テスラが時価総額でトヨタを抜いた。一方、三菱自動車は「自動車産業から実質的な撤退」の可能性も

投資家の中には「あのときテスラの株を買っておけばよかった!」と思う人もいるようだ。株価安いときに「買った方が良い」という誘いを、大口投資家なら皆さん受けていたという。とはいえテスラを自動車産業だと思ってれば絶対に買えなかったと思う。例えて言えば宝クジ。いや、積極的に予想するという意味からすれば大穴の馬券みたいなものだと考えます。

結果的に「大当たり」となった。繰り返しになるが、自動車産業だと思った人は買えなかったはず。だってトヨタより安定しているとは認識出来ないでしょうから。クルマ作りにも言えることながら、今までの自動車産業と同様にテスラを考えたらダメだと思う。むしろ自動車産業の手強いライバルだと位置づけたらいい。性能面では既存の自動車メーカーが負けてます。

バッテリーの使い方もモーターの技術も、もしかしたらインバーターや制御系の技術もテスラの方が優れている。コストダウンに対する能力だって高い。「クルマは加害性を持つ。顧客だけでなく多くの命を預かっている」という自覚さえしっかり持ってくれたら今後も伸びることだろう。ちなみにテスラの時価総額は22兆円になったそうな! 一方、三菱自動車が3900億円。

2000億円あれば三菱自動車の株を半分以上買える。テスラが株を1%手放し、それで三菱自動車の株を買うだけ。すると三菱自動車の生産設備や開発能力、さらには日本やタイにあるテストコースを使えるようになることだろう。2000億円の使い方としてはモンク無し。しかもテスラにとって欠けている「自動車産業の奥行き」だって得られる。ウィンウィンの関係です。

といったことから先週から始まっている三菱自動車株の妙な動き(相変わらず本日も出来高は多い。相場は昼前から外野の買いが増えるているらしく波乱含みなってます)とテスラを関連づける人が出てきた。本当にそうなら、どこからか情報漏れるだろうから必ず三菱自動車の株価は値上がりすると思う。値上がりしないところを見ると、ショッパイ買い手なんだろう。

先週末から三菱自動車についていろんな方向から考えているけれど、可能性の一つに「精算」もある。三菱自動車の総資産は2兆円! 三菱自動車が持っている不動産や他企業の株券など資産を売却すると2兆円分の価値あるということ。1株当たりの純資産も500円を超えているのだった。すなわち三菱自動車という企業を様々な課題を解決しながら精算すると、今の株価で得をするワケ。

もう少し詳しく書く。三菱グループで大半の株を買い取ったあと、資産売却し始める。大株主である日産が使える資産あるなら、日産の持ち株分だけ有効利用すればいいだろう。三菱自動車というブランドも残す。その上で、不要な土地は全て不動産として売却。販売台数右肩下がりの直営ディーラーも売却。三菱グループにとって大きな荷物になってしまっている三菱自動車を上手に解体する。

三菱グループは損をしない。日産も軽自動車の工場や、東南アジアの設備とブランドイメージを三菱から譲り受ければ美味しい。三菱自動車のブランドだって残せる。そんな作戦なら、今のような株価の動きが今後長く長く続くと考えます。今週末に目立った動きや発表無ければ、精算の可能性が徐々に高くなっていくかと。クルマ好きとしては残念です。

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