マツダ、売れないのが容易に予想出来るMX-30を出す。900億円という2020年度赤字予想も甘い?
マツダが年内にMX-30のマイルドハイブリッドを発売するという。24Vのリチウムイオン電池+スタータージェレーター用6,5馬力のモーターを使う、いわゆる「マイクロハイブリッド」である。このパワーユニッを搭載するマツダ3の燃費はNEDCで(JC08に近い旧欧州方式)19,6km/L。欧州2021年規制も、日本の2020年規制もクリア出来ない。平均燃費の足を引っ張ります。
やがて1ローターで稼働させる発電機を搭載したPHV仕様も追加されるというから、MX-30というモデルで考えたら2020年規制をクリア出来るということなんだと思う。国交省だって鬼じゃないし、自動車産業の足を引っ張ろうとまでは考えていない。それなりの「言い訳」があればOKらしい。温情判定、マツダだけじゃなくスバルの適用されるようだ。国交省に座布団1枚。
ただお客さんが納得してくれるかどうかは全く別。MX-30を見ると、ほぼ同じサイズのCX-30と違いコスト掛かってる観音開きをドアだしリアシートへのアクセスだって悪い。必ず前のドア開けないとリアドアが開かないですから。後席の居住性だってイマイチ。何より高価だと言われているCX-30より安くなる要因が1つも無い! 出る前から「売れないでしょう!」と判断できる。
マツダは2020年4~6月期の決算報告を行った。世界規模となる新型コロナ禍の中、667億円の赤字は当然だと思う。むしろ予想より少ない感じ。気になるのが2020年度(2021年3月まで)の通期で900億円の赤字予想としていること。内容を見ると、2021年1~3月は販売台数が前年比でプラスに転じるとなってます。マツダ、2020年1~3月も予想通りの販売台数に達せず赤字。
今のマツダの車種構成や販売戦略を見ていると、新型コロナ禍が続くだろう来年から販売台数伸びるとは思えない。しかもマツダの場合、決定的な弱点があります。新型コロナ禍により景気低迷で平均販売価格は確実に下がる。実際、早くも欧州市場では値引き拡大中のルノー・クリオがVWゴルフを抜いてベストセラーになっているほど。割高になってしまったマツダ車は向かい風だ。
アメリカでも新型車無く、しかも個人消費は-34,6%というリーマンショックをはるかに超える厳しい数字が出ている。これだけ落ちたら簡単には戻ってこない。「カッコ良いけれど高い」というクルマ作りを目指してきたマツダにとって難しい市場になります。日本もMX-30の投入で売れ行き伸びるかと聞かれたら「いいえ」。2021年に入って伸びる材料無い?
違う方向から見ると、数字を作り上げて現在のクルマ作りの方向性をキープする目論見。なるべく早いタイミングでマツダのクルマ作りを変化させないと手遅れになってしまう。漏れ伝え聞くところによれば、意気軒昂だった社内の雰囲気もココにきてダダ落ちだという。いいクルマ作っても明後日の方向を向いてるから売れない。売れそうなクルマの企画出しても通らない。アカンな。
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