スバル『シフォン トライ』ってなんだ? 新しい自動車ビジネスのスタイルだったりする
スバルが「間もなくシフォン トライというモデルを出します」というティザーを始めた。ほとんど知られていないことながら『シフォン』は『タント』のOEMモデルであり、今までスバルとしちゃ全く売る気がなかった。とりあえずR2やステラに乗っている軽自動車オーナーをつなぎ止めるだけの存在です。したがって宣伝だってしておらず。
しかし! 今や自動車ギョウカイを巡る環境が大きく変わった! 自動車メーカーの提携により、電気自動車の時代になるまでの間、OEM車ばっかりになる可能性すら出てきた。つまりOEM車を売らないとディーラーを維持出来なくことを意味する。ディーラーからすればスバルで作ったクルマを売ろうとダイハツで作ったクルマを売ろうと利益は一緒ですから。
そんなバックボーンがあるんだと思う。今まで『ファンクロス』という派生モデルのスバル版は存在しなかったものの、秋から『シフォン トライ』というネーミングで取り扱うということになった。上の写真を見て頂ければ解る通り、違いはエンブレムのみ。価格も同じだと思う。そもそもイマドキの追加です。なのにティザーをやってる。いやいや興味深い。
いろんな意味合いを持つ。メインは文頭に書いた通り「OEM車もガンガン売ってディーラーを維持していく」こと。これ、日産とホンダ、三菱も遠からず直面します。ダイハツからみれば不祥事でビジネスをやりにくくなっているが、スバルブランドならどんどん宣伝出来る。ダイハツ本体からすると、タント ファンクロスでもシフォン トライでも売れればOK。
気になるのは「スバルがどのくらい真剣に売るか」だ。シフォン トライってスバルが得意分野としているジャンル。今回は間に合わなかったけれど、デリカミニみたいに少し顔つきを変えフォレスターのような雰囲気を出したっていいと思う。いずれにしろこれからOEMビジネスを真剣に考えなくちゃならない。シフォン トライが先鋒になるだろうか?
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シフォン・トライの消費者からのウケは良いと思います。ただ、スバルのディーラーにいくと、REX以下のOEM車を求める顧客は多いものの営業はさほど熱心でない様子です。ダイハツのバッジが付いている方は登録済み未使用車店で売れるのも多いですが、OEM先のスバルのほうはそういった店では売っていないので、せっかくの指名買いなのになあと思います。
確かにスバルから見れば撒き餌としての車でしかないので真剣みは落ちるかもしれませんが、指名買いに来ていた夫婦は年金生活者でファーストカーとしての購入のようでした。そういったことも含めて、真剣に売ってアフターサービスもしてほしいと思ます。
フォレスターのTHSモデルがデビューすれば、REXのeスマートハイブリッドも売ってくれるんですかねえ。