ダイハツ不正問題が大きく動きました。ライトエースの型式指定取り消しながら、大岡裁きです

国交相がダイハツ不正問題について最初の決定事項を発表した。今回の件で最も厳しい処分は「認証項目の不正を行った全ての車種の認証取り消し処分」である。これだとダイハツの工場は1年間くらい生産を休止しなければならない。あまりにも社会的な影響が大きくなってしまう。かといって国交省としては、安全性などに問題のあるクルマを売ることなど許せまい。

型式指定取り消しは最も重い処分になる

逆に、安全性に問題の無いクルマを国交省が「不正した」という手続き上の問題だけで認証取り消しをするのなら「だったら最初から全て国交省で管理して欲しい」になる。国交省からすればそこまでの業務をしようとしたら、膨大な人件費になってしまう。だからこそ性善説の認証システムなのだった。いろんな意味でバランスを取りながらしっかり行われてきたと思う。

今回、国交省はTUVのデータなども参考にしながら、ダイハツ車が安全かどうか入念にチェックしたと聞く。結論は「社会的な影響の大きさを鑑み、さらに安全性も確認出来たので認証取り消しまではしない。ただし全て許したのでは認証システムの意義が薄れる。なかでも衝突安全性に大きな影響を与えるエアバッグの不正試験は容認出来ないので認証を取り消す」裁きだった。

国交省、今回は驚くほど上手な判定だったと思う。今回の発表でダイハツの工場稼働は可能になる。販売も可能になる。認証を取り消した車種(タウンエーストラック3兄弟)は販売台数少なく業績に大きな影響は与えないモデルだ。生産工場はインドネシア。ちなみに東南アジアで販売されるタウンエースの兄弟車については国外のため対象としない。大岡裁きですね。

そしてトヨタに「これからはしっかりやって欲しい」という強いプレッシャーも掛けられる。実際、トヨタはボールを返され、本格的な対応をしなければならなくなった。当然ながら6年半も社長でいながらダイハツの本性を見抜けなかった奥平さんは交代だ。目に見えるダイハツの改革も必要だと思う。佐藤さん、それを全てやるだけの気持ちを持っていると聞く。

ダイハツ、変わらなければ存在する価値は無いと思う。

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3 Responses to “ダイハツ不正問題が大きく動きました。ライトエースの型式指定取り消しながら、大岡裁きです”

  1. McG より:

    もうダイハツ工業を解体してトヨタ自動車の一部にすれば良いと思います。

    パナソニックと三洋電機の関係ですね。

    その上で余った不要な部分を切り売りしてそれぞれホンダなりスズキなり日産三菱が買い取れば良いと思います。

  2. 子分 より:

    国交相、天晴れですね。年末から突発的なお仕事続きで国交相も大変でしょうが今回の裁きについて親分の記事を読み納得。
    いつも分かりやすい記事をありがとうございます。

  3. JUN より:

    ホンダが、早くから軽自動車の安全性(特にコンパティビリティ)に取り組み、ダイハツやスズキとは一線を画す安全性能を目指したのは、普通乗用車メインのメーカーだったから、なのでしょう。
    スズキやダイハツの安全性に対する思想が、日本の多くの消費者に合わせた「所詮軽自動車だから…」との割切りから作られているように、いつも感じます。
    トヨタの完全子会社となったダイハツですから、この機会に、安全性に関してもトヨタレベルを目指して取り組んでほしい。

    最近では、世界で日本の中古軽自動車の良さが理解され、SNS などで紹介されることも多いですよね。経済性や機能性、耐久性、時には斬新なアイディアなど、日本の軽は世界で誇れるんですよね…安全性以外は。

    昔、L.A.から訪日したサーファーの女の子たちと都内を歩いていたら、路肩に止めてあった軽ワンボックスを見つけて「So cute!! 」と盛り上がって「この車にサーフボード積んでビーチに行ったら、スゴく受ける!」と騒いでいたのを思い出しました。

    話は戻りますが…政府にはこの機会を捉えて、軽規格を世界で通用する規格に変更し、コンパティビリティを含めた安全性能で世界をリードできるような小型BEVも生み出せる「軽新規格」に移行してもらいたいかと。

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