだけではなく、レギュラーモデルのスタッドレスタイヤでも性能は良さそうです。
    ダンロップやトーヨータイヤもスタッドレスタイヤに力を入れていますし、質も高いと思います。
    国沢さんがおっしゃる通り、スリップや衝突事故した車のタイヤの銘柄や品名を警察が公開するのは良いと思います。
    ただ世界ナンバーワンのブリザック レボGZでも40パーセント[スタッドレスタイヤとしては50パーセントの摩耗までは使用できる。]くらい摩耗した状態だったら新品よりは滑るので、公開しても摩耗のパーセンテージがわからないと意味なしですね。
    やはり雪上、氷上で実験、テストしないとわからないですね。

  3. さね より:

    北海道の札幌、小樽、ニセコ他もろもろハイスバーンになってた道を走りましたFFの車です、ヨコハマでもブリヂストンでもなくトーヨータイヤのスタッドレスですが、普通に流れにそってですけど、なんとか走れました。ただ横滑り防止装置は頻繁に作動してました。作動ランプがつくのでわかりました。ABSもかなりガクガク作動してました。カウンターもあてまくりでしたが自動車の安全装置の凄さを体感して改めて、安全装置の凄さを関心しました。なかったら走れなかったな…。危ねぇー(冷や汗)ヨコハマとかにすればグリップがよくもっと作動しないってことなんですか? 真面目に知りたいです。そんなにグリップしてくれるなら履き替えたいです。

  4. さね より:

    度々すみません。北海道にいった者ですが、ちなみに普通のワイパーでしたがもうダメになりました。ウォッシャー液も凍るし。地味ですがアイスバーンになるような過酷な土地では、冬ワイパーと凍らないウォッシャー液も大切ですよね。うーん凄い過酷だ雪国は。地元の人には当たり前のことだろうけど。

  5. けむけむ より:

    うちはブリヂストンですね。冬タイヤ。
    田舎道を走ってるとも一つ性能で欲しいのが、
    スノボのハーフパイプみたいな路面で、
    ブレーキ踏んだ時横にずり落ちない性能ですね。
    これはテストコースとかでもやってないと思います。
    ブレーキ踏んで横滑り、止まってる横の対向車にドン。
    ってのは除雪間に合わない時に良くあります。
    雪道よく乗る人には分かってもらえると思います。

  6. 654 より:

    私もブリヂストンを使っています。今年は、車を買い替えたこともあり、REVO2からREVOGZに替えました。アイスバーンでの性能は勿論(凍結路の多い志賀高原の上り下りを問題なく走れます)、高速道路での安定性も増したようです。助手席の友人が言うには、4WD&ブリヂストンでも、立ち往生している車もあるとのことで、運転の仕方の差もあるのかもしれませんが。燃費も夏タイヤに比べて、以前のものほど落ちてはいないようです。
    実は昨年、REVO2の中古で、摩耗が少なく、かなりいい状態(2年間使われず、ガレージに保管されていたらしい)のものを知り合いを通して譲りうけ、使ったところ、同じ志賀高原でも、下りで結構滑りました。劣化が少ないと言われる発泡ゴムでも、5年も経つと、美品であっても劣化するのでしょうか。
    私は、基本的には3年おきに買い替えている(使い切っている)のですが、経年劣化による性能の変化もどこかにまとめていただくと、役に立つと思います。(私は、1年経つごとに、コーナー進入のスピードを少しずつ落とす等しています。)

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