バイデン政権で燃費規制強化になれば最も厳しいのがアメリカ頼みだったマツダの6気筒かと

午前中にバイデン政権と自動車産業について書いた。もう少し詳しくアメリカの燃費規制CAFEを紹介してみたい。トランプが規制を事実上の撤回とする前は、CAFE開始を2022年からとし、2025年に23km/Lとするよう決められてました。すなわち来年秋から厳しい燃費規制が始まり、5年間で日本のCAFE(JC08で20,3km/L)より厳しい目標となっていた。

電気自動車のニーズは増えて行く

この規制が決まった2012年から自動車メーカーは対策を始め、燃費悪いV8やV6の代替になる4気筒ターボエンジンの開発に着手。今やキャデラックもカマロもフルサイズピックアップも4気筒ターボ搭載モデルが多数となってます。けれどトランプ政権になった2016年に、前述の如く燃費規制撤回の方向になる。今年4月に正式発効となった新CEFEは2026年に17km/Lだって!

2020年時点で大半のメーカーは17km/Lをクリアしているため、このまんまで良いと言うことです。そんな燃費規制を見て開発していたのがマツダの「ラージ」と呼ばれる6気筒エンジンを搭載する商品群で、このクルマが出てくる2022年にはイッキに業績回復となる目論見だった。日本やヨーロッパのCAFEはとうていクリア出来ないものの、アメリカの17km/Lなら余裕。

フェアレディZは厳しい。こうなったらeパワーで行く?

ホンダやスバルを見れば解るとおり、アメリカで利益を出せば会社は儲かる。マツダもアメリカで業績を立て直す計画だったワケです。先ほどアメリカの業界人に聞いてみたところ、バイデンさんはCAFE強化を必ず行うだろうという。興味深いことにフォードとホンダ、BMW、VWはそもそもトランプが緩くした新CAFEに納得しておらず、従来CAFEを守ると主張していた。

GMやFCA、トヨタもトランプ大統領に逆らわないようしていただけで、新しい大統領に切り替わり従来CAFEに戻ることも想定していたようだ。実際、2022年から従来CAFEに戻っても何とかなるだろうと言う。少なくともホンダ問題無し。トヨタも問題無し。日産はフェアレディZなどユルいクルマもあるが、逆にARIYAなど電気自動車を持つため何とかなる。

ARIYAは良いタイミングです

マツダといえば2022年に6気筒を出せたとしても、すぐ規制に引っかかってしまう。もっと言えば2022年には日本車が売れるカリフォルニアに代表される海沿い地域は環境にセンシティブになっているだろう。アメリカで一般的なリース販売って数年後のリセールバリューにより価格が決まる。2022年時点で燃費の悪いクルマは高いリセールは付かないかと。

バイデンさんの政策次第でマツダの6気筒はいかんともしがたくなる。早急な見直しが必要だと考えます。とはいえ今のマツダを見ていると、そういった柔軟な対応は取れない? ただ「ラージを出せば戦況は全く変わるんだ! カミカゼが吹く!」を合い言葉にしてきただけに、そろそろ丸本さんあたりから「もはやこれまで。見直そうや」と動くかもしれません。

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