スバルWRC撤退
ホンダのF1撤退とスバルのWRC撤退は共通項がある。もはや「参加する意義」を半ば失っていたことだ。ホンダの場合、
何度か書いた通り日本サイドで開発した2007年モデル(RA107)は厳しい仕上がりだった。ホンダ社内でも「なんであんなクルマを作ったのか?」という声が多数出ていたそうな。
当然の如く低迷するや、さすがに「このままじゃダメだ!」と判断したのだろう。かくして日本側は白旗を揚げ、ロスブラウンに全権を委任することになってしまった。つまりこの時点で敗北していたのである。ホンダ社員の多くも「ダメだった」という認識を持ったかもしれない。「頭脳」がロスブラウンで、ホンダは「良質の道具」になる、ということですから。
スバルも同じ。スバルの開発陣がプロドライブに乗り込んだものの、こちらは相手の抵抗にあって全権を掌握出来なかった。残る手段はプロドライブと訣別し、新しい体勢を独自に整えるということ。けれど莫大な投資が必要になってしまう。潤沢な利益を上げていれば可能だったかもしれない。でも昨今の状況を考えれば無理。
加えて2010年から新しいレギュレーションがスタートすることになっており(未決
定)、インプレッサで出場出来るか微妙な状況にあった。だとすれば2009年モデルの開発に多額の予算を投入してもムダだ。となれば出場したとしても戦闘力のあるクルマを作れないというムダ使いの1年になってしまうワケ。参加する意義を見いだし難い。
ただホンダは生粋の競技好き体質を持つ。スバルだって市販車に近いグループNの活動は今後も続けていく。世の中変わりつつある。景気低迷から抜け出せば、きっと私達クルマ好きを楽しませてくれることだろう。
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世界的な景気悪化により、自動車メーカー各社リストラ、減産、レース活動中止、開発の中断など毎日のようにニュースが流れています。
傍から見ていると今まで長いこと積み重ねてきたことを中断、中止して大丈夫だろうか?とも思ってしまいます。
しかし人的リストラをするには、節約できることを全てやってからでないと反感をかってしまうというのも分かる気がします。
「今後2〜3年は景気回復しないでしょう」なんて言う経済の専門家が多いようですが、本当でしょうか?
これらの専門家たちはサブプライム問題が発覚した昨年の秋頃「サブプライム問題はアメリカの問題で日本への経済的影響は軽微でしょう」なんて言っていたんですよね。
また、今年の初め日経平均が8,000円切ると予想した専門家は1人もいなかったわけです。
そういった、ことごとく予想をはずした専門家たちが「あと2〜3年は・・・」と言っているわけですから、楽観的に考えれば2009年の夏ごろには世界的に新車が売れまくって在庫が足りないってことになっているかもしれません。(ちょっと大げさですが)
近年、足の速い投機マネーが世界中で暴れまくっている状態ですが、投機家たちはコンセンサスと逆の動きをするものです。
したがって上記したように多くの人たちの予想外の事態が起こる可能性は高いと思います。
自動車メーカーは今の雰囲気に流されて積み重ねてきた開発などを中断、中止したら勿体無いように思います。どうか水面下で地道に続けてもらいたいものです。
国沢さん、自動車雑誌にて興味深い記事を書いておられ、「そうだ!そうなんだ!」とうなづかせて頂いておるレガシィオーナーのおやじです。
さて、スバルのWRC撤退ですが、もちろん世界経済の影響、プロドライブとの確執というかくい違い、WRCのレギュレーションの変更による参加意義の消失、成績の低迷などが複合された結果と思います。仕方がない部分もあるとは考えますが、現在継続する予定のグループNも撤退する事がない様願っています。
頑張れ!!!スバル!!!