トンネル内の事故で亡くなった乗客はシートベルトを着装していたとタクシー団体が発表

湾岸トンネル内で発生したタクシーの車線逸脱事故、東京ハイヤータクシー協会は亡くなった乗客もシートベルトを着装していたというリリースを出した。異例です。普通、この手の情報が早い時点で出てくるのは警察などからのリークによるもの。というか着装していたかどうか解るのは、一番最初に現場に到着し要救護者とコンタクトした人だけである。

こう書くと「シートに人がおらずシートベルトが差し込まれていたら着装と判断できるでしょ」と思うかもしれないけれど、それは考えにくい。JPNタクシーのリアシートベルトはプリテンショナー付き。最初の衝撃を受けた際、エアバックと同じような炸薬使って緩みが巻き取られ、ガッシリ拘束する。シートベルトはユルユルだと思っているのはシロウトさんです。

事故の動画を見る限りプリテンショナーが作動し、ベルトはしっかり効いているだろう。その上でJPNタクシーのリアシートはカーテンシールドエアバックを標準装備している。少なくとも一番大きな衝撃を受けただろう1回目の転倒は十分頭部の衝撃を吸収する。そもそも事故を起こした車両の写真を見れば解る通りキャビンはしっかり衝撃を受け止め、変形していない。

常識的に考えたら搭乗者が亡くなる衝撃ではない。じゃなぜシートベルト着装と発表したのか? まずタクシードライバーは乗客にシートベルトを着装させる義務がある。それを怠っていれば問題出てくる。一方、出光興産という企業、しっかりした社内規定があり、クルマに乗るときはシートベルトを着装することが厳しく指示されてます。同乗者が社外の人であっても指摘するほど。

シートベルトを着装していた方が望ましい。警察も事故の原因はドライバーの意識喪失で問題なし。もし労災保険など適用されるのなら、シートベルト着装の有無で条件が変わってくるかもしれない。いずれにしろシートベルトを着装していた方がタクシー側も被害者側も収まる。不満なのは安全を考えてJPNタクシーを開発したトヨタだと思う。ただこれも流すだろう。

上の写真を見ても乗客が座っていたと思われる左側のスライドアすら普通に開いている。尖ったモノにあたった痕跡だって見当たらない。死亡事故を無くしたい私らからすれば、シートベルトを着装していたというリリースが出たこの事故の於いてもシートベルトの意義を啓蒙したい。このレベルの車体変形でシートベルトをしていたのに亡くなった、と思われたら残念だ。

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2 Responses to “トンネル内の事故で亡くなった乗客はシートベルトを着装していたとタクシー団体が発表”

  1. マツモト より:

    シートベルトの状態は車内ドラレコを返してもらえたんでしょうかね。
    うそを言っているとしたらひどい話ですしタクシー団体がわざわざそんなことをするのでしょうか

  2. しんぶんし より:

    お疲れ様です。自分が確認できたのは「事故速報」ということで社内文書的な物で外部に見せるための物では無い様に思います。ですが、シートベルトをしていて亡くなったではこの書面から得る物はありません。そして、おっしゃられている様に今後この事故の追加報道は出ないというのが今の日本っぽい。

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