ドイツ車、電気自動車の競争力を発揮出来ず世界規模で厳しい状況に

10日まで開催されていたドイツのモーターショーで中国勢の優位さが誰にでもハッキリ解った。考えてみたらドイツ車の魅力って振動少ない高品質のエンジンと、200km/hに達するような高速域での走行性能がもたらす奥行きのあるシャシ性能にあったと思う。長期間に渡ってリセールバリューをキープ出来るため、価値も高い。メルセデスなんか20世紀的なクルマ作りの頂点にあった。

しかし電気自動車の時代になると、エンジンより滑らかなモーター。良いエンジンを「電気モーターのよう」と評してきたけれど、本家のモーターです(笑)。最高速も高ければ高いほど電気を使うため、巡航速度は最高で130km/h程度。200km/hを超えた時のシャシ性能なんか不要。そして寿命だって最大で20年程度OK。最後の方はリセールバリューで高額エンジンにかなわず。

そうなった時にドイツ車が魅力を発揮できるかと言えば「う~ん」。実際、メルセデスの電気自動車を見ても乗っても「凄い」と思えない。むしろ10年して電池の保証が終わったらどうなるんだろう、というネガティブな印象を受けてしまう。VWも欧州のカンパニーカー(企業が与えるクルマ。日本で言えば社宅や住居手当に相当)以外のニーズはほとんど無いようだ。

今は最後のエンジン車ブームでドイツ勢も健闘しているけれど、電気自動車についちゃ競争力を持てていると言いがたい。特にドイツ勢が得意としてきた高価格帯で厳しい。繰り返すけれど、今までの機械的な優位点を失いつつあるようだ。アメリカも日本も中国も、ドイツ製電気自動車の売れ行きは伸び悩んでいる。欧州での販売台数だって中国勢が出てきたら厳しいと思う。

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10 Responses to “ドイツ車、電気自動車の競争力を発揮出来ず世界規模で厳しい状況に”

  1. まっすー より:

    ベンツのEQSに何日か乗りましたけど、本当その通りだなと思いましたねー。
    あれならベンツじゃなくても別にいいやという印象しかなかったです。笑

  2. よしの より:

    前から不思議だったのですが
    何故ドイツ車は明らかに苦手な分野に政府やEUなども味方につけて推し進めたのか本当に謎です。
    昔からドイツ車で電装関連は全くダメで
    それでも魅力的なのは国沢さんが言っているようにエンジンとシャーシだったのに
    その魅力を捨ててEVに進んだら
    そりゃ魅力のない製品ができるなって誰でも思いますし。

    しかも、日本車のようにメンテナンスとかもあまり考えてないから
    修理の時は電装関連で超高額な修理代を請求されるので
    ガソリン車の中古は人気があっても
    EVやマイルドハイブリッドなどの中古車はドイツ車が全く人気ないですし

  3. キイロイトリ より:

    なるほど、ですね。

    EVになってしまえばドイツ勢は動力源の優位性も車台の優位性も無効化されてしまいますよね。

    そうなると、日本製のEVは安いぶんドイツ勢より優位かもしれませんが、対中華勢で見ればやっぱり価格の優位性は保てない。

    残るは信頼性と耐久性ですが、日本勢が戦う土俵はココですかね。

    でも親方が指摘したようにリーフ初期型などはバッテリー耐久性ダメで国内にEV拒否感を根付かせてしまった訳で。

    これではどうにもなりません。

    私、首都圏集合住宅在住ですが、駐車場の給電問題は宙に浮いたまま。
    EV化の件は気になるところです。

    取り敢えず来年早々にポルシェ718GTS4.0MTが納車になりますので、しばらくは様子見するつもりです。

  4. 還暦オヤジ より:

    自分の国でまともな電池を作れないのに、日本車憎しでゲームチェンジ計ったら思わぬところから伏兵登場ですかね。
    ドイツ経済が落ち込み始めてる今日、果たしてドイツ車は今までの様に強い立場を維持できるか見ものです。

  5. あかよし より:

    なので今、EU議会が「中国製EVは補助金漬けで、不当な競争をしている!」と言って大騒ぎしているのですね~。黒となれば相殺関税で叩くみたいだし、自国保護が加速しますね。

  6. アミーゴ5号リボーン より:

    いよいよEVに向けて欧州勢は、ミイラ取りがミイラになってきたようです。今後は彼らの得意技、レギュレーション変更がいつ炸裂するか、興味津々。

    それはさておき、
    現実的には「敵はカーボン」という旗印のもと、EVに固執せずに、ありとあらゆる手立てを打つべきだと思います。

    でもですね、今の先進国が頑張っても、もはや間に合わないかも。

    中国の経済発展が、地球温暖化を促進させたと思っておりまして、
    今後はインドの発展が地球熱帯化を加速させ、
    最後はアフリカの発展が地球灼熱化にトドメを刺すという、
    未来予想図が見えてしまいました。

  7. トヨタ車ユーザー より:

    シルキーシックスとか滑らかな回転をうまく表現するのにも苦労をしていたと思うのですが、電気モーターのようなと言って本当にモーターを載せたらそれは「無粋だ」と言われそうなものです。それを本当にやってしまったのだから仕方ないかもしれませんね。
    かといって、EQなんとかとガソリンエンジンのベンツ・ワゴンを比べると、デザインは圧倒的にガソリンエンジンのほうが凝ってますしパーツも細かくデザインされているので、とにかくツルツルとしたEQのほうが安っぽく見えます。全面液晶のインパネも中国のほうが大きいし。
    最近のドイツはよくわからないと言っている人がいました。中国に自動車生産販売を依存したり(EVが流行る前)、ロシアからパイプラインを引いてきていたり。どちらも合理主義のドイツらしからぬ失敗です。
    ベンツとて、ハイブリッドモデルやPHVモデルを作っていたのに、単にモーターでも走れるガソリン車を作ってお茶を濁しておりました。電動化における高級とは何かを考える時間はあったはずですが。

  8. PAL より:

    もう10年以上前になりますが、知人がW124を手放すときになぜ買っておかなかったんだ、と後悔してます。

  9. ガソリン税金廃止まだ? より:

    コスト削減を中国に頼ったツケが回ってきましたよね。
    安い人件費を餌に他国企業の製造ノウハウを吸収しながら自国産業を成長させた中国共産党の一人勝ちとならなきゃ良いけど。

  10. 日本猫 より:

    欧州車、特にドイツ車はディーゼル排ガス偽装で失敗して、ハイブリッドでは日本車に追いつけなかった。
    そこで日本車潰しのために補助金まで注ぎ込んで強引にEV化進めようとしたら、同様に政府指導で補助金注ぎ込まれた中国車にシェアを奪われて大慌てといったところでしょうね。

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