トヨタEV戦略を見直し2026年の目標を150万台から100万台に。これ想定内です

トヨタが2026年のEV販売目標を150万台から100万台に減らすとニュースになっている。これ、大きな方針変更じゃなく「プランB」です。何度か書いてきている通り、電気自動車戦略で最も難しいのは普及時期だ。電気自動車とハイブリッド車を含むエンジン車はプラットフォームが全く違う。もちろん共用出来るけれど、そうなると電気自動車として勝負できない。

bZ4Xのプラットフォーム

ちなみに現在日本で作られている電気自動車は全てエンジン車用のプラットフォームをベースにしたもの。面白いことに中国では電気自動車とエンジン車をラインアップする同じモデルがあるけれど、外観は共通。プラットフォーム別物としていたりする。エンジン車をベースとした電気自動車、電池搭載量もコストも拡張性も厳しい。やはり専用プラットフォームが必要だ。

したがってエンジン車と電気自動車は生産ラインが異なる。エンジン車のラインで電気自動車を流したら効率悪い。これまた専用ラインです。となると「どのタイミングでエンジン車から電気自動車に切り換えるのか」が重要。同じように電池の調達もフレキシブルにしなければならない。早すぎたら工場の生産効率落ちて割高となり、遅いと電気自動車を作れない。

今までトヨタは2026年で150万台くらいのニーズがあると予想していた。ただその数字を決める際、様々な不確定要素を考えていたことは想像に難くない。おそらく当初通り2026年に150万台の電気自動車を作れる工場や電池生産キャパシティは準備していたと思う。でも時代の流れを見ていると、2年で電気自動車のニーズが150万台になるなど考えにくい。100万台だって多いかもしれません。

一方、アメリカなどでPHVの需要が急増している。アウトランダーPHEVもアメリカの販売台数がイッキに伸び収益増に貢献してます。PHVも電池をたくさん積まなければならない。トヨタの100万台、おそらくPHVを含まないだろう。150万台と100万台の差である50万台は、けっこうな台数が電気自動車プラットホームのPHVになると予想します。もしかしたら「プランC」すらあるかもしれません。

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2 Responses to “トヨタEV戦略を見直し2026年の目標を150万台から100万台に。これ想定内です”

  1. natumenatuki より:

    何時も論点がずれてる投稿で恐れ入ります。イギリスのマット・ワトソンさんのユーチューブで、お母さんに、欲しいEVを選んでもらうコーナーがありました。幾つかのEVの中からお母さんが選んだのはテスラ3でした。
    私のあくまでも個人的見解では、フロントのトランクの存在が大きく貢献した思います。例えばホンダEに大きなフロントトランクが有ればもう少し売れたのではないかと?
    設計者や技術者の目線ではフロントトランクは不要でしょうが、消費者側の目線!では非常に重要と考えます!(スーパーカーのフロントトランクもマクラーレンが常識化しましたね。)
    日本の自動車関係者の皆様には、EVにはフロントトランクが絶対に必要だとの認識をお願い致します。(似たような例では、ホンダNボックスについて、実際はほとんど載せることはないのに、自転車が楽に載せられると言うのも、その売れた一因でしたから。)

  2. ボヤキ爺 より:

    e-TNGAですが、bz4xの発売早々のリコールの時、トヨタのお偉いさんが「e-TNGAは失敗作だ」と言っていたと思いますが、その後レクサスのRZも中国でのbz3シリーズにしてもe-TNGAを使い続けてますが、当然改良したものを使用しているとは思いますが、きちんとアナウンスしなくて良いのだろうかと思ってしまいます。というか、それだけプラットホームの開発は大変ということなんでしょうね。

    ところでもう一つのお約束、2025年に各営業所に設置予定の急速充電器のアナウンスがありませんがどうなっているのでしょうね。今なら90kWhクラスでとなると思いますが、トヨタの新しいバッテリーを積んだEVが出てくる予定の2028年以降の事考えると150kWhクラスを今のうちから用意するのか。悩ましいですよね。

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