ハイブリッドは特許だらけ
ここにきてガソリンと軽油の需給バランスが乱れ始めている。少なくとも日米欧はガソリン余りという状況。そんなことから、世界的規模でハイブリッド小型車のニーズが増えそうな雰囲気。しかし! このジャンル、ほとんどの特許をトヨタとホンダで持ってます。
例えばブレーキ。ハイブリッドの場合、ブレーキ踏力で回生と油圧の制御をコントロールしなければならない。すなわち、ある程度まで踏めば全量を回生してバッテリーに蓄え、充電可能容量超えた分だけ油圧で制動力を出す、という統合制御。
こいつのパテントをトヨタが持っている。したがって三菱自動車はiMiEVで最適な回生制動を行おうとすると、トヨタのパテントに引っかかってしまうワケ。トヨタのパテントを使えば、ストップ&ゴーの多い都市部だと簡単に10%以上走行可能距離を伸ばせるだろう。
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レーキ一つ取ってもこの状態。トヨタ方式のヘビーハイブリッドはトヨタが。ホンダ式のライトハイブリッドを作ろうとすればホンダのパテントを大量に使わな
いとならない。昨今、トヨタやトヨタ関連企業の業績低下を攻める報道も目立つけれど、こういった高いポテンシャルは報じません。
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なみにリチイムイオンバッテリーの特許も、トヨタ系のパナソニックエナジーと日産とNECで作った『AESC』がほとんど持つ。AESCの凄さは生産台数
にも出ている。iMiEVのバッテリーを作るGSユアサの場合、2009年は3千台分。AESCときたら「2009年に1万3千台分でスタートし、6万5
千台分まで視野に入れている」ですから。売る自信があるんだろう。
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トヨタやホンダが持っているハイブリッド関係の特許は、その件数も内容も凄いのだろうと想像していましたが、今回、国沢さんから具体例を紹介していただいたことにより「やはり他社の追随を許さないのはこういった理由か」と納得しました。
と同時に少々疑問に思うところもあります。
以前、トヨタと日産のエンジン関係のエンジニアの方々にそれぞれバルブマチック、VVELの特許について伺ったことがあります。
私が「これらの機構はBMWのバルブトロニックの特許に抵触しないのか?」と質問しましたところ、お二方からほぼ同様な回答を頂きました。
「吸気バルブのリフト量を変化させることにより空気の量を調節するという目的はそれぞれ同じであるが、その機構(仕組みと構造)が違っているので特許には抵触しない。また製品化する前にBMWにその構造を見てもらって後で問題にならないようにもしている」とのことでした。
ハイブリッドの技術も、その仕組みや構造を少し変えて同様の効果を得ることはできないものかと少々疑問に感じます。
まぁ、THSに使われている技術は圧倒的で他の仕組みでは、効率が望めないという気もしますが・・・