マツダ、良いクルマなのになぜ売れ行き伸び悩む? まづはデザイン

マツダの売れ行きが世界規模で伸び悩んでいる。良いクルマをたくさん作っているのに、スカイアクティブコンセプトで作られた初代CX-5を出す前の販売台数より落ちてしまってます。普通なら「どこかに問題あるのだろう」と考えると思うけれど、精神注入棒を持ったブラックサタンが「今は耐える時だ! 根性入れて頑張れ!」と檄を飛ばしているという。そんな折、ベストカーから「マツダ3をマイナーチェンジするならどうする?」という原稿依頼を受けた。

考えてみたら前述の通りマツダ車って魅力も多い。ブラックサタン居なくなった時にマツダが出来ることを考えてみました。ということでマツダ自慢のデザインから始めたい。端的に評価するなら「理想論を追いかけすぎており整形手術の目的地点となってしまってますな」。いわゆる「美人は三日で飽きる!」ということです。私はクルマのデザインを擬人化して考える。美しさの3元素をフルに投入して理想型を作ると、韓国のタレントさんになってしまう。

みんな同じような顔ですね。私なんか見分け付かない。一方、日本のユニットは違うタイプを組み合わせる。しかもピンで見たら「う~ん!」です。ファンが怒るので多くは書かないけれど、人気のある2~3人ユニットで、全て正統派の美人ばかりというケース無いです。人間の顔、どこかバランス崩れていることでアクセントとなっているし、魅力の奥行きを深める。その「奥行き」を見つけるのが優秀なスカウトの人であり、タレント事務所の実力です。

男性で言えば、リアルな女性とたくさん接点を持っていれば、魅力のある女性を見つけられると思う。けれど家に閉じこもってフィギュアをいじっているような人がクルマのデザインやったら、理想論に走ってカッコ良いクルマばっかりつくってしまうことだろう。私はクルマのデザインの本質を「弱点を持ちながらどうやって魅力を出すか」ということにある。例えて言えば「キャビンスペースを確保せよ!」とか「視界の良さを考えろ」と言われるデザインだ。

ここまで読んで本職のデザイナーは「そんな簡単じゃ無い。Aピラーの付け根の位置や、ボンネットの高さ、はたまたコストまで制約を受ける!」と思うだろう。その通りでクルマのデザインには様々な制約がある。空気抵抗を少なくしながらキャビンスペースを確保しろ」という二律背反のリクエストだってあります。そういった無理難題が個性を作って行く。これこそデザイナーの中で最も難関と言われている自動車デザイナーのウデの見せ所でしょう。

条件を緩くしていくほどデザイナーの仕事は簡単になっていく。「デザインを考えたらこのラインをもう少し内側に引っ込めて欲しい」に対し「はい解りました」とやったら、もうフィギュア作りになってしまう。自動車メーカーの正しい姿は「対応の立場で意見をぶつけること」である。デザイナーが突っ走ったら、三日で飽きるデザインに向かう可能性大きい。そしてCX-3とCX-30のように見分けの付かないクルマがドンドン出てきちゃう。

ブラックサタンいなくなったらどうする? こらもう簡単。全て素材良いので、上手に崩してやればいい。少し派手目なスポーティルックよし! ステーションワゴン&5ドアHB系のクロスオーバー化よし! メッキモールをたくさん入れ、加飾過多にするのも面白いかもしれません。商品力を増やすアイデア持っている人なら、いっくらでも方策は見つけられます。意気消沈傾向の三菱自動車と違い「自由にやってよし!」となった途端、アイデア噴き出すだろう。

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