ホンダの燃料電池、5年で寿命を迎えちゃう?
CR-Vの燃料電池PHEVに試乗した。エンジンの代わりに燃料電池を発電機として使う。このクルマに関して言えば販売目標”年間”70台。アメリカで生産して日本に輸入するというカタチのため、総合的に考えたら儲からないどころか、技術の継承という意味合いの方が大きい。そして販売はせず、5年のクローズドエンドリースになる。つまり5年したらホンダに戻す。
5年後に「残価で購入出来ないのか?」と聞いたら営業サイドは「燃料電池の寿命に不安があるため余裕を持って5年で引き取らせて頂きます」。初代MIRAIを見ると9年経つのみピンシャン走っている。ホンダとGMが共同開発した燃料電池、そんな短命なのか? 試乗会場に燃料電池の開発担当者が居たので聞いてみた。するとどうよ! 「具体的な数字は出せませんがそんなモンじゃありません」。
さらに突っ込んでみた。そもそもPHEVってエンジン車であっても電気で走らせる。ガソリンより電気の方が圧倒的に安いからだ。RAV4の場合、100km走るのに電気だと電力会社から買う昼間の電気でも600円くらい。ガソリンだと1200円。CR-V燃料電池PHEVだと電気と水素を使う。エネオスの水素で100km走ったら2200円。まぁ電気で走りますワな。
1日40km(年間1万5千km)走るとしたら電気だけでOK。RAV4やプリウスのPHEVに乗っている人の多くは、ほぼ電気で走っているそうな。スタンドに行くのは2ヶ月に一度くらいというケース多い。ということは、だ。RAV4やプリウスPHEVのエンジンって、年間2千km分も回していない。10年で走行15万kmになっても2万km! PHEVのエンジン、寿命は無限です(笑)。
燃料電池PHEVも同じ。10年/15万km走ったって燃料電池の稼働時間は燃料電池だけで走るMIRAIの2万km分くらい。ホンダの燃料電池開発担当者に「5年/1万kmの寿命も厳しいですか?」と聞いたら「PHEVのパワーユニットとして使うのなら寿命など気にする必要ないです」。ここで前に戻る。なんで燃料電池が心配ということなんだろう?
ホンダにこの質問をしたら、興味深いことに誰からも答えが返ってこなかった。少なくとも燃料電池の耐久性は100%問題ないらしい。というかクラリティ世代の燃料電池と比べ生産コストも耐久性も向上しているという。トヨタやヒョンデの燃料電池と同等だと考えていいだろう。いずれにしろ燃料電池の技術は日本にとって大きな財産である。石油利権に潰されないよう精一杯応援したい!
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メーカーから野放しにされて走っているMIRAIですが、面倒なのは水素タンクなんだそうです。2年位ごとに点検が必要で、トヨタは車検の時に幕やってくれるそうなんですが、寿命には決まりがあって10年だか14年だかで強制交換を余儀なくされると。
もちろん、いまでもタンクはサービスパーツで買えますが、BEVのバッテリーに相当するくらいの価格なんだとか。その辺を大真面目に調べた人がwebにアップしていたと思うので検索すれば見つかるかもしれません。
それはやっぱり現行法で水素を扱うとそうなるという話なんですが、そういう規制を何とかしない国が悪いのかさせない利権があるのか。
トヨタの場合は、そういったタンクの点検・補修・寿命対策もガソリン車みたいに見切りを付けられるまえで(税金が1割上がる頃、といってもFCVは上がらないかも)考えていますが、それがホンダは5年くらいという事なんでしょう。
あと5年ありますから、なにかいい方向に行くことがあるかもしれません。クラリティFCEVも企業だけだったのが後期は個人もリースされるようになりました。結果、CR-Vは一般にも最初から売られます(ディーラー裁量できぎょうのみというところもあるらしい)。