ホンダも電気に舵を切った
ホンダが2012年に電気自動車やプラグインハイブリッド車を発売するという。この話を聞いて「?????」。普通、この
ギョウカイに居ると2年先にデビューする新技術の情報など確実に入ってくる。というか新しい技術は熟成や部品メーカーを含めた準備を必要とするため、隠しきれないのだと思う。
特にバッテリーやプラットホーム(車体)の開発、ハイブリッドシステムの熟成には時間掛かります。かといってホンダの社長が「あり得ない約束」をするなんて考えられない。少なくとも18日のTOPでも書いた「2012年
のZEV規制」をクリアするため、ホンダも電気自動車の開発を進めていたことだろう。
したがって「小型の電気自動車をGSユアサから高価なバッテリー買って法規対応のため1200台程度生産」というなら十分納得できます。されど「中型車以上のプラグインハイブリッドを販売する」という点が全く理解不能。バッテリーも、モーターだけで走るハイブリッドもホンダには無いからだ。
少なくとも今秋にデビューするフィット・ハイブ
リッドについちゃインサイトと全く同じシステム。シビックのハイブリッドもシステム的には同じだと思われる(バッテリーがGSユアサのリチウムになる)。これらのシステム、モーター走行モードを持っていないため、プラグインハイブリッドにはならない。
大きなボディと言えばFCXクラ
リティがある。されどコスト的に全く合わないハズ。なんたって日産は2012年になると補助金無しでリーフを売るメドが付いているに違いない。FCXクラ
リティに高価なGSユアサの電池を30kWhくらい積んだら、500万円以上の価格設定となり、価格競争力無し。
といったことを総合して考えると、以前からウワサされていた「モーター走行モードを持つ新しいタイプのアコード級ハイブリッド」の開発にメドがついたということなのだろう。この
クルマにエクストラのバッテリーを搭載すると、割と簡単にプリウスのような電気でも走るプラグインハイブリッドとなるハズ。
アメリカ市場
を常時最優先しているホンダのことだから、GMボルトと同じような「電気自動車と同じくらい大量の電池積むタイプ」を考えている可能性もある。その場合、下の写真のような大きなバッテリーを搭載しなければならない。次期型アコードに間に合わせるのは相当難しいんじゃなかろうか。
ということで、最も実現性高い「中型車以上のプラグインハイブリッド」は、モーター走行モードを持っている次期型アコード用のハイブリッドに、今年の秋から生産が立ち上がるGSユアサと共同開発したリチウムイオン電池を
6〜8kWh搭載するというもの。コスト的には全く合わないと考えますが。
ちなみに伊東社長になってから、ハイブリッド車の価格体系を大きく見直し始めた。インサイト失敗の理由は猛烈に甘い価格設定だと分析。されど日本では営業サイドから大反対を受けたのだろう。一方、辣腕&切れ者が多いアメリカの営業サイドは早くも方針変換を受けた価格戦略を開始。
その第一弾が「インサイトより圧倒的に安いCR-Zの価格設定」だ。日本でもついに伊東社長自ら「インサイトは失敗」という認識を示した。おそらくフィット・ハイブリッドから新しい価格戦略を取ってくることだろう。つまり「トヨタがヴィッツ級ハイブリッドを150万円にする」という情報も考慮するかと。
といった状況の中、燃費で大きく引き離されるフィットのハイブリッドを150万円にしてくるなんてあり得まい。伊東社長の意を汲めば「ガツンと出る!」と言ってます。「ガツン!」(ハイブリッド分の価格)は20万円くらいだと私は考える。フィットのハイブリッド、皆さんが予想としているより安いと思う。
ということで1)価格設定や収益はとりあえず意識せず電気自動車とプラグインハイブリッドを2012年末に間に合わせる。2)ハイブリッド車の価格を大幅に見直しショッパくなる一方の(客観的に見れば大負け)ハイブリッドの販売をテコ入れする、が伊東社長の記者会見の意訳となります。
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結局、HVとPHVとEVのどれが10年後主流になるのか分からず、今年車検なのに買うことができないですね
あと2年したら、動向が見えてくるのだろうか
EV、PHVへの流れは大歓迎ですね。
特にPHVはガソリン車からEVへの繋ぎとして大きな役割を果たす直近の大本命だと思います。
トヨタは現在のハイブリッド技術にEVの特性を加えていくのに対し、
日産、スズキはEVをベースにシリーズ式ハイブリッドを開発していくのではと予測しています。
こうなると非常に面白くなります。
一方、ホンダは後手後手で少し迷走しているように感じます。
一昔前の日産の様に、一応EV、PHVも販売してますという
イメージ作りだけの実用性の無い車にならないと良いんですが。
こんばんは。
販売台数を見れば確かにインサイトの負け。年間20万台計画の車が月数千台ならそういうことになるだろうとはわかっておりますが、販売店の対応がよければインサイトを買っていたかもしれないので複雑です。インサイトの価格ですが大幅減が無理でも、最悪燃費で・・・
・プリウスの1割落ち
・軽自動車より必ず燃費が良い
かつ、
・VWのTSIより燃費と動力性能が上
であるのなら、まだ浮上の可能性があると思うのです。
この辺はバッテリーの容量アップや補機類(電気式エアコンコンプレッサー)の見直しで狙えるのではないでしょうか。TSIの上を狙うのは欧州狙いです。
ホンダはアコードクラスで2モータ式のハイブリッドを開発中と聞いていました。IMA式のアコードハイブリッドは無理があることは分かっていたためです。それでも2014年登場という予想でした。前社長は「PHEVは存在意義不明」といっていましたが、日産、トヨタ、米国法規がもうEV寄りとなれば、自ずと進める方法は決まってしまいます。
できれば、PHEV専用車を用意して勝負に出て欲しいです。
私はホンダ党なのでホンダから新時代のクルマが出るのは大歓迎ですが、ただでさえ殆ど見かけない現行アコードセダン(ワゴンは時たま見ますが)がプラグイン・ハイブリッドになったからといっても名前を変えてハイブリッド専用のおニューなクルマとして販売しないと売れないんじゃないでしょうか? 現行アコード、とにかくデカ過ぎて日本向けじゃないですから。でもリア周りは日本車離れたデザインでカッコイイんですが如何せんアメリカ向け過ぎですね。せめて日本向け仕様はかつてのアコード/トルネオ時代の5ナンバーサイズに戻して欲しいですね。あの時のアコード/トルネオは今でも意外なほど沢山走ってますから。多分セダンとしての使いやすさがあのサイズでピッタリなので新型に買い替えずに乗り潰す人が多いのだと思います。「5ナンバーサイズ&新ネーム&プラグイン・ハイブリッド&買いやすい価格」なら売れるんじゃないでしょうか? というかそれなら私も買いたいです。できれば流線型の空力ボディのハッチバックじゃなくてオーソドックスなセダンボディが希望です。アコード/トルネオにしろESシビックフェリオ(イギリス製シビックRの時のフェリオ)にしろ今でも意識して観察してると沢山走ってますから5ナンバーサイズのセダンの潜在需要はあるんだと思います。ただ今のホンダにそれらのクルマから乗り替えたいクルマがないだけで。インサイトに欠けてるのは「高級感」だと思います。
IMAはユーザにとってこれから普及するアイドリングストップ車と見分けがつかない。アイドルストップ車が数万円高なのにIMAが20万円も高かったら、燃費がよっぽど良くなければだれもIMAの価値を認めない。フィットHVもリチウム積むと云われてる新型シビックHVも販売は厳しいと思う。
ホンダの戦略転換の可能性について先日コメントさせて頂いていたら、タイムリーに発表されましたね。
いささか遅きに失した感がしますが、エンジンにこだわりを持っていたホンダもついに本格的な電動化に参戦。
と言っても、やはりトヨタと同じ感じで、基本的には北米のZEV規制対応のためだと言う気がします。
LIBはハイブリッドと同じGSユアサ系で行くのか、それともEV-neoで採用する東芝SCiBで行くのか。
いずれにしても、DOHC VTECのインテグラGSiやシビック・クーペなどホンダのファンだった当方にとって、普通の人が買えるホンダのゼロエミッション車に早く出てきて欲しいです。
タイムリーな話題をありがとうございます。
正直ホンダの発表には驚きましたけど正直、現状の技術では難しいと思います。
出来るのならインサイトもまだマシなハイブリットになっていたんじゃないでしょうか?
プラグインHVやEVが一朝一夕で出来る訳もないですから、ホンダの技術陣は
これから不眠不休で開発して発表するのでしょうかね。
どうせならNHKの取材スタッフでも引き入れてドキュメント番組作って欲しいです。