タカタの問題、拡大か?

何回か取り上げたタカタのエアバッグ問題は、少し難しい展開になってきた。ここにきてフロリダのユーザーがタカタと自動車メーカーに対し「安全性に関わる重大な情報を秘匿していた」ということで集団請求を前提とした訴訟を起こしたのである(すでに単独の訴訟は開始済)。

実はこの問題、今までニーツァ(NHTSA。日本だと国交省自動車部門)も寛大な反応。リコール対象になったら可及的速やかにディーラーに行くように、といった感じ。そんなニーツァの対応が甘かったと言われ始めた。こうなればニーツァだって厳しい対応を迫られるだろう。

今回のリコールが原因と言われている死者は4名。本来ならそれほど大きな訴訟にはならないハズなのだけれど、最悪のケースを考えると、残るリコール対象車は1500万台以上と言われている(合計で3000万台!)。皆さん不安を抱えてクルマと付き合わなければならぬ。

今までの事故発生確率からすれば、3000万分の4。知らなければ問題ないレベルの危険率だと思う。されど知ってしまえば怖くなる。亡くなった方からすれば100%です。原理主義的に動かれようモノなら絶対勝てない。隠蔽だと言われたら、そうじゃないという証明も難しい。

ということで先が読めない状況。もしニーツァを含めたアメリカが原理主義的に動いたらタカタも決定的なダメージを受けることだろう。ただGMのキーボックス問題(走行中、突然キーがオフになってしまう)の方が大きい。本日時点で認定死亡者数30名。少しづつ増えている。

これまたGMにとって大きな痛手になってます。今までアメリカの社会を見ていると、妥当と思われるセンで落ち着く。GMもタカタも破綻までは追い込まれないだろう、と考えている。ただ楽観出来る状況からはるか遠いと覚悟しなければならない。なんたって訴訟の国ですから。

むしろ問題は自動車メーカーか? タカタのエアバッグに問題あると知っていて使い続けたなら、当然の如く同罪。赤字続きのタカタからお金が取れないとなれば、空前の業績に沸く自動車メーカーに目は向く。今回の問題、いろんな意味で注意しておくべきだと考えます。

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