トヨタ、テスラとユルい決別
トヨタとテスラの共同プロジェクトが一旦終わったようだ。リリースによればRAV4EVへの電池供給を年内に終了するとのこと。あまり話題になっていないものの、パソコンなどに使われる汎用電池18650を使うテスラのパワーユニット使ったRAV4を現在も販売中なのだった。
しかし価格を見ると4万9800ドルでヤル気無し! リーフは2万9010ドル~3万5120ドルである。当然の如く販売は伸び悩んでしまっており、2014年7月の販売台数を見るとリーフが3015台売ったのに対し、RAV4EVって68台。まぁ価格を考えれば売れなくて当然か。
しかもRAV4EVを開発する際、トヨタとテスラで決定的にモメた。そらそうだ。テスラは趣味の乗り物を作っており、安全性や信頼性に対する考え方がトヨタと2ケタくらい違う。よく引き合いに出されるの、『P』レンジでトヨタは機械式の噛み合いを希望したのにテスラは電磁式を主張したというもの。
ジツはトヨタ、Pレンジに入れても動き出すというトラブルを経験しており(私の持っている3台目セルシオも箱根でPレンジに入れたのに動きだし、危うく車道に飛び出し大事故になるトコロでした)、このあたりは慎重になっている。テスラ側で「問題ない」と言っても譲るまい。
汎用電池もトヨタからすれば納得いくレベルでなかったようだ。ただ双方にとっても悪い提携じゃなかったと思う。悪いどころか、文句無しです。アメリカに於けるトヨタバッシングの原因になったヌーミー(カ州工場)をテスラに譲ることで完全にアメリカ社会から許された。
テスラも資金繰りに困り破綻の雰囲気さえ漂っていたのにトヨタのバックアップで完全に生き返った。提携時に30ドル前後だった株価も256ドル(先週金曜日)まで上昇。トヨタが入れた50億円、8倍くらいになったということ。ちなみにこの提携、章男さんが即決したという。
テスラのイーロン・マスク社長は章男社長との関係を良好なままキープしたいことだろう。j共同プロジェクトの終了を受けても全くモメていない。このあたりがTOP同士決めた提携のメリットです。いずれにしろ今後トヨタとテスラのコアな技術的交流は無いと考えていいだろう。
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