ホンダF1、開幕前テスト始まる。初日から93ラップ!
何と! 走行開始の合図の直後、真っ先にピットアウトしコースインしたのはトロロッソ・ホンダだった! 今までの屈辱を晴らすべく、ホンダとトロロッソで準備していたという。素晴らしいリスタートだったと思う!
スペインのカタロニアサーキットでF1のシーズン前テストが始まった。覚えている方も多いだろうけれど、F1に復帰した3年前のシーズン前テストでホンダ製パワーユニットは満足に周回を重ねることも出来ない状況になってしまう。ラップタイムすら取れない(計測ラインを2回通過することも出来ない、という意味)ほど。「開発に問題を抱えている」と開幕前から言われていた通りになる。
この時からマクラーレンとの冷戦が始まった。以後、2016年も2017年もシーズン前テストは満足に走れていない。つまり準備をすることすら出来なかったということである。そこからのドタバタは20年後の自動車メディアで格好の物語になること間違いなし。莫大な予算とマンパワーを投入しながら、ホンダにとってのマイナスイメージしか発信出来なかったのだ。
しかし! 昨年から少しづつホンダの体制が変わり始めた。開幕直前に司令官を更迭。さらに一方的に殴られ続けていたマクラーレンに対し、モノを言える人材も投入した。とはいえマクラーレンもホンダも今や大船になってしまい、進路変更に時間が掛かってしまう。秋になり、やっとマクラーレンにお金を取られることもなく訣別し、心機一転トロロッソという小さいチームと組むことを決定!
トロロッソ、マクラーレンと全く違うキャラクターを持っており、最初から前向きなコメントを連発するなど雰囲気良好。さらにホンダの悪口ばかり言いふらすベテランドライバーに興味も示さず(ホンダにフレンドリィだったベテランドライバーは、今シーズンからスーパーGTに乗る)、若手を起用。これまたフレッシュで活きが良い。2015年からこういった体制で取り組むべきだったと思う。
そんな状況で迎えたシーズン前テストの初日は、何と93周という素晴らしい距離をトラブル無しに走った! トラブルの無い日がなかった今までのシーズン前テストと全く違う! 何より驚いたのは、実質的に4ヶ月ほどで開発したトロロッソの8速ミッションがトラブルフリーだったこと。ホンダのパワーユニットについていえば昨年モデルの改良版ながら、ミッションは新しい。
実際、昨年秋の段階ではマクラーレンからミッションを買おうという話もあったほど。これに対しトロロッソが「悔しいからウチで作る」と申し出あったそうな。不具合の情報無いため、問題無く機能したということ。何より嬉しいことにチームの雰囲気はマクラーレン時代と全く違い、明るい。冬期オリンピックを見ても解る通り、スポーツは根っ子が楽しくなければ見ていて辛いだけだ。
1 リカルド レッドブル 1:20.179 105周
2 ボッタス メルセデス 1:20.349 58周
3 ライコネン フェラーリ 1:20.506 80周
4 ヒュルケンベルグ ルノー 1:20.547 73周
5 サインツ ルノー 1:22.168 26周
6 ハミルトン メルセデス 1:22.327 25周
7 アロンソ マクラーレン 1:22.354 51周
8 ハートレイ トロロッソ 1:22.371 93周
9 ストロール ウィリアムズ 1:22.452 46周
10 グロージャン ハース 1:22.578 55周
前述の通り開幕前テスト初日は全チームの中で2番目にあたる93ラップを走り(午後は気温低下のためタイヤが全く暖まらず早じまい)、13チーム中の8番手タイム。若手ドライバーのファーストランだということを考えれば上々である。しかもホンダのパワーユニット、まだデータを取っている段階で攻めておらず。いずれにしろ今シーズンは応援のしがいがありそうだ。
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