トヨタ、2026年から電気自動車用電池を自社開発&自社生産で! しかも24時間連続操業!

なるほどそう来ましたか! である。電気自動車の時代になるとエンジンの製造行程分=利益を失うと思っていた。実際、電池を外部から調達しようとしている日産やホンダ(この2社は合弁企業を作るため100%外部から購入するワケではない)、マツダ(100%購入という発表)などはエンジンや燃料タンク、ミッションなどが無くなる分の利益を諦めないとならない。

トヨタも同じように他の企業と組むのかと思ったら、そうでもないようだ。少なくとも日本国内で販売される電気自動車の電池は、トヨタ自ら国内の工場で作るという! 今までトヨタはダンパーやタイヤを自社開発してきた、されど量産するかと思ったら「餅は餅屋」ということなんだろう。開発したことで目標を達成出来たのか、その後自社で作ろうとはしておらず。

けれど電池についちゃ「エンジンの代替!」と判断したんだろう。餅は餅屋ならず「餅屋」になろうとしている。こう書くと「トヨタはパナソニックと組んできたのでは?」と思うだろう。どっこい! トヨタは今まで何度もパナソニックに煮え湯を飲まされており、だからPHEVの納期が長期化したりしている。コストダウンだって思ったように進まない。もう頼らない、ということです。

トヨタの電池生産計画、なかなか強烈! 例えば下山に作る工場は24時間連続稼働させる方向で労組と調整中だという。電池の生産工程、一度止めるとコンタミ(異物)が入りやすくなり好ましくない。特にバイポーラ型は繊細な生産工程にしなければならないという。だから24時間連続操業なのだけれど、そうすることによって当然ながら生産量を確保出来る。たくさん作れます。

海外の工場については豊田通商と組んで展開するというが(中国は現地企業)、基本的に電池も失わないというスタンスは変わらない。そして国内2工場の生産立ち上げは2026年を目標としている。タイミング的にもドンピシャだと思う。ちなみにホンダは大きいプラットフォーム用はアルティウムからお買い上げ。小さい方はLGと組んで立ち上げるけれど、分け前は不明です。

やはり電気自動車を作るならエンジンを失った分を電池でカバーするのが王道だと思う。電池買ったら利益はその分だけ減っちゃいますから。

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5 Responses to “トヨタ、2026年から電気自動車用電池を自社開発&自社生産で! しかも24時間連続操業!”

  1. けろけろ より:

    「茨の道でも、王道を選ぶ!」とは、かつて高度成長期の日本産業のあるべき姿だった。

    ゆとりやリモートも結構だが、海千山千の欧米や中華相手では食い物にされるのみ。やるときは死物狂いでやらないと、本当にヤバい。

    電池自前主義は、さすがトヨタというか、日本にはもはやトヨタしかいないのではないか?とさえ感じてしまった。

  2. よし より:

    下山 ドライブで通りますが テストコースにしては、ビルが沢山 電池の工場でしたか。さすが 早耳 恐れ入りました。水は有るのでしょうか?

  3. 2662やす より:

    やはり国沢さんは違う
    並の評論家ではない。
    科学的な本質論と現場で研ぎ清まされた知見と判断力のバランスが凄い!

    丁度2年近く前の「最新情報」(下記にアップ!) を読んだ時も国沢さんの洞察力に唸ったが、今日はその延長上の現実盤が間近に迫ってきたのかと思い興奮して読みました!

    当時(わずか2年前だが)の投稿↓

    読んで内容を理解出来たら驚くと思う。
    トヨタ、電池からも利益を上げる戦略! 2021年9月8日 [最新情報]

    トヨタが電気自動車についての発表を行った。注目すべき内容を挙げると、1)2030年に200万台の電気自動車を作る。2)1兆5千億円の投資をする。3)電費を30%向上させる、となります。まず1)から。2020年に於けるテスラの世界販売台数は75万台ほど。そして欧州全体の電気自動車販売台数も75万台ほど。トヨタ1社だけで200万台売るという規模って驚くほど多い!

  4. natumenatuki より:

    24時間稼働、良いと思います。8時間稼働の企業と、24時間稼働の企業では、勝負になりません。今の時代ですから、労働環境改善が大前提ですが、その上で、稼働時間を、増やすのは、効果的と、考えます。

  5. z151 サンバー愛好者 より:

    下山っていうと昔は大判型のクルミ味噌たっぷりの五平餅くらいしか有名じゃなかったのですが。
    テストコースできて、電池工場ですか。
    物凄いことになりました。

    パナソニックも凋落してしまいました。
    サンヨーを吸収合併した時、当時最高のノウハウを持っていた電池事業を手元に残し、中国企業に売り払ってしまって。
    白物家電としてAQUAとなった訳ですが。
    サンヨーは昔からクリーニング工場用に業務用洗濯機を作っていたので、洗濯機は機能を絞っていますが丈夫で使い勝手がいいです。
    ユーザーや協力会社舐めて掛かっていると痛い目に遭うと思いますよ。

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