ヌルマ湯ニッポン
日本では韓国車と言えば現代自動車をイメージするだろうけれど、ここにきて起亜自動車のイキオイも止まらない。なんと!
日本のメーカーによって開拓されたハイト系ワゴン部門(bBやキューヴ)に送り込んできた『ソウル』というモデルが、絶好調。このジャンルのベストセラーカーとなっている。
基本的には初代bBのパクり
参考までに先日発表された5月の販売台数は、「日本で売れなくてもいいから!」と、アメリカ市場のため開発したサイオンxB(日本名ゴツンとルミオン)1879台。驚くほど安い価格でローンチし、一時はトップに躍り出た日産キューブも2295台。なのにソウルは6134台の圧勝状況。
けっこう深刻なのは、ソウルが決して安くないこと。価格を見ると、2リッターのマニュアルで1万5195ドル。xBは同じような装備内容だと1万6800ドル。ただし2,4リッターエンジン+ATだから事実上イーブン。キューブも1,8リッター+マニュアルで1万3990ドル。むしろソウルより安いほど。
しかも上の写真のようにリチウムイオンバッテリーを使うリーズナブルなハイブリッドも開発中。将来の展望があまり見えない(というか販売伸び悩み迷路にハマッてしまっている感じ)日本勢に対し。今後の発展材料も揃っている。今や新型ソナタ(爆発的に売れ始めた)を凌ぐ日本車キラーになった。
「個性的」なクルマが多いハイト系ワゴンであるソウルのカッコについちゃ評価割れるものの、ここ1年以内にデニューしてきた韓国車の魅力はデザインにある。下のクルマは『フォルテ』というシビックやカローラ級のモデル。まぁイメージとしちゃまんまシビックですけど‥‥。こいつも好調な売れ行き。
4ドアモデルもカッコ良い!
前述の通りデビュー直後に「こらマズい!」とレポートしたカッコよくて高い性能を持つ新型ソナタは、慌てたVWがすぐさま本国に持ち帰り全バラしの詳細チェックを行ったほど。アメリカで受けている韓国勢からの猛攻は、ヌルマ湯ニッポンに居ると理解できないかも知れない。相当深刻だと思う。
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ことデザイン面では完全に日本車は追い越された感が否めないと思いますね。
日本車のデザイン面での冒険を許さない国民資質がそうさせてしまっているのではないのかなって_。
そんな風潮をブレーク・スルーさせることのできるモデルが明後日ですか、発表になる日産の『ジューク』かと思いますが、まあニッチなマーケットをねらったモデルということもあり、台数的には期待はできないかと…。
日産が販売目標を何台くらいに設定しているのかも興味のあるところです。
ゴツンとルミオンの間違えでは?
アリオン→ルミオン
いつも、拝見させていただいてます。
確かにカッコイイ!韓国メーカーを、馬鹿にしては、いけないです!
韓国の国民自体、教育熱心です、今の日本のゆとり教育では、茹で蛙は沢山できますが、お先真っ暗です。
また、日本のメーカーで研究開発費を削り、研究員をリストラしたら、数ヶ月後には、中国・韓国メーカーで研究してた、なんてはなし、良く聞きます。
古くはソニーからサムスン、最近は、中国に取り込まれた、各国のメーカー!
韓国の「マークX」的存在たるヒュンダイソナタ、新型は近代建築を思わせる前衛的なデザインで思わず息を飲むほどです!
このソナタ、アメリカのクライスラーセブリングやシボレーマリブ、フォードフュージョンばかりかVWパサート!!にまで脅威を与えている印象が伺え、個人的に日本車が世界トップに向けてのして来た1980年代末~90年代初頭の勢いを感じさせてくれます。韓国は我が日本の後を二十年遅れて歩んでいる、といえばそれまでですがプラグインハイブリッドの開発といい、ハングリー精神に端を発するコリアン・パワーが如何に空恐ろしいものかがわかると言うものです!
片や追われる立場に入った我が国、エコカー減税を含めた各種制度がいかに動脈硬化を起こした「老大国」を感じさせてくれるかが明白であるのと同時に、日本全体に安穏なあきらめムードが漂っている印象も免れず、今後がイバラの道なのではないでしょうか。
国を世代に例えると、中国はエネルギー溢れる荒削りな思春期、韓国は一皮むけた若手社会人、日本はかつてバリバリで盛りを過ぎた中年管理職、という印象を受けます。
管理職ばっかりじゃ仕事はできん。こりゃ、いかんぜよ。
自動車・電機産業を国益として捉えてる韓国は勢いが違いますね。
日本はいい物作るのに、ある意味、横一線で潰しあいの雰囲気すら感じます。自動車会社も3社くらいに集約して国も大切に育てていくくらいにしたらいいような気がします。
韓国のメーカーを見ているとつくづく研究熱心というか、自分たちの立脚点をしっかり見据えている様子が伺える。
そもそも、韓国の人口は5000万人で日本の1億2600万人とは比較にならず、国内だけでは食べていけないことがわかる。それ故、否が応にも世界に活路を見出さざるを得ないわけだ。
現にサムスンが携帯電話の分野で世界トップになったのはワールドスタンダード(万国共通に求められる機能)を見据えてそこに真摯に取り組んだせいではなかろうか。日本的な各種ギミックは世界的には不要であり、そこに気を取られて本質の熟成を後手後手に回すなど本末転倒に他ならない。
同じことはクルマの世界にも言える、韓国車が世界で日本車を猛迫し、地域によってはリードしているのはクルマとしての本質を見つめ、研究と開発を惜しまなかったからであり古くは1974年のヒュンダイ・ポニー登場時のジウジアーロ・デザイン導入や生産面責任者にBL(後の英国ローバー社)のジョージ・ターンブル技師を迎え入れたことから始まりドイツのザックス・ダンパーの特許導入に到るまで「優れた技術は世界から取り入れる」という姿勢に現れているのではなかろうか。
昨今の日本の業界を見ているとどこか謙虚さを忘れ、王座にあぐらをかきすぎているのではないだろうか。最新ヒュンダイ車のザックス系ダンパーは日本車の(ショウワ製が多い)ダンパーよりも減衰特性で優っているという評価が高く、エンジニアリング面でもパワー特性・燃費で日本車のあるものを抜いているのは否定出来ない事実なのだ。
日本勢が目先のギミックに気を取られ、「日本市場で支持されているのだから世界でも同じように支持される」という驕りに取り憑かれ、世界の基準を自らの基準と混同してしまいボタンの掛け違いが起こっている間に、韓国勢の開発・生産・コスト管理面のパワーにリードを許してしまったとしか言いようがないと思う。
技術面・生産面でのノウハウは世界有数であるにも拘らず、つまらぬ派閥争い等に翻弄され、本来の行き方を見誤ってしまった日本の業界は、そのまま日本の政界のポリシーなき迷走と被るといったら果たして言い過ぎだろうか。制度面、法規面、商習慣など多方面に亘るバランスの歪みの中で日本メーカーを取り巻く条件は一筋縄では行かず、確たる解決策を探り当てること自体が困難な所まで複雑化しているのは確かだ。
ただ、日本車それ自体がこうした一連の環境に阻まれて、ガラパゴス化しつつあることは否めないだろう。自分たちが正しいのだから売れる、というのは思い上がりであり、自らの立場を危うくするものに相違ないわけで、自らの国家の基幹産業を世界的視野でどう育てるかの視点をしっかり見据える必要があろう。メーカー同士の共食いや潰し合いを防ぐにはそれしかなかろう。
先日見たTVでも、インドの「芋を洗える洗濯機が欲しい」というニーズを韓国/中国の家電メーカーは真摯に捉えてワールドスタンダードに根ざした開発を惜しまなかったのに対して、日本メーカーは根っから見下して相手にしなかったという。どうにも覇気が感じられない日本車メーカーと韓国車メーカーの関係にもそれとオーバーラップするものがあり、デザインといいエンジニアリングといい、閉塞状況を打ち破り世界的に新しいニーズに応えようという開拓心・ハングリー精神が今まさに求められているのではないだろうか。